旧北陸線山中ロックシェッドは、2016年に国登録有形文化財(建造物)となった遺構です。
1896年に、旧北陸線の敦賀ー福井間開業に合わせてつくられた鉄道用の建造物で、1962年の現北陸線開通後に廃線となった後、現在まで道路用の施設として活用されています。
【参照:敦賀観光案内サイト漫遊敦賀】
※ロックシェッドとは、道路や線路を落石から守るための建造物のこと。
このロックシェッドの近くには、同様に整備され登録文化財(建造物)となった旧北陸線のトンネル群もありますが、ロックシェッドの柱の美しさに惹かれて、今回は山中ロックシェッドで撮影することにしました☆
現地へ到着して入口(東側)の前まで行くと、丁度ロックシェッドの上にしし座が輝いていました!!
▲旧北陸線山中ロックシェッド入口(東側)
また、入口の前に立ち、開けた南東方向を眺めると、てんびん座やへび座の一部が昇っていました。
※撮影したのは午前3時ごろ。てんびん座やへび座は、5月中旬の宵(夜8時ごろ)に東の空から昇る星座です。この夜は、久々に見ることができました☆
▲南東方向に見えたてんびん座とへび座
さらに、ロックシェッドを抜けると、空が開け、道路の先には、西の空に沈もうとする、うみへび座やかに座を見つけることができました^^/
▲ロックシェッドを抜けた先(西側)で見えた、うみへび座とかに座
ロックシェッドの出口(西側)の上には、ヘルクレス座とかんむり座が昇っていました。
特にかんむり座の中で最も明るい星、ゲンマの輝きはキラキラとして、その美しさはひとしおでした。
ゲンマはラテン語で「宝石」を意味する語に由来するとされています。
また、日本では「かんむり座」を上に鍋などをかけて下で火をたく設備、「竈(かまど)」の形に見立てた「長者のかまど」という呼ばれ方があり、下の写真に示した七つの星を数えられたら長者になれるといわれています。
皆さんも、かんむり座を探して、七つの星を見つけられるか挑戦してみてください☆
※かんむり座は3月下旬、夜9時ごろに東の空から昇ります。
▲旧北陸線山中ロックシェッド出口(西側)
帰り際、久々に見られた満天の星との別れが寂しくなり振り返ると、ロックシェッドの上で堂々と輝く春の大三角を撮ることができました☆
星との出会いも、一期一会。
美しい星との出会いを大切にしていきたいですね^^/
▲ロックシェッドの上で堂々と輝く春の大三角
今回は、南越前町の旧北陸線山中ロックシェッドの星空を紹介しましたが、皆さんのお住まいの地域でも、近くに星がきれいに見られる場所があるかもしれません。
晴れて星が見られたら、以下のポイントを守りながら、ぜひ星空を見上げてみてください^^/
~星空観察のときに気をつけたいポイント~
■安全管理:昼間の内に危険な場所、立ち入ってはいけない場所がないか確認しましょう。また、山へ行く場合には、クマよけの鈴やオーディオなど、音の出る物を身に付け、複数人で行動しましょう。
■ライトの使用:星の観察・撮影をしている人がいたら、ライトの使用は必要なときだけ。
■ゴミは必ず持ち帰ろう。
■民家などが近くにあるときは、大きな声など出さず、夜間はお静かに。
マナーを守って、星空を楽しみましょう^^/
インスタグラムはこちら(最新の星空写真を紹介)
ツイッターはこちら(日々の活動を紹介)
ホームページはこちら(加藤の活動を紹介)
※紹介している写真は、星が見やすいように画像処理をしています。そのため、実際に人が見た星空とは異なります。
ふくい星空写真館【連載】
バックナンバー