書を求め街に出よ！ 本を片手にゆっくりと過ごせる福井県のブックカフェ4選。

3,000冊もの本が並ぶ、ゴドーの本棚。貴重な資料や全集も並んでいて、背表紙のタイトルを見ているだけでも発見がありそう！

本を愛するマスターが集めた詩や文学、郷土、歴史関連を中心に、お客さんから持ち込まれた美術書や小説、漫画までバラエティ豊か。本は希望すれば貸し出してもらえるので、読み切れなくても安心です。

常連客には、考古学者や詩人など、面白そうな人たちがいっぱい。ひとりで本と向き合うのもいいですが、マスターやお客さんと読書談義に盛り上がるのも、まさにブックカフェの醍醐味ですよね。

この店でマスターがすすめてくれた本は、民俗学者・折口信夫の頭脳を紐解く「古代から来た未来人　折口信夫」中沢新一著。この本は、人から人へと渡り歩き、ついにマスターの元に戻ってきたのだとか。ウイスキーと一緒にじっくり対峙したくなる読み応えある一冊です。

澄んだ空気が流れる古民家カフェ。僧侶でもある店主が、「このカフェは道場で、本は道を指示してくれる」と言う通り、今の自分に必要な本と巡り合わせてくれるのだとか。

手に取ったことが縁で、視野が広がるきっかけになればと、本棚には食や命、言葉、人、自然、哲学、宗教など生きることに深く関わる本がテーマ別に並んでいます。1,000冊を超える本は並べ方にも店主の工夫が見えるので、本棚を眺めているだけでも楽しいですよ。

読書のおともには、季節ごとの素材でつくる、心と体に優しいメニューもたくさんあります。本を通して新たな世界と出合う“お稽古”に出かけませんか？

海外の書庫をイメージしたというシックな店内には海外写真集コレクションがたくさん。プロダクトデザインも手がけるマスターのセンスを感じるラインアップから、ピンときたものを開いてみましょう。

ファッション系はコーディネートや色使い、風景写真はカメラマンの目線で切り取られた世界を楽しんでみるのもひとつ。言葉や文字で説明しない写真ならではの、あれこれ思いをめぐらせる自由を味わえますよ。

「ひとりで過ごす時間を大切にしてほしくて」。本棚を設置したのは、本読みに優しい理由から。

「“あなたがそうおっしゃったのよ”なんて、言葉遣いが綺麗なんです」と女性オーナーが惚れこむ近代文学の短編に、谷川俊太郎の詩集、少し毒のあるミヒャエル・ゾーヴァの挿絵、美術展の図録などなどが並びます。

様々な美しい本を開く時間が、新たな気づきをもたらしてくれそうです。