笑福亭笑生のモデルデビューしたお話〜！【福井よしもと芸人日記】

オーディションを兼ねた着物ショーの説明会場では、実際のショーに使う着物の生地選びからやりました。

自分で着物の生地を選び採寸をしてモデルさん1人1人のオーダーメイド着物を着て本番に臨むらしい…

 

これは気合いが入るなぁ。

生地を触るとわかるその違い…

いや本当にわかるのよ？ 落語家だから。

普段僕たち若手落語家が着る着物は家の洗濯機でも洗える化学繊維の着物。

 

これは違う正絹(しょうけん)。

師匠クラスが着る着物。

 

でも落語家なら必ず1着はいずれ作らなければならない。

いずれ作らなあかんなら今作ってしまえ！

 

恐らく年季中にオーダーメイドで正絹の着物作る落語家はほとんど居ないだろうと思う。

誰もやった事の無い事を！ がモットーなのでやれて良かった〜。

 

選んだ生地を仕立ててくださるのは地元福井県の呉服屋さん。

僕の担当店は坂井市にある「京乃きものやなぎはら」さんが責任持って仕立ててくださるとの事。

どんな着物になるか本番が楽しみだ！

 

そして迎えた本番当日…

会場はJR福井駅前のハピリンホール「能舞台」。

ここで着物ショーをやるのか〜！

凄いな！

 

他人事の様な事を思いながらすぐに自分がここを歩くのだと思い出し緊張する。

ショーの流れなどの説明を受け控え室に入る。

ここで改めて仕立てた着物を着る。

誰だこいつ……？

インチキ演歌歌手みたいな奴がそこに居た…。

 

いや〜、着物の力は凄いな〜。

どう見ても若手落語家には見えない。

ありがとう「京乃きものやなぎはら」さん素晴らしいお仕事です！

 

きっちり気合いも入り控え室から本番を待つ廊下に出る笑生。

ふと周りを見ると、出演者の方が僕を見てヒソヒソ話している…。

 

なんだろう？

 

すると同じ男性の着物モデルの方が

「ご自身で着物の着付けが出来るんですね…。いや、いつまでもTシャツでウロウロしてるから、あの人着物忘れたに違いないって話になってたんです。」

 

あっ！ そうか！

落語家は皆んな自分で着物を着れるから忘れてた！

そうだ！

着付けって難しいんだった！

 

モデルの人たちは“ギリギリまでTシャツ姿でウロウロしてる変なヤツ”と思ったに違いない。

もしくはモデルを諦めたとか思ってたんだろうな〜。

 

この後もトイレに行く度に、ステテコ姿でトイレに入ったり。

また控え室で着付けたりとする度に、羨ましそうに見てくる女性の着物モデルの方々がいらっしゃいました。

 

女性の着物は本当に着るのが難しいので、基本的にはショーが終わるまでトイレに行けないんです。

お気持ち考えず、申し訳無いです。

 

そして遂に始まる本番のショー。

煌びやかなライト、声援。

アタイ…アタイは今ランウェイを歩いてる…。

これは気持ち良い…。

モデルさん達の気持ちがちょっとわかるぞ！

何よりウケを取らなくて良い！

これは良い！

 

が！ やはり落語家、フリーポーズお願いしますの声に「時うどん」をやってしまう。

実行委員の方から「フリー過ぎます！」の声が。

でも笑い声が上がったから良いよね？

最後はしっかりセンターでポージング。

扇子持って来て良かった〜。

手の置き場に困るんですよねこういうポーズって。

ショー終わりに、観に来てくれたウチの家族と一緒に「時うどん」ポーズ。

 

 息子 「パパうどん面白かったね」

 

ショーの感想は？！ モデルデビューのパパかっこいいとかは？

 

 娘 「でもうどんのすすり方が甘いね」

 

君の意見は辛いね！

 

お時間〜！