福井の風習「天神講」について孫いちさんに聞いてみた♪ 天神様を贈る時季や祀り方など、おさえておきたいポイントをまとめました!

福井の風習「天神講」について孫いちさんに聞いてみた♪ 天神様を贈る時季や祀り方など、おさえておきたいポイントをまとめました!

こんにちは、ふーぽ編集部です。
みなさん「天神様の日」をご存知ですか?

学問の神様と呼ばれる天神様・菅原道真公の命日である2月25日と、生まれた日である6月25日にちなんで、毎月25日は「天神様の日」とされています。

特に毎年1月25日は、その年初めての天神様の日「初天神(天神講(てんじんこう))」です。

福井では、男の子が生まれると母方の祖父母から天神様の掛け軸が贈られるという風習があります。

今回は、天神講の専門家・福井市の「孫いち」さんに、天神様を贈る時季や祀り方などおさえておきたいポイントをお聞きしまとめてました。

\今回教えていただいた方はこちら/

人形の孫いち(まごいち) 林さん
福井市大名町「ニシモト」を引き継ぎ、現在、坂井市春江で営業中の老舗人形店「人形の孫いち」。北陸最大級の品揃え「天神様・節句人形・掛軸」の専門店です。

「天神講(てんじんこう)」とは

「天神」とは、学業の神様である菅原道真公のこと。(天神様を祀った神社は全国各地にあり、太宰府天満宮や京都の北野天満宮は特に有名です)

学問の神様と呼ばれる天神様・菅原道真公の命日である2月25日と、生まれた日である6月25日にちなんで、毎月25日は「天神様の日」とされています。

毎年1月25日は、その年初めての天神様の日「初天神(天神講)」で、福井では毎年元日に、床の間に天神様の掛け軸を祀り、焼きガレイをお供えします。

お供えした後は、焼きガレイを食べて子どもの健やかな成長と学業成就を願います。

 

林さん
天神様は、初めての男児誕生にお孫さんに贈られることから、おじいちゃん、お父さん、お孫さんと天神様を並べて床の間に飾られるご家族もいらっしゃいます。

これは、男児が誕生したからこそ揃えることができたもので、三幅並んだ天神様は、それはそれは見ごたえがあります。

最近は、次男の誕生時にもご購入され、兄弟で並べるご家庭も多くいらっしゃいます。

 

天神様を贈る時季

天神様は、孫を想う祖父母の心を伝え、その子の「神様」として贈るものです。

贈る時期は、元日からお祀りできるよう、孫が生まれた年の暮れ(10月~12月)に贈ります

そのため、1年のうち最も掛け軸の種類や品数が豊富なのは秋頃です。

購入を検討されている場合は、秋口には一度店に出向き、店の人に相談しながら選ぶのがおすすめです。

 

林さん
出産予定日が年末の場合は、年が明けてからの贈り物も考えられますが、時期的にどうしても品数は少なくなることがあります。

出産前に下見をされてお店に仮予約をしておくことがオススメです。

 

天神様の選び方

人形の孫いちでは、10月から1月まで入口付近及び、特設売場を設置して多数の品を展示中

一生ものとなる天神様の絵。

天神様を選ぶときは以下のポイントをチェックしましょう。

☑ お姿(天神様の向きなど)

☑ お顔(表情)

☑ 裂地(きれじ)の色柄(掛け軸の表装)

☑ サイズ

 

細いお顔もあれば、少しふっくらしたものなど、作家さんによって表情はさまざま

向きや姿勢、表情などに個性があり、絵を貼った裂地(きれじ)の色や柄でも雰囲気が異なる天神様。

天神様のお姿を描く作家さんによっても個性があり、選ぶ際は迷うことがあるかもしれません。

選び方のポイントとして大事なことは、「一生大事にしてもらいたい」と思える天神様を選ぶことが大切です。

林さん
 
掛け軸は幅の種類が多いため、飾る場所(床の間)のサイズ(幅)を計ってからお店に行かれた方が良いでしょう。

また、今は従来のお軸の他に、居間のサイドボードの上に飾れるよう、「飾台がセットになった丈の短い天神様」や「額仕様の天神様」もあります。

床の間が無い家用のスタンド式掛け軸(ミニサイズ)

狭い場所でも気軽に祀れる人形タイプも

掛け軸以外にも、弓矢の威力で“世の邪気を払う”と言われる男子の正月飾り「破魔矢」のほかや、奉納鎧や兜など様々な品が展示中。

出産祝いの定番である、端午の節句の奉納鎧や兜などもずらりと並んでいます。

見ているだけでも楽しめますよ。

 

天神様の祀る日・祀り方

年末の大掃除を終えた後、元日に床の間にお祀りします。

生まれてからおじいちゃんになるまで、一生そばで見守ってくださるその子のための神様なので、心を込めてお祀りしましょう。

そして、天神講当日の1月25日は、家族全員で「二拝二拍手一拝」のお参りをしましょう。

 

 

天神様を祀る場所

最近は床の間がないご家庭も多くありますが、お祀りする場所は壁や廊下でも大丈夫

場所を気にするよりも、毎年お祀りする気持ちが大切です。

ただし、直射日光が当たる場所は避けましょう。

 

お供えは焼きガレイ

天神講当日、正月から床の間に飾っていた天神様に尾頭付きの焼きガレイを供えてお参りするのは、嶺北を中心とした独特の風習です。

天神講の前日から当日にかけて、鮮魚店やスーパーの店頭には焼きガレイが並びます。

焼きガレイをお供えする理由は諸説あり、以下の説が有名です。

  • 【庶民の尾頭付き説】
     庶民にも手に入りやすく、ほんのりと赤い見た目がタイに似ている「アカガレイ」で代用するうちに定着した。
  • 乾飯語呂合わせ説】
     天神様の旅立ちの日の食事として、当時の携帯食である「乾飯(かれいい)」の語呂合わせでお供えした。
  • 【道真公の好物説】
     道真公が城下カレイを好んで食べていたという言い伝えから。

お参りのあとには、カレイのお下がりをいただいて学力向上を願いましょう

 

林さん
お供えの焼きがれいの向きを気にされる方もいらっしゃいますが、天神様=神様として祀られていることから、天神様に背びれをむけてお供えいただくとよいかと思います。

 

天神様をしまう日

天神講にお参りをする1月25日の後が一般的ですが、受験や就職など大事な願い事がある年は、ひと区切りがつくまでお祀りしていても良いと言われています。

カビやシミを防ぐため、天気の良い日に陰干ししてから片付けましょう。

 

天神様を片付けるポイント

掛軸を巻く際には、軸の上部の風帯(ふうたい)を掛け軸の中に入れて巻き込んで巻かず、軸の上部で横に折り畳んで保管しましょう。

軸上部の20センチほどの掛け軸を吊るす紐のような裂地が「風袋」

桐の芯棒

林さん
 

風帯を一緒に丸めてしまうと、風帯が歪み、再び掛けるときにきれいに掛けることができません。

また、巻く際には、桐の芯棒(桐太巻)で掛軸を大きく巻く事で、掛軸の表装が守れます。

 

さらに保管する際には、湿気から掛け軸を守るために仕舞うための箱「畳(タトウ)箱」に入れて保管します。

(上)タトウ箱、(中)二重箱(塗)、(下)桐箱

 

林さん
 

北陸地方は年間を通して湿度が高い土地柄ですので、天神様をしっかりとお守りするために、掛け軸を入れる桐箱と、その桐箱を入れる二重箱に入れ、それを畳箱に入れて保管するのが安心です。

再び掛けるときに素敵な姿で飾るために、ぜひお気を付けください。


いかがでしたか?

一生に一度の贈り物。ぜひ、素敵な天神様に出合ってくださいね。

 

人形の孫いち・掛軸殿

福井県坂井市春江町江留上昭和145番地
☎0776-50-6341
【営】10:00~18:00(10月1日~5月5日)、12:00~17:00(5月6日~9月30日)
【休】水曜
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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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