ふむふむ、面白いテーマですね。
お好み焼きのソースの香ばしい香り、牡蠣を焼く磯の香り、瀬戸内レモンの爽やかな香り。
潮風漂う海の香りなんかも、広島を表す代表的な香りの一つなのかもしれません。
ただせっかくなので、今の時季ならではの広島の香りを今日はお伝えしたいと思います。
広島には、記憶を呼び起こす香りがあります。
それは「8月6日の香り」。
そう、広島平和記念日です。
この日が近付くと平和記念公園には祈りを捧げる人が集まり線香の香りが静かに漂います。
個人的には、梅雨が明けると夏になるというよりも、線香が焚かれ始めるとあの日がやって来る、そんな感覚です。
そして、毎年8月6日におこなわれる平和記念式典。
テレビ中継で観たことがあるかと思いますが、本当に暑い。
強い日差しで熱せられたアスファルトや木々の匂い。
激しく鳴く蝉の声を聞くだけでもこの時の情景がよみがえります。
それぐらい、夏の空気感=8月6日=広島の香りとして自然と身体に刻み込まれているのです。

夏の景色
広島の子どもたちは、原爆の出来事を通じて日常的に平和学習しています。
夏休み中である8月6日も、もちろん登校日。
学校に集まり、原爆が投下された朝8時15分、平和への願いを込めて黙とうします。
だから、いつもとは違う夏休みの学校のあの独特な匂い、久しぶりに入る真夏の体育館のむわっとした感じもまた、ある意味広島らしいものなのかもしれません。

平和資料館
ちなみに、先日取材させていただいた『広島平和記念資料館』は今年3月に新展示コーナーを開設し、ショップをリニューアル。
2025年度の入館者数は258万人を超え、3年連続の最多更新。
さらに2028年度、子ども向けの展示スペースも新設予定です。
流行りのスポットへ足を運ぶのも良いですがこういう場所に訪れてこそ、歴史や文化、人も含めて広島という町の輪郭が見えてくるような気がします。
広島の香りは、8月6日の香り。
線香も真夏のアスファルトも、全国どこにでもある香りですが広島の人にとっては、風景や心情まで思い起こされるようなちょっと特別なもの、なのです。