ふくいの秋を彩る風物詩♪ 甘く美味しい越前柿をご紹介! 【野菜ソムリエ旬だより】

ふくいの秋を彩る風物詩♪ 甘く美味しい越前柿をご紹介! 【野菜ソムリエ旬だより】

こんにちは。ふーぽ編集部ともきです! 

地元福井で活躍する野菜ソムリエのみなさんが、旬の野菜や果物の栄養、保存方法、食べ方のポイントなどを教えてくれる、【野菜ソムリエ旬だより】。

野菜ソムリエコミュニティ福井とは? 
野菜ソムリエの修了生が中心になり、ボランティアベースで活動する協会認定の福井の地域コミュニティ。スキルアップの勉強会や食育イベント参加など、修了生の交流と学びの場になっています。野菜ソムリエコミュニティ福井は約80名が活動しています。
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第17回目のテーマは「越前柿」

【⇒過去の連載はこちらから

食欲の秋というように、秋にはいろいろな食材が食べごろを迎えています。

季節が進み、秋らしくなり、ようやく柿の美味しい季節が近づいてきました。

今回は、柿の栄養価や、柿のおいしい見分け方、保存方法もご紹介しますね♪
 

\今回の先生/

野菜ソムリエプロ

土橋(どばし)登喜雄さん

 

柿のいろいろ

柿の伝来&原産地

日本を含め東アジアが原産といわれ、実はあの「古事記」にも柿の文字が書かれていたり、奈良時代の木簡にも、柿や干し柿について書かれています。

日本では古くから柿を栽培されていたと考えられ、実はヨーロッパやアメリカには日本から伝わったため、欧米での学名も「kaki」なんですよ。

 

大きく育った平核無柿(ひらたねなしがき)

 

柿の種類

日本で栽培されている柿は大きく分けて、「甘柿」と「渋柿」の2つに分けられます。

甘柿
甘柿はタンニンという渋みが、水に溶けない形で含まれているので渋みを感じず、甘く感じます。甘柿の品種は少なく、富有柿(ふゆうがき)、次郎柿、太秋柿があります。

渋柿
渋柿はタンニンが水に溶ける状態のまま残る品種で、食べるには収穫後に『渋抜き』が必要です。平核無柿(ひらたねなしがき)、刀根早生(とねわせ)柿、市田柿、西条柿などがあります。

不完全柿
そのほか、甘柿と渋柿が混在する不完全柿と呼ばれる、種ができないと渋柿になる傾向のものがあります。西村早生柿、筆柿などです。


そして主にスーパーで見かけることが多いのは平核無柿と富有柿。

平核無柿は主にスーパーでは「種なし柿」と表示されて販売されていることも多く、目にすることも多いのではないでしょうか。

 

 

柿の魅力&効能

柿は栄養が豊富で、昔から「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど栄養価も高く、健康食品としても非常に優れていると言われています。

 

カリウムの作用

柿に含まれるカリウムは体内の塩分を排泄する働きがあり、高血圧の予防に効果があります。また、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防ぐ働きもありますが、逆に不足すると、筋肉が弱り、障害を起こすともいわれます。

 

ビタミンAとCが豊富

どの品種にもペクチン、βカロテンをはじめリコピンなどのカロテノイド、ビタミンCを多く含みます。ビタミンCは、柿1個で一日の必要量をほぼまかなえるほど含んでおり、疲労回復、風邪やガン予防、老化防止に効果があります。

 

二日酔いに効果がある?

ビタミンCとタンニンには血液中のアルコール分を外へ排出する働きや副腎機能低下を防止する働きがあります。また、酵素がアルコールの酸化、分解を促すため、血中アルコール濃度の上昇を防ぐため、二日酔いにも効果があるようです。

 

柔らかくても美味しい富有柿。所謂「ぽたぽた」な柿のファンも多いのでは?

 

柿の選び方

柔らかくなってから食べると美味しいものが多いですが、選ぶ際は以下のような点を見ると良いでしょう。

果皮全体がオレンジ色で張りがあるもの(赤みがかったものは果肉がやわらかめ)

かたい食感がよければ色が濃すぎないもの

大きめでずっしりと重みがある

へたと果実の間に隙間がない

 

柿の保存方法 

あたたかいところに置くと一気に熟されていくのも柿の特徴。やわらか過ぎる柿は冷凍してシャーベットにするにもお勧めです。

かたい食感を保つなら冷蔵保存

やわらかくするなら常温で保存

置くときにはヘタを下向きに置く

 

種のない柿はなぜできる?

一般的に果実は、おしべから出た花粉が、めしべに受粉して実が大きくなりますが、受粉しなくても実が大きくなるものもあり、柿の中では渋柿の平核無柿や刀根早生柿などの品種がそれにあたります。

7月頃までは種のようなものが確認できますが、なんとしだいに消えてしまうのです。
⇒もっと知りたい方はこちら

バナナ、イチジク、ミカンなどに種がないのも同じ理由によるものですね。

 

収穫前の柿農園にて

 

福井県内の柿事情&JA福井県にお聞きしました!

渋柿の渋みはどうやって取り除くの?

9月末以降本格的に柿のシーズン到来となりますが、一般的にスーパーで販売されている柿は、もともと渋柿であるものが多いことはあまり知られていません。

渋柿は甘柿に比べて品種も多く、栽培もしやすいためです。

 

では、渋柿のあの渋みはどうやって処理をしているのでしょうか。

「越前柿」はもともと渋柿(刀根早生や平核無柿)で、出荷前には渋抜きが必要となります。

昔から渋柿をアルコールや温湯などで処理すると、渋みの元であるタンニンを不活性化するため、渋みが感じなくなるのです。

その原理を応用して、JA福井県が保有する「脱渋施設」では、農家から集められた多くの渋柿を「二酸化炭素」が充填できる部屋を使って、5~7日程度で脱渋し、シーズンを通して福井市場、京都市場などへ出荷しています。

つまりガスを使って渋を抜いてから私たちの手元に届くんですね

 

あわら市の「越前柿」

福井県の柿の栽培は、福井藩主松平春嶽の孫が、福井城跡に柿などの果樹を植えた「松平試農場」が始まりといわれ、その後に細呂木村山室(現あわら市)に移転し、現在では坂井高校の実習農場となっています。

その後、農場を中心とした一帯で、平核無柿や刀根早生が盛んに栽培されるようになりました。

奇しくも、地域一帯は古くから「柿原」と呼ばれており、「昔から大きな柿の木がたくさんあった」事に由来しているようです。

 

また、柿の加工品といえばやはり、郷愁をそそる「干し柿」ですね。

地元のJAが声をかけて生産者12名で設立した、「かなづ干し柿組合」では、「越前花咲干し柿」や半生状態が特徴の「越前花咲あんぽ柿」を生産し、県内の直売所やスーパーなどで販売しています。

柿は「実」だけでなく、JAを通じ県内でも「柿の葉寿司」や「柿の葉茶」などのように「葉」も広く利用されています。

柿の葉にはビタミンCがなんと、ミカンの約30倍

さらに、柿のオレンジ色の色合いを楽しむため「皮」を刻んでアクセントとして「たくあん」と一緒に漬けこんだりもしています。 (JA福井県 北川昌邦さん)

 

 

南越前町の「今庄つるし柿」

福井県の冬の美味しい風物詩の1つでもある南越前町の「今庄つるし柿」

その歴史は約450年と古く、燻製して作るという点が全国でも珍しい干し柿です。

11月末から12月上旬にはつるし柿作りの最盛期を迎え、スーパーや直売所、贈答品として需要が高まります。

いかがでしたか?

10月は地元産の柿を含め、自家用に栽培されている柿が、多く出回る季節です。

読書の秋、スポーツの秋に、栄養やビタミンたっぷりの柿を食べて、健康で美味しい秋を楽しみましょう



旬の野菜や果物を楽しみながら味わい、いろいろと工夫して“野菜・果物をとる”という意識を持ち、習慣づけることはとても大切なこと。

四季折々の野菜や果物に触れながら、自分のライフスタイルにあった野菜の摂取方法や楽しみ方を見つけていきましょう! 

また来月をお楽しみに~。

過去の連載はこちらから

 

野菜ソムリエとは? 
一般社団法人日本野菜ソムリエ協会が認定する民間資格。

野菜や果物の目利き、栄養、素材に合わせた料理法など毎日の食生活に欠かせない野菜・果物の幅広い知識をもちつつ、それぞれのおいしさ、楽しさを伝えるスペシャリスト。

全国で5万人以上の有資格者が料理教室、セミナー講師、食育活動、コラム執筆、青果販売など、さまざまなフィールドで活動しています。
(日本野菜ソムリエ協会HPより)

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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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