さて、回ってきましたバトンは「大阪の素敵なところを教えてください」です。
そういえば大学生の頃、同級生が夕暮れ時の廊下でしゃがみ込んでいたので何事かと近づいてみたら「すてきって、その言葉自体がすてきやん」と、禅問答のようなことを言っておりました。
彼女とは、いまだに腐れ縁で繋がっております。はたして、すてきな関係なんでしょうか。
閑話休題。(いきなり余談から入ってしまっています。すてきじゃない)
素敵、すてき、ステキ。いろんな角度からのすてきがあります。
ちなみにサヴィでは、「素敵」は「すてき」と表記してます。理由は、字面がかわいいから。だめですか。
そもそも「すてき」を何に感じるかは人それぞれ。主観におもねられた概念かと。
なので、わたしが個人的に感じる「大阪のすてきなところ」をご紹介します。

もともと大阪出身ではなくて(京都の伏見出身です)、進学で大阪に来ました。
とはいえ、18歳で大阪に来てウン十年。もちろん大阪で暮らした時間の方が圧倒的に長いです。
そこで気付いた「大阪のすてきなところ」は、他者との距離感が絶妙なところ、ではないかと思います。
非常に分かりづらい「すてきなところ」で申し訳ない。
大阪の人はフレンドリー、とか、大阪の人はぐいぐい話しかけてくる、とかライブや舞台でも「大阪が一番声を出してくれてレスポンスがいい」と言うことを聞きます。
つまり結局それは、ノリがいいというより「気ぃつかってる」からなんちゃうんか、と思うんです。
思わず関西弁になっていますが。
大阪人はズケズケと他人に土足で入り込んでくるイメージがあるかもしれません。
でも実はそうではなくて、ある一定くらいまでしか踏み込んできてないんじゃないかと気付きました。(もちろん個人差はあります)
プライバシーの深いところまでは、あんまり詮索してなくて、ある一定ラインまでで踏みとどまっているというか。そこまでの距離の詰め方は、わりと速いし、コミュニケーション量も多いと思います。(もちろん個人差はあります)
有名な「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんな」も、言葉だけを見ると何も言えてないし、いまいち答えになってない。
でも、この会話があることはとても重要で。
ほら、剣の達人は見合っただけで相手の実力が分かるというアレ。
ああいう感じではなかろうか。(違うかもしれません)

もうひとつ有名な「行けたら行くわ」とか「知らんけど」も、会話と人間関係に余白を持たせる言葉やと思うんですね。
バシっと言い切らずに、ふわっとさせることで、バッファを持たせる。
大阪というより、関西圏に通底した感覚かもしれませんが。
ただその文脈というか、このふわっと感は、大阪が一番強いと感じてます。
あまりイメージがないかもしれませんが、実は大阪はかなり歴史が深い土地なんです。(その証拠に古墳がいっぱいあります)
そしていろんなものがごちゃ混ぜになってきた歴史もある。
そんないろんなものがごちゃごちゃしてるところに、バシっと言い切ると、ぎすぎすしてしまうということを経験的に学んできたと思われます。
ハレーションが起きないように、ふわっとして緩衝材にしてるように感じます。
つまり、ダイバーシティの最先端は大阪なんじゃないかと。加えて言うと、この緩衝材的なものは、言葉だけじゃありません。
「大阪のおばちゃんはアメちゃんを持ってる」あれです。

「はい、アメちゃん」って渡されると、なんか笑顔になってしまいます。ずるいですよね、あれ。
ちなみに大阪にはアメの会社がとても多いです。パインアメ、UHA味覚糖、扇雀飴などなど。
この話はまたの機会に。と、ふわっとさせて今回は締めさせていただきます。