福井のめがね屋さん探訪！個性派のお店でとっておきの眼鏡を見つけよう

JR福井駅からほど近い、電車通りに面する「田中眼鏡」。

アンティークショップのような店内に入ると、店長の原千明さんが明るく出迎えてくれます。

「昔は何をかけても似合わないと思い込んでいましたが、自分に似合うめがねと出合ってから人生が変わりました」と話す原さん。

今では40本ほどを持つめがね通です。

雑貨店の店長をしていた経験を生かして、SNSでもめがねやコーディネートを積極的に発信しています。

店には鯖江産のめがねを中心に、70〜90年代に作られた本物のヴィンテージも並びます。

今では作ることができない商品もあり、豊富な品ぞろえと状態の良さはかつて卸がメインだった同店ならでは。

「ツーブリッジやハイブリッジ、大きなフレームはこの年代ならではのデザイン。ヴィンテージ目当てに来る人も多いんですよ」と原さん。

めがねの歴史や製造工程、ブランドのコンセプトやファッショントレンドなど、さまざまな視点からめがねのことを教えてくれます。

学生から会社員まで幅広い世代が訪れ、リピーターも多い。

デザインだけでなく、裏側を知り、ライフスタイルに合わせて選ぶめがねは、長く使える一生ものになりそうです。

「村井メガネ」2階には創業者のコレクションを一堂に集めた「めがね博物館」があります。

ヨーロッパで生まれ、鯖江の一大産業になるまでのめがねの変遷が見られます。

「めがね産地である福井だからこそ、歴史を知ってほしい」と始めた展示はオペラグラスや扇型、はさみ型などユニークなめがねのほか、デザイン画や絵画も並び、希望すればスタッフが案内してくれます。

展示だけの観覧もでき、遠方から訪れる人も少なくないです。

1階の販売スペースには、国内外1,000点ほどのめがねが並びます。

地域ごとのデザインや機能の違いを見るのも楽しく、博物館のように見て回る人も多いとか。

子ども用や、めがねをかけても見えにくさに悩む“ロービジョン”の人の読み書きを助ける商品も取り扱います。

最新の検眼機器「VR800」を備えた検眼ルームでは0.01単位で視力を測定でき、見やすく疲れにくいめがねを作れます。

小さな傷がついたものやサンプル、展示品など、めがねメーカーでは日々たくさんのフレームが廃棄されています。

販売店の「気軽に鯖江のめがねを手に取ってもらいたい」という想いから生まれたのが、めがねのアウトレット店です。

鯖江産を中心に、様々なメーカーの在庫品や型落ち品など、本来なら廃棄される商品が数多く並びます。

中には1点物もあり、掘り出し物を 見つけるのも楽しい。

1本3,000〜1万円と手頃な価格で質の良いめがねが手に入るとあって、限られたオープン時間に多くの人が訪れます。

すべて薄型レンズが入っており、店内で検眼はできませんが使用中のめがねや処方箋を持参すれば度入りレンズに変更できるので、2本目にも良さそうです。

「竹めがね Roots」では、その道50年の熟練職人による竹製のめがねを販売しています。

軽くて丈夫な竹は、金属アレルギーの人でも使いやすく、ノーズパッドも吸湿性に優れた竹なので、運動時も汗を吸い取りズレにくい。

抗菌性が高く清潔に保てる上、木のように縮む心配もないので20年以上長く使えます。

経年で色合いや触り心地が変化し、使うほどなじんでいくのも竹ならでは。

細部まで丁寧に磨いて仕上げるため、なめらかな触り心地と自然なツヤ感が魅力です。

竹のほか、屋久杉や黒檀などの銘木でできたフレームも並びます。

同じデザインでも色合いや木目が一つずつ異なるため、唯一無二。

すべて試着でき、店主が要望に合わせためがね選びを手伝ってくれます。

細かな理想を追求したい人にはフルオーダーや、既存のデザインをもとにカスタムするセミオーダーもオススメです。

親と子、それぞれの気持ちに寄り添う。

「メガネの赤松」が、近年増えている子どもの弱視をサポートするために開いた「こども眼鏡院」。

店内には柄が入ったカラフルなものからシンプルなものまで、約500本のめがねが並びます。

知識豊富なスタッフがフレームの特徴をもとに、部活や生活スタイルに合うめがね選びをサポートしてくれます。

子どもは成長が早く、視力も不安定なのでフィッティング調整やクリーニングは永久に無料で、修理やレンズ交換の保証も手厚い。

「最初のめがねだからこそ、気に入ったものを選んでほしい」と、子ども本人の気持ちを尊重してくれるので、かけ慣れていない子どもでも長く愛用できる1本が見つけられそうです。