知って楽しいプリンの基礎知識。ルーツや種類、トリビアなど、思わず人に話したくなるプリンのトリセツ。

知って楽しいプリンの基礎知識。ルーツや種類、トリビアなど、思わず人に話したくなるプリンのトリセツ。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

 

今回は、シンプルだけど、実は奥深いプリンとの付き合い方をまとめました。

意外なルーツから、 種類やトリビア、日本一を決めるイベント…。読めば今以上にお近づきになれますよ。

 

\教えてくれたのは/
北川弘樹さん
福井製菓専門学校主任講師
「トップ・オブ・パティシエ・イン・アジア」ショコラ部門5位など受賞歴多数

◆プリンの歴史

もともとは船乗りの食べ物だった?

「プリン」はイギリス発祥のプディングの一種で、正式名称を「カスタードプディング」といいます。

一説によると、プディングが誕生したのは16世紀の大航海時代

船上において、手持ちの食料を有効活用するために、肉の小片やパンくずなど余った食材を全部混ぜて卵液と一緒に蒸し焼きにしたものがルーツといわれています。

それが陸に上がって一般の家庭にも広がると、様々な材料で作られるようになり、具を入れない卵液だけを固めたものができました。

これが日本人に馴染み深いカスタードプディングになっていきます。

 

江戸後期〜明治初期、開国とともにプディングが日本に伝わったといわれ、文献上初めて確認されたのは1872年の『西洋料理通』。

プディングの発音がなまって、「プリン」と呼ばれるようになりました。

1903年の家庭用料理本『洋食のおけいこ』にはプリンの作り方が掲載されていますが、一般家庭に普及するのは1964年にハウス食品の「プリンミクス(プリンの素)」が発売されて以降だといわれています。

 

北川さんいわく、一般的にプリンとは「牛乳と卵と砂糖を材料として、卵が加熱によって固まる性質を利用して蒸し焼きにしたもの」をいうそうですが、はっきりとした定義はないそう。

味や食感、雰囲気などから「プリン」と名付けられるものも多く、現代ではバラエティ豊かなプリンが続々と誕生し、私たちは好みにあったものを選ぶことができます。

それほどにプリンは老若男女から愛され続けるお菓子なのです。

 

※参考:猫井登「お菓子の由来物語」幻冬舎

 

◆プリンの種類

どのタイプがお好み? プリン関係図。

カスタードプリン

牛乳と砂糖を混ぜた卵液を型に流し込み、鍋やオーブンで蒸して固めたもの。

いわゆる「昔ながらのプリン」のことで、卵の風味が感じられ、弾力もしっかりめ。

基本の材料の配合比は、牛乳:卵:砂糖= 4:2:1といわれています。

 

ケミカルプリン

 

スーパーなどで販売される比較的安価な量産型

品質安定のため、加熱せずに、ゼラチンや寒天などの凝固剤を使用します。

 

焼きプリン

 

オーブンで加熱する際、蓋をしないことで、表面に焼き色をつけたプリン

香ばしい焼き目が甘みを引き立ててくれます。

 

クリームプリン

牛乳の一部を生クリームに置き換えて、とろりとした口当たりに。

いわゆる「なめらかプリン」

卵黄のみを使い、よりなめらかな食感にする場合も。

 

牛乳プリン、抹茶プリン、 かぼちゃプリンetc

 

卵を使わず凝固剤で固める「牛乳プリン」をはじめ、「抹茶プリン」「かぼちゃプリン」など、基本の配合比をもと に、入れたい食材を組み合わせることで様々なプリンが作れます。

 

 

\プリンの親戚/
カタラーナ



スペイン発祥。牛乳と生クリーム、卵、砂糖のほか、コーンスターチなどの粉類が入り、デンプンでとろみをつけてから冷凍庫や冷蔵庫で固めます。切り分けて食べるのが一般的。

クレームブリュレ



フランス発祥で直訳は「焦がしたクリーム」。 卵と砂糖、生クリームを材料に、ココットなどの器に流し入れて焼き上げます。 表面に砂糖をふりかけてバーナーで炙って食べます。

 

 

◆プリンのトリビア

素朴なギモンを調査。

  Q  プリンアラモードの「アラモード」ってなに?

時に「プリン・ア・ラ・モード」と表記されるのは、フランス語由来だから

 

 A  フランス語の「à la mode(最新の、洗練された)」を指す。

北川さんいわく、語源はフランスでも、プリンアラモードは日本発祥のスイーツ。

戦後、横浜の「ホテルニューグランド」でアメリカ将校夫人をもてなすためにパティシエが考案したものだそうです。

既にアメリカでは、パイの上にアイスクリームを乗せたスイーツを「パイアラモード」と呼んでいたそうで、それにちなんで「プリンアラモード」という名前になったとか。

 

  Q  なぜカラメルが入っている?

「昔からの名残で、今でもカラメルが使用されることが多いようです」(北川さん)

 

 A  型から綺麗に外すため。

カスタードプディング(いわゆるプリン)が誕生した当時は、大きな型に卵液を流し込んで作っていました。

しかし取り出す際、型とくっつき見た目が残念なことに…。

そこで、西洋菓子によく使われるカラメルを底に入れたところ、水に溶けやすい性質のため、卵液からの水分で固まることがなく、容器と卵液の間にカラメルの層ができることで簡単に取り出せるようになりました。

 

  Q  よく3個セットで売られている理由は?

「森永プリン3連」は2016年に終売に…

 

 A  お母さんと子ども2人が食べるおやつだから。

日本で初めて量産型の冷蔵カッププリン「森永プリン」が誕生したのは1971年。

高度経済成長期のなか、手軽に食べられるプリンは人々のニーズにマッチして食卓に広まりました。

森永乳業広報IR部の担当者によると、森永乳業が初めて3個セットの「森永プリン3連」を売り出したのは1976年。

「当時の一般的な家族構成は両親と子ども2人。専業主婦が多く、母親と子ども2人でおやつの時間に食べられるようにしました」。

そうして3個セットが世の中に定着しましたが、家族構成やターゲットの変化により今では1個売りが主流に。

ちなみにヨーグルトが昔から4個セットが定着している理由は、「プリンと違い、食べるシーンは朝が多め。仕事に出かける父親や母親も一緒に食べることを想定したのではないか」ということです。

 

 

◆プリンのポテンシャルは無限大!

P-1グランプリに潜入! プリンでまちおこし。

県内菓子店をはじめ、関西や愛知、鹿児島など全国各地からお店が集結!

 

去る2022年10月29日、プリンの頂点を決める「P1グランプリ」が小浜市で開かれました。

県内外の18店舗が自慢のプリンをひっさげてエントリーし、来場者の投票で1位を決めるイベントです。

「老若男女から人気のあるプリンで小浜を活性化させたい!」との思いから2014年に初開催し、今年は3年ぶりの開催。

プリンを食べ比べて、好みの3店舗に投票(なんとこれが税込1,000円で楽しめちゃう!)

 

卵にこだわったシンプルなプリンから、サツマイモや地酒を使ったものなど、 趣向を凝らしたプリンの数々に会場は大にぎわい。

みんなを笑顔にするプリンを通じてのまちおこし、その可能性は無限大です!

見事1位に輝いたVenite(山梨県)の「究極のなめらかプリン」

過去にグランプリに輝いた「志保重」(小浜市)考案のご当地プリンも誕生(道の駅若狭おばまで販売中)。塩をかけて食べます!

「小浜をプリンの聖地に!」“プリン愛”にあふれる実行委員会の岡本さん

 



いかがでしたか? 

プリンについて深く知ると、スーパーやお店でのプリン選びがより楽しくなるかもしれませんね♪

 

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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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