囲炉裏を囲んで山菜や鮎、手打ちのそばを味わおう。創業50年を迎える名店、福井市の山菜料理店「のぎく」をご案内します。

囲炉裏を囲んで山菜や鮎、手打ちのそばを味わおう。創業50年を迎える名店、福井市の山菜料理店「のぎく」をご案内します。

こんにちは、ふーぽ編集部の雪森です。

福井市中央部の繁華街にほど近い住宅街の一角にある「のぎく」は、吉田正美さん、信子さん夫妻が営む山菜料理店

今年で創業50年目を迎え、2021年には「ミシュランガイド福井2021」に掲載された、福井屈指の名店なんです。

普段なかなか味わえない、きのこや山菜、鮎などが味わえると聞いて、伺ってみました。

 

料理はコースでの提供になります。

まずはきのこ汁から。

舞茸、シモフリシメジ、アミタケ、なめこなど何種類ものきのこが椀の中で重なり合い、湯気を上げています。

 

「シモフリシメジとチョロ茸はいい出汁が出るの」と女将の信子さん。

じんわりと五臓六腑に染み渡る味わいに、心もほぐれていきます。

 

次に運ばれてきたのは山菜づくしの前菜」。

味噌和えのあけびや梅肉で和えたむかごや百合の根、栗の渋皮煮などが小鉢に入ってが運ばれてきました。

どれも素材本来の味を大切に調理したものばかりで、アクを抜き過ぎないことがポイントだそう。

常時6~7種類の山菜を使った前菜をお出ししているそうです。


コースの中にはお造りも付きますが、楽しみなのが椿の天ぷら

丁寧につんだ藪椿をさっくりと揚げた天ぷらは、見た目も華やかです。

ひと口含むと、ほんのりとした甘みと肉厚な食感に思わず唸ってしまいました。


囲炉裏を囲んで炭がはぜる音を聞きながら滋味を味わっていると、炭火で焼かれた鮎が、いい頃合いに。

九頭竜川で獲れた後にすぐ冷凍しているので、解禁の季節以外でもいただけるのが嬉しいところ。

鮎好きにはたまりません。


山菜料理や鮎のほかにも絶賛したいのが、信州の伝統技法で仕立てる富倉そば

ヤマゴボウの葉から採れるわずかな繊維をつなぎに使い、2時間かけて打つそばは、つるりとした上品な喉越し!

手間暇を惜しまないご主人の丁寧な仕事ぶりが表れています。

この“幻の味”を愛するファンも多いそう。

わたしもすっかり虜になってしまいました。


部屋は坪庭に面した離れの座敷
なので、周りの人の目を気にせずに、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。

家族や親しい友人との集まりにぴったりですね。

ちなみに、きのこは毎月岐阜や長野、山形まで出向いて買い付け、山菜は自分たちで収穫するのだそう。

吉田さん夫妻の山のごちそうへの愛と、フットワークの軽さにリスペクトです。

遠い山々からきた滋味たっぷりのごちそうを、囲炉裏を囲みながらゆったり味わう。

上質な時間と食材を楽しみに、ぜひ訪れてみてくださいね。

山菜料理のぎく

福井県福井市田原1-2-16
☎0776-22-5564
【営】18:00~21:00
完全予約制(8名まで)、コース料理税込5,000円~

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

雪森
writer : 雪森

神出鬼没に福井の「あら、すてき」「これ、いいんじゃない?」スポットをすり抜けます。過敏なジャンルはファッション、バブリーな人やモノ、昭和の残り香、フランス、からだによいこと系。
いつか、ふーぽ海外取材をしたいともくろんでいます。

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