嶺南在住クリエイターがいま会ってほしいローカルピープル情報をお届けする【嶺南こんにちは通信】。
今回は、敦賀市・山と太陽の坂本 雅利(さかもとまさとし)さんです。
お気に入りの嶺南スポットも教えていただきました。
ジビエを日常の食卓に。 命のバトンをつなぐ挑戦。

ビル1階の総菜店「Kehi foods」の一角に併設。毎週木・金曜にはシカ肉カレーを提供している
敦賀市相生町にあるジビエ専門精肉店「山と太陽」の冷凍ショーケースには、「獣害を地域資源へと変えます」というスローガンが掲げられている。
店主で、わな猟師でもある坂本雅利さんが昨年11月に開店。
捕獲された地元産シカ肉や国産イノシシ肉を、使いやすい小分けサイズで加工・販売している。

福岡県出身の坂本さんは、大学で野生動物保護を専攻。
5年前、勤めていた会社の転勤を機に敦賀市へ移住した。
趣味の渓流釣りで野生動物と遭遇するなか、市内で年間約2千頭以上のシカなどが駆除され、廃棄されている現状を知った。
「この命を生かせないか」。
危機感を募らせ一念発起。
狩猟免許を取得して、県内外の獣肉加工施設でノウハウを学び、店を構えた。

焼肉などに使える敦賀産シカ肉のハーブオイル漬けや、国産イノシシ肉のスライス
シカ肉の仕入れ先は、頼もしいパートナーである疋田(ひきだ)の獣肉加工施設「つぬがじびえ合同会社」。
代表の宮迫太一さんが手掛けた枝肉を坂本さんが早朝に引き取り、自店の加工場で熟成。
旨味を引き出した後、調理しやすいスライス肉に仕上げている。
「初めて食べる人にとって『最高の入口』になりたいからこそ一切気は抜けない」。
丁寧な仕事と確かな品質は着実に信頼を集め、「食べやすくておいしい」と県内外の客や都市圏の料理人などファンを増やしている。
「家庭で気軽に親しんでほしいから、一緒に食べ方を伝えています。冬はおでんに入れるのもおすすめですよ」
現在は「一頭丸ごとの命の循環」にも取り組む。食肉にならない部位はペットフードへ加工し、皮はレザークラフトの製品化に向けて試作を重ねるなど、山の恵みを余すことなく活用する工夫を凝らす。
作業の一部は就労継続支援事業所に委託し、地域の雇用創出や社会参加に一役買っている。
地元の人と手を取り合い、ジビエを身近な存在として全国へ発信するのが目標だ。
わな猟師として2年目。初年度はベテランの先輩と山に入ったが、今季からは一人で挑む。
常に胸に刻むのは「人事を尽くして天命を待つ」の言葉。計り知れぬ自然が相手だからこそ、万全の準備で真摯に向き合い続ける。
敦賀の山々と人々の食卓をつなぎ、命を慈しむ営みが静かに、けれど力強く根を広げていく。
私のおすすめ“嶺南”スポット
敦賀湾

坂本さん
海と山、川がすぐ身近にある、敦賀の豊かな自然環境が気に入っています。友人と早朝や夕暮れに沖に釣りに出ては、春は鯛、夏はイカ、秋はハマチなどを狙っています。船の上から眺める風景、そして街並みが広がるパノラマの絶景は最高です。
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