ひょうたんおとうさんの“つくる”日々。【生活芸人・田中佑典のふくい微事記~越前町上糸生編~】

ひょうたんおとうさんの“つくる”日々。【生活芸人・田中佑典のふくい微事記~越前町上糸生編~】

こんにちは、生活芸人の田中佑典です。

 

往復約900km。福井県を徒歩で横断する「微遍路(びへんろ)を終え、歩んだ道のりをもとに「微住街道」をマッピング。

街道の途中で出合った出来事を「微事記」として記し紹介します。

今回は【越前町上糸生(かみいとう)編】です。

【⇒過去の記事一覧はこちらから


田中 佑典
さん

台湾と日本をつなぐプロデューサー。
一定期間地域に滞在し、“ゆるさと”づくりをする旅『微住』の提唱人。
2021年東京から福井市にUターン。
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ひょうたんおとうさんの“つくる”日々。

越前町上糸生ののどかな農道を歩く道すがら、なんの変哲もない農家の車庫の前を通ると、たまたま扉が開いていた。

中を覗いてみると、車庫の中にはカラフルなひょうたんが所狭しとぶら下がっている光景が広がっていた。

紐の色もナイスチョイス。1つとして同じものがない


この車庫の主の上山智昭ともあき)さんは、約13年前からひょうたんを色とりどりに塗った作品をコツコツと作っている。

友人からひょうたんを譲り受けたことがきっかけで作り始め、現在その数は約2,000個

 

もともとは軍手屋さんを営んでおり、その作業場が現在の「ひょうたんギャラリー」になっている


若狭塗の技法のように、色を塗り重ねては乾かし、その後削りながら中の色を研ぎ出していく。

そのためどれをとっても同じものはない。

何色も色を塗り、ひょうたんの地が見えないよう丁寧に研ぎ出す作業は大変な根気がいる。

 

塗った順番がわかるよう、棒にもマーキングしている

 

しかも、綺麗な形に育てていくことすら難しいひょうたんを、上山さんは一から栽培している。

よそから買ってしまえばそのプロセスは省けるが、彼はあえて自らの手で作る。

 

水で濡らしながら削りすぎに注意して磨き上げる


上山さんの“つくる”ものはひょうたんだけではない。

微遍路の旅の後、再び彼のもとへ伺うと、なんと帰り際に手作りのうどんを渡してくれた。

そばも手打ちでつくるという。

コシのある上山さんのうどんは、一度食べたら忘れられなくなる美味しさだった。

 

うどんを打つ上山さんの姿は、もはや職人のよう


また別の日に会いにいくと、今度は自分でさばいたというジビエを出してくれた。

「インターネットの映像を見て、見様見真似でやってみた」と言うからまた驚く。

その上うどんの美味しい茹で方やジビエ用のタレのレシピまでも渡してくれた。

 

御年83歳。

年齢を感じさせないそのエネルギーは、“買う”ことで事足りるあらゆるものを、あえて“つくる”ことで、喜びを得ているからだろう。

僕自身も“歩く”ことで、上山さんに出会えた。

人生には「時短」や「効率化」だけでは味わえない楽しさや豊かさがある

そのことを改めて上山さんから教わった気がする。

 

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