杉本新知事の誕生に関して、若新さん「『県民主役』はやさしい言葉だけど大変」【若新雄純の変点観測】

杉本新知事の誕生に関して、若新さん「『県民主役』はやさしい言葉だけど大変」【若新雄純の変点観測】

こんにちわ、ふーぽ編集部です!

福井若狭町出身でプロデューサーや大学教員として活動する若新雄純さんに、ふーぽが密着する『若新雄純の変点観測online(オンライン)』。

福井の各メディアで若新さんが放つ、「普通」とは少し違ったスタンスの発言を観測していきます。

第4回は、FM福井の番組「Life is 」内のコーナー「若新雄純のふくいナナメ読み」での変点観測です!

パーソナリティの藤田佳代さん(左)と、新元号「令和」トークからスタート。 若新さんは鯖江市内のスーパー銭湯のテレビ付きサウナで発表会見を見ていたそうですが、「我慢できずに一度でサウナから出て水風呂に入ってしまい、発表の瞬間を見逃してしまいました(笑)」

 

去る4月7日に投開票が行われた福井県知事選。
保守分裂選挙と言われなにかと波乱が予想されましたが、前副知事の杉本達治氏が圧勝し、4期16年続いた西川県政は終わりを迎えました。

今回の知事選に関して、若新さんは

「両氏が掲げた政策の違いには、時代の変化が表れていたと思いますね」


両氏の政策のスタンスについて、「端的にいえば、西川氏はトップダウン、杉本氏は県民主役ボトムアップだったと若新さんは話します。

「トップダウン」とは、上に立つ人が方向性を決めたりゴールを決めたりするようなスタンスであり、「県民主役」はその真逆。


若新さんが言うには、

「『県民主役』っていうのは、『県民ひとりひとりが自分たちで(公共社会を)作っていく側になる』ということ」

誰かが決めた「こうすれば社会がよくなったり、幸せになる」という方向性に従って、全員一致で進んでいくという考え方から、自分たちの幸せはそれぞれ自分たちで考えてつくる」という考え方へ変わりつつあるというのが、時代の大きな流れだと若新さんは考えているそう。

若新さんによると、これまでの福井は「トップが決めた目標に向かって、県民一致で進んでいこう!」というスタンスで一定の成果も出してきたと言えますが、今回の杉本氏の当選は時代の変化に沿ったものだったといえそうです。

しかし、若新さんはこの『県民主役』という言葉に対して少々思うことがある様子。


「杉本さんのマニュフェストを見ると、『わくわく』『どきどき』『いきいき』という数値化しづらいビジョンを打ち出していて、トップダウン型のマニュフェストには使われない言葉が前面に出ていますね。ここは注目すべきところです」

「県民主役の時代においては、一体何が自分にとって『わくわく』や『どきどき』なのか、つまりは「こういう福井にしたい!」っていうのを県民それぞれが個別に考えないといけない。

そして、そういったものってひとりひとり捉え方や考え方が違ってきますよね。正解がない。解釈が違ってくるとすれ違いが生まれてくるし、誤解されたりもする。

やさしい言葉に思われがちですけど、『県民主役』を実現するのは、かなり大変なことでもあると思います

 

パーソナリティの藤田佳代さんの

「これからは自主性が求められていくということですね」

という発言に対しては、

「これまで福井の中で使われてきた『自主性』とは、ニュアンスがちょっと違います。これまでは、例えば学校での話だと、自ら手を挙げて先生から与えられた役割を引き受けたり、率先して先生が望んでいる答えを言うってのが自主性だと思われてきた。

そうじゃなくて、何が正しいのか、大切なのかっていうのを自分なりに考えて選択するっていうのが、本当の自主性だと僕は思いますね」


と、若新さんは力説しました。

「ワクワク、ドキドキ、イキイキには正解がない。」お気に入りのラプト君と一緒に。

 

放送終了後もトークは続きました。

トップダウン型であり、「スピーディ」で「堅実」という評価をされてきた西川氏の県政については、成長が重要視されたこれまでの時代には必要なものだったと若新さんはいいます。

「トップダウン型だと、『これが正解だ!』ってトップが指し示すから決断も速いし、明確な数値目標を設定するので達成度合いも目に見えやすい。

県民主役の政策は、多様性を認めていく素晴らしいスタンスだけど、放送中にも言ったように大変さもある。
多様性っていうのは『答えがひとつじゃない』ってことで、ひとりひとりが個別に納得できる答えを探していかないといけない。当然、議論や試行錯誤を重ねていくことが必要になる。

高校の指導要領が改訂され、2022年から『探究』という科目が設けられることに象徴されるように、手っ取り早く答えを誰かに求めるのではなく、じっくり考えて自分なりの『納得解』を見つけられる能力が、これからの時代には求められるでしょう」

「探究」「探究学習」とは
文部科学省の資料によると「問題解決的な活動が発展的に繰り返される探究的な学習」のこと。自ら課題を設定し、「情報取集・分析」、「まとめ・表現」という過程を通じて、その課題に対する解答を見つけていく学習のこと。高校には2022年から科目として導入予定。
【⇒文科省発表の高等学校学習指導要領はこちら】

(本記事は実際の放送をもとに再構成しています)


今回の「変点観測」はいかがだったでしょうか?


若新さんの話を聞いて、ふーぽ編集部が思ったのは

「知事に対する評価の仕方は、これまでどおりにはいかない」

ということ。

 

上でも数値目標について触れましたが、因果関係を特定したりという大変さはあるものの、
数値化された評価基準というのは、その政策や事業がうまくいったのかを判断するためにとても大切なものです。

でも、「県民それぞれの幸せ」というひとりひとりで捉え方が違うものが実現できたのかというのは、
これまで使われてきた指標のように数値で判断するのは難しい。

県民主役においては、トップに対する新しい評価方法が必要になるでしょう。

だからと言って、例えばECサイトのレビューのように「知事いいね!」と思っている人の割合だけに注目するのも、何か違うと思います。(例えば、知事選の得票率で評価する等)

 

ある政策が経済や社会に影響をおよぼすのは、一朝一夕で起きることではありません。
時には10年、20年、もしかしたら半世紀必要かもしれません。
そういった中で数値目標は、長期的な視点での政策のかじ取りも担ってきました。

一方で、僕たちはそんな先のことまで考えられるでしょうか?

1年後の車検のことや1か月後の税金の支払い、目の前の仕事。
僕らは短いスパンのものごとに追われがちです。

具体的なことはまだわかりませんが、
「自分たちにとっての幸せとは何か」をそれぞれが考えつつ、
「今お金がある」、「今手に職がある」といった短期的視点だけではない、
「どのような社会になれば自分たちの幸せを実現できるか」という長期的な視点で
トップの政策を見つめていかないといけない、ということだと考えます。

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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