「念(おも)いを伝えるプレゼンは、人生を豊かにするためのもの」前田鎌利さん【ふくい人に聞く】

「念(おも)いを伝えるプレゼンは、人生を豊かにするためのもの」前田鎌利さん【ふくい人に聞く】


※福井県ゆかりのさまざま人たちにインタビューする連載です。

書家・プレゼンテーションクリエイター
前田 鎌利さん


福井県鯖江市出身の前田鎌利さんは、書家として、日本文化を伝える社会人向けの新しいスタイルの塾を全国で展開しています。
  
その一方、企業人向けにプレゼンの極意を伝授するプレゼンテーションクリエイターとしても注目を集めています。



前田鎌利さんは書家として作品を発表するかたわら、香や水引など日本の文化を教える塾「継未(つぐみ)」の代表を務め、国内外10教室で700人を超える受講生に書を教える。またJAXAやJリーグ、トヨタ自動車などの依頼を受けて、書をベースにした製品ロゴなどもデザインする。


一方で、自身のキャリアを生かし、企業人向けのプレゼンや資料作りの技術、効率的な会議のやり方などを体系的に説き、講演や企業研修で伝えてきた。それらに関する一連の著作は累計20万部近くに及ぶ。


「書もプレゼンも、どちらも自分の強い願いである『念い』を相手に伝えるためのツールです。その意味でプレゼンを作るビジネスパーソンも一人のアーティストだと言えますね」

5歳から書をはじめ、大学卒業後に独立書家としての活動をスタート。日本文化継承のための団体「継未」は、国内外で10を超える塾を展開する。企業の製品ロゴ制作や、海外でのパフォーマンスも多い


祖父の勧めにより5歳で書を始めた。武生高校を経て、東京学芸大学教育学部の教員養成課程でも書を専攻。流派にとらわれずに自分の書を磨き続けてきた。


大学卒業後は通信会社へ入り、毎日100件もの法人営業をこなした。後に移籍した会社がソフトバンクモバイルと統合。応募者数千人の中から幹部養成機関「ソフトバンクアカデミア」の第1期生に選出され、プレゼンで年間1位の成績を獲得した。そうして、当時の孫正義社長のプレゼン用資料を作成する立場となった。


「孫さんがよく言っていたのが『脳がちぎれるまで考えろ』という言葉。何度もダメ出しをもらいながら、粘り強く多角的に考える姿勢を鍛えられましたね」


書を通して培った余白の表現や大学で学んだ認知心理学などの要素を取り込み、確立してきたのが独自のプレゼン技術だ。ポイントは、「シンプルかつ論理的」であること。

プレゼン技術や資料作成術の講師として、これまで200以上の企業・団体で講演や企業研修などを行っている。写真は、今年2月末に福井広告協会の会員向けセミナーに招かれ、ワークショップなどを行った様子


そのプレゼンノウハウは、資料に載せるグラフや写真の使い方からフォントの種類や大きさ、色にいたるまでとことん具体的で実践的だ。しかし同時に、ロジックだけでは相手を説得できないとも強調する。


「最終的に『そうそう、そうなんだよ』という共感を生み出さないと、人を行動に導くことはできない。最も大切なのは、心を込めて相手の目線に立って、何を望んでいるのかを推し量ることです」


前田さんが伝えたいのは、プレゼンを通すという目の前の目的だけでなく、その先の未来に自身が何を得たいのかビジョンを持つことだという。


「『念(おも)い』を届けて心を通わせ、人を動かすのがプレゼンの極意。ビジネスシーンにこだわらず、夢をつかむため人生を豊かにするために活用してほしいですね」

前田 鎌利(まえだ・かまり)


1973年、鯖江市生まれ。武生高校、東京学芸大学卒業。
光通信などを経て、2010年にソフトバンクアカデミア第1期生となり事業プレゼンで1位獲得。
2016年、株式会社固(かたまり)を設立。ほかに一般社団法人「継未(つぐみ)」の代表理事も務める。
5冊目の著書「プレゼン資料のデザイン図鑑」(ダイアモンド社)が、3月21日に発売された。

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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