福井のラーメン愛好家が座談会。思い出の一杯から麺や出汁のこだわりまで語り尽くします。

福井のラーメン愛好家が座談会。思い出の一杯から麺や出汁のこだわりまで語り尽くします。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

今回は、福井のラーメン愛好家3人による座談会の様子をお届け。

思い出の一杯から麺や出汁のこだわりまで、大いに語りつくします。

林美香さん
神奈川県出身。福井市の仏料理店「cadre」を運営。福井への移住を機に大好きなラーメンをSNSで発信 
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多田竜也さん
京都の日本料理店で修業し、今年4月福井に帰郷。現在は天谷調理製菓専門学校で日本料理講師を務める
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宗近鉄也さん
「宗近製麺所」4代目。そば、うどんはもちろん、ラーメンもこよなく愛する麺マニア
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3人のラーメン遍歴を語り尽くす。


麺の研究に余念がない宗近さん

 多田(以下、多) :みなさんは普段どれくらいラーメンを食べますか?

 林 :できれば毎日食べたいですが、最近は 週2、3に抑えてます(笑)。ちなみに昨年は1年間で140食くらい食べました。

 宗近(以下、宗) :仕事柄、正月以外は毎日麺を食べています。ラーメンも県内外のお店を食べ歩いて研究していますね。

 多 :僕は京都にいた頃は仕事終わりによくラーメンを食べていましたが、福井に戻ってからは月2回くらいしか機会がなくて(泣)。お二人とも昔からラーメンが好きでしたか?

 林 :私、実は麺全般が苦手だったんです。中華料理店ではチャーハン、蕎麦屋では丼を頼んでいました。でも、中学生の時に渋谷にある熊本ラーメン「桂花」で食べた一杯に衝撃を受けて。これまで食べた昔ながらの中華そばとは一線を画すパンチのある味でした。そこからラーメンにハマったんです。

林さんが衝撃を受けた「桂花」

 宗 :「桂花」は豚の角煮や野菜がたっぷり入っていておいしいですよね。県外なら私は名古屋にある「空庵」の鴨ラーメンが好きです。出汁に和の要素が入っていてあっさり食べやすい。

 多 :僕はこってり派なので、「天下一品(天一)」。京都には総本店があるのでよく通っていたんです。「天一」は京都のソウルフードの一つ。福井店にも近いうちに行こうと思っています!

 宗 :ソウルフードといえば、やっぱり福井では「8番らーめん」。たっぷり野菜と、ちょっと太めの麺に素朴で安定感のあるスープが絡んでホッとします。

 林 :私も家族でよく行きます。福井に引っ越してはじめて「8番」に行ったら、ラーメン店に座敷があることに衝撃を受けました。

 多 :家族連れが多いからですよね。8番ほど店舗数は多くないですが、チェーン店の「来来亭」にもよく行きました。鶏ガラベースに豚の背脂をスープに浮かべた背脂チャッチャ系が好きで。

 宗 :こうやって聞くと、みんな好みが違っていて面白いですね。

 林 :スープや麺の味はもちろんですが、私は温度がすごく大事だと思っていて。一口食べて思った温度よりも低いと、とても悲しくなるんです。

 宗 :スープや麺が熱くても、冷蔵庫から出したばかりの具材をのせると台無しですからね。

 林 :麺のゆで上がりやスープ・具の温度などを考え、最高の状態で仕上げられたラーメンは絶品ですよね。技術と努力が詰まった一杯だからこそ、大事に食べたいと思っています。

 多 :考え方が料理人ですね(笑)。

こだわりの麺で作る絶品ラーメン。


 多 :実は僕、以前から自宅やお店のまかないでラーメンを作っていたのですが、写真を見てもらってもいいですか?

多田さん作の伊勢海老ラーメン

 林 :わぁ、すごい!煮卵も本気のやつじゃないですか!

 多 :専門が日本料理なので魚のアラがたくさん出るんです。それを使って煮付けや燻製、塩のあて方を練習していたのですが、同じ調理法だと飽きてしまって。そこでアラで出汁をとり、ラーメンを作るようになったんです。

 宗 :(スマホの画面をスクロールしながら)鯛や伊勢海老なんて贅沢すぎる…。

 多 :いずれ自分の店を持った時は、コースの最後にこだわりのスープと麺だけの「素ラーメン」を出したいと思っているんです。スープはいろいろ実験してきましたが、麺についてももっと勉強したくて。宗近さんの中華麺の話も聞かせてほしいです。

 宗 :3年ほど前に「宗近の中華そば」を開発して、ちぢれ麺と太麺の2種類を作っています。子どもから年配まで幅広い方が召し上がるので、家で調理しやすく世代を超えて愛される味を目指しました。スープも麺に合わせて醤油と塩の2種類を付けています。

 多 :せっかくならここで作ってみてもいいですか?

手際良くラーメンを完成させる多田さん

 林 :待ってました!おすすめの具材はありますか?

 宗 :豚バラとカット野菜を炒めて最後にバターを溶かしたものを塩スープと合わせるとおいしかったですね。

 多 :中華麺ってゆでると独特な臭いがしますが、宗近さんの麺は「かんすい臭さ」がないですね。ほどよいもっちり感とパッツリした歯切れもあって、喉越しがいいです。

バターが香る野菜たっぷり塩ラーメン

 林 :バターの香りがいいアクセントですね〜。私、宗近さんはいつも夏の冷やし中華でお世話になっていますが、中華そばも本当においしいです。イートインではラーメンを出さないんですか?

 宗 :実は2年くらいラーメンを自宅で試作していたので、レシピは完成しているんです。でも、今のお店はラーメンの調理に適した厨房になっていないのでまだちょっと難しくて…。

 林 :お二人がもしお店で出すことがあれば、必ず食べに行きますね!

新たなジャンルに期待! 福井のラーメンの可能性


 多 :ラーメンは子どもや大人も好きですし、実は料理人も好きな方が多いですよね。中華のイメージですが、食材の組み合わせによっては和や洋の表現もできる。誰にでもハマる味があると思う。

 宗 :同じ麺でも、そばやうどん以上にバリエーションが出せるので面白いですよね。まだまだ可能性があると思います。

 林 :食べたいと思ったら、すぐにお店に行って、さっと食べられる気軽さもいい。しかもお店ごとにこだわりが詰まっていて、一杯食べた後にこれだけ満足感のある食べ物はほかにないんじゃないかしら。無理せず続けていただくために、少しくらい値上げしてもいいんじゃないかなと思います。

「どの一杯も大事に食べたい」と林さん

 宗 :どのお店もすごい経営努力でおいしいラーメンを出していますからね。

 多 :最近は会員制や完全予約制の店とか、コース仕立てで出すところもあるようですし、数千円のものがあっても面白そう。福井でもいろんなスタイルの店が増えているので、最新の味も老舗の味も楽しめるといいですよね。

 林 :県内だと最近は「鶏白湯」や煮干しベースのラーメンを出す店が増えている印象です。個人的には酸味のあるさらっとした醤油ベースのスープで食べるつけ麺が好きなので、もっと増えてほしいですね。

 宗 :確かに、福井はつけ麺は少ないかも。どの店主も研究熱心な方が多いので、これからどんなジャンルのラーメンが出てくるのか楽しみです。

 多 :まだまだ話は尽きないですね。これから寒くなってくるので、ラーメンがよりおいしくなる季節。またぜひ情報交換しましょう!

 

撮影協力:Foodies Hub(学校法人天谷学園)

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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