福井ならではの正月おせちレシピ。手軽なものから手間暇かけるごちそうまで。

    福井ならではの正月おせちレシピ。手軽なものから手間暇かけるごちそうまで。

    こんにちは、ふーぽ編集部です。

    地域に根付き、脈々と受け継がれてきた郷土の料理と文化。

    今、あらためて見直したい福井の食を取り上げ、おいしくいただきます。

    今回は、お正月の定番「おせち料理」を、郷土色豊かに仕立てます。

      郷土おせちのイロハ/縄文の里流 おせちレシピ

      お手軽なものから、手間暇かけるごちそうまで。

      お正月を彩る福井の食を、その背景とともに紹介します。

      ぜんまいのお和え

      山間部では、春に収穫した山菜を干して、冬の保存食としました。

      ゼンマイは急な崖などに生える貴重な食材のため、正月など人が集う場で振舞われたそう。

      「銭を巻く」がなまった名前の通り、財を得る縁起物として。

      手作りの豆腐や蓄えた大豆を和え衣にしました。

      【材料】

      4人分/大豆…50g、干しゼンマイ…40g、だし…適量、醤油…大さじ2、みりん…大さじ1、酒…大さじ1、砂糖…大さじ1
      A〈白みそ…15g、砂糖…大さじ3、みりん… 大さじ2〉

      【作り方】

      1. 大豆は洗って一晩浸けてから、たっぷりの水で青臭さがなくなるまで煮て、皮を取り除きミキサーにかける
      2. 干しゼンマイを戻し、4cm幅に切り、だし、醤油、みりん、酒、砂糖で煮て下味をつけ、冷ましておく
      3. ボウルに1Aを入れて混ぜ合わせ、②を加える

       

      打ち豆なます

      打ち豆は、大豆をつぶして乾燥させた保存食。

      昔から大豆が豊富に収穫できたため、なますに打ち豆を入れるようになったといわれます。

      ニンジンと大根の紅白の組み合わせには、平和を願う心が込められ、正月や結婚式などで作られました。

      【材料】

      4人分/打ち豆…65g、大根…1/2本、ニンジン…1/3本、塩少々
      A〈砂糖…大さじ2と1/2、酢…大さじ3、みそ…大さじ1/2、塩少々〉

      【作り方】

      1. 大根とニンジンは皮をむき、千切りにして塩をふり、しんなりするまで置いて固く絞る
      2. 鍋に打ち豆を入れ、水をひたひたになるように加えたらしばらく置く。弱火で大豆の臭みがなくなるまで煮た後、ざるにあげる
      3. 12Aを混ぜ合わせる

       

      里芋のころ煮

      昼夜の寒暖差や清らかな水に恵まれた奥越の特産である里芋は、小ぶりながら身がしまり、まろやかな甘みと粘りが特長。

      子孫繁栄の縁起物として、祝いの席で親しまれてきました。

      薄皮付きのまま作るのがおいしさの秘訣。

      【材料】

      4人分/里芋…400g、水…1カップ、醤油…大さじ4、砂糖…大さじ4、酒…大さじ3、みりん…大さじ1

      【作り方】

      1. 里芋は皮つきのまま洗い、汚れは包丁でこそげ取る
      2. 鍋に里芋と水、醤油、砂糖、酒を入れてから落し蓋をして強火にかける
      3. 煮汁が里芋にかぶるまで煮上がらせたら、中火で煮込む
      4. 20分ほど煮たら落とし蓋を取り、鍋ごとゆすりながら汁がなくなるまで煮つめる。最後にみりんを加え、もう一度強火で照りを出す

       

      雑煮

      福井の雑煮は丸餅にカブを入れたみそ仕立てのシンプルなものがポピュラー。

      小浜では餅の上に黒砂糖をのせるところもあると、御食国若狭おばま食文化館は伝えています。

       

      金時豆

      スーパーのお惣菜の定番としても親しまれる、甘く煮た金時豆。

      殿下や河和田に伝わる「葉ずし」にも入れられます。

      「まめに暮らす」という語呂合わせで、元気・健康という意味が込められています。

      【材料】

      金時豆…500g、砂糖…270g、塩…小さじ1/3、水…適量

      【作り方】

      1. 金時豆は8~10時間ほど(一晩)たっぷりの水で浸して戻す
      2. 鍋に、つけ汁ごと中火で沸騰させ、吹きこぼれないよう注意しながら弱火で1時間~1時間半ほど煮込む
      3. 豆が手でつぶせるほど柔らかくなってきたら、2~3回に分けて砂糖を入れる
      4. 火を止め、塩を振り入れて、蓋をしたら半日寝かせる

       

      すこ

      里芋の一種である「八つ頭」の茎(赤ズイキ)で作ります。

      色鮮やかで報恩講や祭りに欠かせない料理。

      シャキシャキと甘酸っぱく酒の肴にもぴったり。

      【材料】

      赤ズイキ…300g、塩…小さじ1、酢…大さじ3、砂糖…大さじ3

      【作り方】

      1. 赤ズイキは皮をむき3cm幅に切り、太いものは二つ割りに切る
      2. 1に塩をふって軽くもむ
      3. 鍋を熱し、2を入れて乾炒りする
      4. しんなりしたら、ボウルに酢と砂糖を合わせ、ズイキを入れて混ぜ、蓋をして冷めるまでそのままにしておく

       

      丸揚げごぼう

      細く長く、また深く根を張ることから長寿や「家の土台がしっかりする」とのいわれがあるゴボウ。

      丸揚げにしたゴボウは越前市の奇祭「ごぼう講」でも振舞われています。

      【材料】

      ゴボウ…1本、だし…1.5カップ、醤油…大さじ3、酒…大さじ2、片栗粉…適量、揚げ油…適量

      【作り方】

      1. ゴボウは皮をこそげ、水に浸してアクを抜く
      2. 食べやすい長さに切り、ひたひたのだしと醤油、酒で下煮をする
      3. ②を汁からあげて、片栗粉をまぶして揚げる

       

      昆布巻き

      江戸~明治時代にかけて、北前船によってもたらされた昆布やニシン。

      “よろこぶ” 昆布と、子孫繁栄を願うニシンは祝い事のごちそう。

      ゴボウやニンジン、油揚げを一緒に巻くことも。

      【材料】

      4人分/昆布巻き用昆布…40g、身欠きニシン…180g、ゴボウ…1本、ニンジン…1本、厚揚げ…1/2枚、かんぴょう…適量、砂糖…大さじ3、醤油…大さじ3、みりん…大さじ3

      【作り方】

      1. ニシンは一晩米のとぎ汁に浸けてしぶみを抜く。昆布はさっと洗って、水気を切っておく。ゴボウは皮をこそげ、水洗いする
      2. ニシン、ゴボウ、ニンジン、厚揚げを昆布に合わせて切る
      3. 2を芯にして昆布を巻き、かんぴょうで結ぶ(箸と一緒に巻いてから抜くと、いい締まり具合になる)
      4. 鍋に昆布巻きを並べてたっぷりの水を加えて火にかけ、昆布が柔らかくなるまで煮る
      5. 砂糖、醤油、みりんを入れ、弱火で味が染みるまで煮る

       

      ぼっかけ

      炊き立てのご飯に熱々のだしをかけた「ぼっかけ」は、勝山市や坂井市ではその昔、自宅で行う結婚披露宴の〆の定番でした。

      赤いかまぼこと、三つ葉またはセリを散らすのが勝山流。

      根菜や糸こんにゃくなど具だくさんの汁をかけるものなど、県内各地にさまざまなスタイルが伝わります。

      胃への負担も軽く、正月三が日の夕食に出されることも多かったです。

       

      にしん大根(にしんずし)

      北前船によって北海道からニシンが運ばれたことにより、寄港地であった敦賀などを中心に冬の保存食として根付きました。

      卵(数の子)をたくさん産むニシンは縁起物として、おせち料理としても出されるめでたい料理のひとつ。

      【材料】

      4人分/大根…1本、ニンジン…1/2本、白菜…4枚、身欠きニシン…80g、甘酒…200ml、塩…50g(大根の重さの5%)

      【作り方】

      〈下漬け〉

      大根と白菜は好みの大きさに切り、塩を振って1~2日漬け込む

      〈本漬け〉

      1. 前日に、ニシンを食べやすい大きさに切り、米のとぎ汁に漬ける。翌朝サッと水洗いする
      2. 下漬けしておいた大根と白菜をザルにあげて水切りする
      3. 大根と白菜、輪切りにしたニンジン、ニシンの上に甘酒をふりかけて2週間ほど漬け込んだら完成

      ※量が多い場合はこの手順を繰り返して層にする

       

      鯖のなれずし

      豪雪地帯の勝山市北谷町で、冬の貴重な保存食として作られてきました。

      塩抜きした鯖の腹に、麹と生姜を混ぜ込んだ酢飯を詰めて、桶の中で約1か月間じっくり漬け込みます。

      正月~3月上旬まで食べられました。

       

      知恵と工夫とおいしさを暮らしの中で受け継いで。

      「お正月やお祝いごとがあると、皆で集まって食べていました。なじみ深い料理ばかりです」。

      そう話してくれたのは、今回料理を教えてくれた勝山市の「福井ふるさと茶屋縄文の里」の太田紀子さん

       

      母親の見よう見まねで覚えた里芋のころ煮、嫁いできてから地域の先輩方に教わった四色の昆布巻き、「色鮮やかに仕上げるのに、今でもレシピとにらめっこ」と笑うすこなど、正月にぴったりの郷土料理がテーブルを彩りました。

      「母は里芋を煮る時に、味が染みこむように十文字に切り込みを入れていたの。家ごとにちょっとずつ作り方が違って、私はこうするのよって皆でお喋りするのも楽しい。基本を踏まえつつ、自分なりの味を出していったらいいと思う」とおおらかです。

       

      ほかに「お正月に食べ頃となるように、1カ月前から仕込む」と言うのは、冬の寒さを利用して発酵させる「なれずし」。

      冬場の貴重なたんぱく源であり、正月のごちそうとして親しまれてきました。

      「たくさん漬けて保存しておけば、いつでも手軽に栄養を摂れる。雪国ならではの先人の暮らしの知恵よね」と太田さん。

       

      郷土料理は日常の家庭料理でありながら、冠婚葬祭や、豊作豊漁を祈る祭礼に伴うものが多くあります。

      「お正月は多くの人が集う機会でもあったし、昔は自宅で結婚式や葬式をしていましたから。親戚や地域の人が助け合って準備をするなかで、料理も伝わっていました」。

      その繋がりが薄くなった今、郷土料理を味わうことで、行事の意味や地域の絆を知ってもらいたいと話します。

       

      太田さんは1年前から勝山市の女性5名のグループ福井食の魅力まるっと伝え隊のメンバーとしても活動中。

      「難しいイメージで、敬遠されがちな郷土料理を少しでも身近に思ってもらえるように、皆で頑張っているところです」。

      活動のひとつである料理教室では、郷土料理が生まれた地域の食文化や人々の暮らしなども解説しています。

      「私もこの年になって、おいしいと気づく料理があるのよ。今の若い人たちにもそう感じてもらえたら」。

      そんな自然体な言葉にほっとします。

       

      人から人へ、知恵と味を伝えていく。

      郷土料理の奥には、いつの時代も変わらない、優しいまなざしがあります。

      〈撮影協力・レシピ監修〉福井ふるさと茶屋 縄文の里
      地域のお母さんたちが手作りするランチが味わえる(勝山市遅羽町比島33-1)

      ※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

      ※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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