星空の癒やしを、日々頑張る人に届けたい。地域おこし協力隊員の望月詩織さん（大野市）【こたかな福井びと】

「天空の城」として名高い越前大野城がそびえ、名水百選「御清水」の清らかな水が流れる山間の町、福井県大野市。

この町の市街地から10kmほど離れた南六呂師エリアは、人工的な光が少なく、美しい星空が肉眼で見えることで有名です。

2023年夏、この南六呂師エリアが、「星空の世界遺産」と称される「星空保護区」に認定され、注目を集めています。

そんな大野の星空のPRに貢献していたのが、地域おこし協力隊として活動する望月詩織さんです。

望月さんは、2024年8月に「星空案内カフェ ほしのいと」をオープンしました。 カフェは大野市の「スターランドさかだに」に位置し、星空保護区の南六呂師エリアのそばにあります。

暗闇に包まれた店内は癒やしの音楽が流れ、大野で撮影された満天の星空の映像が中央のスクリーンに映し出される幻想的な空間が広がっていました。

「“星空の世界遺産”認定後、観光客の方が増えましたが、天候が悪く星が見えないこともしばしば。大野市まで足を運んでくれた人に、どんな天気でも星空を楽しんで、癒やされて帰ってもらいたい」と、望月さんは語ります。

星の見えない日でも、星空の美しさを体感できる場所を作りたいという想いがこのカフェに込められています。
 

自分らしくいれる場所を探して

山梨県甲府市生まれの望月さんは、専門学校へ進学するため上京。卒業後は、ウェブ関係の職に就きました。

幼い頃から自分の感情を抑えがちで、過去のトラウマから自分を大切にすることができないなど、心を休めることができずにいたと言います。

25歳の年に、そんな自分を変えようと思い、東京での生活に区切りをつけます。

家や実家の荷物も全部捨て、仕事も辞め、友人や家族など周囲との連絡も絶ち、国内の地方を転々とする生活を始めました。

そこで出会った友人が福井に移住したと知り、水と星空がきれいな大野市の存在に興味を持ちます。
実際に訪れた際には、壮大に広がる満天の星空とその美しさに心を打たれました。

豊かな自然と人々の温かさに触れ、「星や地域の方と関わりたい」と感じた望月さんは地域おこし協力隊に応募し、大野市での暮らしを決意します。

2020年末に移り住んだ後は、ＷＥＢデザイナーの経験や絵心を活かし、ホームページの設立や情報紙の制作、グッズ販売を行うなど、大野市の星空のPR活動をはじめていきました。
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「好きな絵を描き続けながら、地域おこしの活動でいろいろなことに挑戦するなど、私らしく、前向きに生きられている感じがするので、大野は、私の居場所なのかなと思っています。」