福井で愛され続ける、老舗ハンバーグの名店。おいしさの秘密と長年親しまれる理由に迫ります。

福井で愛され続ける、老舗ハンバーグの名店。おいしさの秘密と長年親しまれる理由に迫ります。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

今回は、福井県内にあるハンバーグを看板に掲げる店をご紹介! 

厨房にお邪魔し、おいしさの秘密と長年愛される理由に迫ります。

ハンバーグステーキ 亜米利館(あめりかん)

厚切りのベーコンが添えられたボリューミーな「亜米利館」税込1,370円(サラダ付き)。パセリが香る自家製メンドテールバターとレモンであっさり軽やかにいただけます。ライスやパン(税込250円)、瓶ビールとともに

親子でつなぐ、名店の味と思い。

「この人、何でも作れるけどハンバーグが一番得意だったの」。

店の看板にハンバーグを選んだ理由を聞くと、妻の千恵美さんは誇らしそうに教えてくれました。

オーナーシェフの山本峰雄さんは御年73歳。

15歳から料理の道に進み、洋食店で修業を重ね、結婚と同時に店を始めました。

(中央)1973年、移転前の店舗にて仲睦まじい様子のオーナー夫妻。/(右)厨房に立つ姿が凛々しい、仕込み中の峰雄さん。/(左)50年以上、変わらないスタイル

開店当初からあるメニュー表

ハンバーグは全部で7種。

店の名前を冠した「亜米利館」のほか、ピーナッツ入りやレーズン入りなど珍しいものもありますが、ソースはデミグラス一択。

大鍋を3つ使って、3カ月ほど煮込むというソースは創業からずっと変わらりません。

ハンバーグを薄い玉子で巻いた、優しい味わいが人気の「玉子巻き」税込1,330円(サラダ付き)。柔らかいハンバーグを包むため、実は熟練の技術が必要

ナイフがスッと入る絶妙な柔らかさのハンバーグは噛むほどに旨味が広がり、じっくり熟成させたソースのコクと絡みあいます。

濃厚ながらもしつこくないので、あっという間に完食しました。

「肉もソースも手間を惜しまず基本通りしっかりやれば、ハンバーグはちゃんとおいしい」。

そんな峰雄さんの言葉には、長年の経験に裏打ちされた自信が宿っています。

リズミカルな動きで空気を抜き、ひび割れないよう表面をなめらかに成形。オーブンは使わずフライパンでじっくり焼き、肉汁を閉じ込めます

国産の牛と豚を別々に仕入れ、全ての材料を手で混ぜ合わせてタネを作ります。

研究を重ねたオリジナルの配分です。

「気温や仕入れの状態で焼き上がりは毎日違ってくるので、手の感触が頼り。それは日々の積み重ねでしか分かりません」と峰雄さん。

今はカツレツなどの調理を担当し、ハンバーグ作りは息子の祥大さんに引き継ぎました。

左から、千恵美さん、由佳利さん、祥大さん、峰雄さん。店の名付け親は千恵美さん。「ハンバーグはアメリカのイメージでしょ。漢字にして“館”をつけたら、見た目も響きもかっこいいと思ったの」と笑顔

「父は言葉では一切教えてくれないので、見て覚えるしかありませんでした。少しでも味が変わったら、常連のお客さまにはすぐに分かってしまう。毎日ベストを尽くしているけれど、完成形にたどり着いたとは思っていません」と、厨房に入って20年の祥大さんはシビアです。

「お客さまからの『お店を続けてくれてありがとう』という声がとても嬉しくて。これからも店の味を守っていくことが使命だと思っています」と、祥大さんの妻の由佳利さんも続けます。

愚直にハンバーグに向き合う二人のシェフと、明るい笑顔で店を支える二人の妻。

家族の絆がつなぐ名店の味に、今日も客足が絶えることはありません。

タイルのみで描かれた壁画が印象的な、レトロで落ち着きのある店内。カウンター越しに会話を楽しむ常連客の姿も

1982年に移転オープンした現在の店舗。レンガの外壁に、味のあるレトロな文字の看板という佇まいは、街なかでも一際目立ちます

https://fupo.jp/spot/american/

 

凡凡軒(ぼんぼんけん)

常連客に一番人気の「和風ハンバーグ」(ライスセット付きで税込1,480円)。大根おろしとポン酢でさっぱり食べられ、ご飯も進みます。店内はクラシック音楽が流れ、特注のタイルがあしらわれるなど、昭和モダンな雰囲気

温かく迎えてくれる愛すべき姿。

「ハンバーグの仲間たち」と書かれたメニューブックには、デミグラスやホワイトソース、きのこの和風ソースなど、味も見た目もバラエティ豊かなハンバーグが愛らしく並んでいます。

すべて、「少し種類は減ったけれど、開店当初からずっとあるもの」。

全部僕が撮影したから、ちょっとずれてて恥ずかしい、と店主の中島和彦さんは照れくさそうです。

今から32年前、当初レストラン喫茶を開くつもりでしたが「コンサルタントに『ハンバーグの専門店は?』って薦められたの」。

そこから1年かけてレシピを研究。

ユニークなラインアッ プと丁寧な仕事は評判を呼び、若者や家族連れで賑わう繁盛店になりました。

「今でも『今日の出来はどうかな』って味見しては改善しての繰り返し。まろやかで味わい深い塩を見つけて、それを使ったらもっとおいしくなった」と笑顔です。

牛と豚の比率は7:3。鉄板で焼き色をつけてからオーブンに入れ、ふっくらと仕上げます

常連客は、中島さんより年上の70、80歳代が多いそう。

「ここのハンバーグは箸でほぐれるほど柔らかくて食べやすいと言ってくれる。時々お孫さんを連れて来てくれるのが嬉しいんやわ」。

飾り気がなく真っすぐな中島さんと“仲間たち”は、今日もほっと優しく包み込んでくれます。

バンダナとカッターシャツが様になる中島さん。デミグラスソースも試行錯誤を重ねて現在の味に

https://fupo.jp/spot/bonbonken/

 

西洋食堂 木乃花(きのはな)

半熟の黄身を崩し、艶やかなデミグラスソースと一緒に頬張りたい「ベーコンとたまごのハンバーグステーキ」(手前)。「シャキシャキわさびとハーブのハンバーグステーキ」は、茎ワサビの食感が楽しく、おろし玉ネギソースとも好相性(ライスとみそ汁付きで、ともにレギュラー税込1,650円)

まちを明るくする“王様”の味わい。

口に含めば、カリッとした食感のあとに肉汁があふれ、肉の旨味が湧いてきます。

店主の大谷雄治さんが目指したのは「肉の歯ごたえや風味をしっかり感じられるハンバーグ」です。

国産牛100%にこだわり、定番のスネ肉やネックのほか、肩ロースや腕肉など脂身や旨味のある部位をセレクトして粗挽きに。

つなぎには適度に水分を含む生パン粉を使用し、表面にもまぶして焼き上げることで、軽やかな香ばしさとふんわりとした食感を実現しています。

「一番いい状態で」と、昼と夜の営業前に肉ダネを作り、注文後に成形して焼き上げます

大谷さんは、名古屋や東京のフレンチや洋食店で腕を磨き、24年前の31歳の時に地元敦賀で店を開きました。

「本格的な味わいを広めたい、けれど肩肘張らず過ごしてほしい。それなら白いご飯に合う料理がいいと思ったんです」。

ハンバーグは洋食の「基本」であり「王様」と位置付けるからこそ、特に力を注いできました。

注ぎ足しで作る自慢のデミグラスソース。「洋食の命であり、ハンバーグのおいしさを決めるもの」と大谷さん

それでいてワサビやとろろいも、明太マヨネーズのトッピングなど、13種もあるメニューで楽しませてくれます。

「おいしいものを皆に食べてほしいと思うと、創作意欲が湧いちゃって」と大谷さんはほほ笑みます。

誰よりもハンバーグを信じるシェフの作る一皿から、今後も目が離せません。

緑の幌(ほろ)が目印。店内の壁には、店名の由来でもある「困難に耐え努力し続けることで、美しい花が咲く」という梅の花が描かれます。魚介のフライやカツレツなどのメニューも人気

https://fupo.jp/spot/kinohana/

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

ふーぽ編集部
writer : ふーぽ編集部

ふくいのことならお任せあれ! グルメ、イベント、おでかけスポットなどなどふくいのいろんな情報をお届けします。

おすすめ情報が届くよ

ふーぽ公式LINEはこちら

Follow us

ふーぽ公式Instagramはこちら

こちらもクリック!情報いろいろ

キーワード検索

おもしろコンテンツを発掘しよう!
過去の読みものをシャッフル表示

人気記事ランキング

人気記事ランキング

ページ上部へ
閉じる

サイト内検索

話題のキーワード

メニュー閉じる