【ふくいデザイン探訪Vol.8・石川製紙株式会社】福井から海外へ。1500年の伝統を誇る越前和紙に、新たな技術を掛け合わせた“消臭効果を持つ”和紙が誕生。

    【ふくいデザイン探訪Vol.8・石川製紙株式会社】福井から海外へ。1500年の伝統を誇る越前和紙に、新たな技術を掛け合わせた“消臭効果を持つ”和紙が誕生。

    こんにちは、ふーぽ編集部です。

    デザインセンターふくい(公益財団法人ふくい産業支援センター デザイン振興部)が展開している「DESIGN CONNECT」事業。

    今年11月25日からの約1カ月間、県内企業のデザイン活用事例等を紹介する「デザインコネクト展」を、福井ものづくりキャンパスで開催予定です!


    展示会に先立ち、ふーぽ上では「ふくいデザイン探訪」と題して、デザインの観点を取り入れ、企業ブランディングや商品・サービスの開発を行った、県内企業の先進事例を、全10回にわたり紹介していきたいと思います。

     

    今回は、デザインを活用した商品企画開発に取り組む株式会社石川製紙をご紹介します。

     


    デザインの活用によって成長が期待される製造業・農林水産業・飲食業・サービス業等、様々な企業やクリエーターに向け、デザイン導入事例や先進事例を紹介する「オンライン講座」や「デザイン展」を開催。

    新しい時代を切り拓く、人の心を魅きつける商品やサービスはどのようなものか、どのように生み出されるのか、県内外で活躍するクリエーターや県内企業とともに考え、そこからはじまる新たなアクションを応援します。

    【⇒過去のデザインコネクト関連記事はこちらから】

    ◆ 伝統技術を用いたオリジナルの和紙

    越前和紙の産地、越前市今立地区にある石川製紙株式会社は、江戸時代創業の老舗。機械漉き和紙の技術を用いて独自の紙を開発できることを強みに、カレンダーや便箋、インクジェット用、商品パッケージ、お酒のラベルなどさまざまな和紙を手掛けています

    新たに登場した『消臭和の紙』は、1500年続く越前和紙の技術と現代のテクノロジーを掛け合わせたもの。さらに、この商品をマスクに応用し、新型コロナウイルスの感染拡大でマスク不足が続くなか、大きな反響を呼びました。

    「消臭和の紙」シリーズ

     

    ◆ 悪臭を約15分で取り除く高機能消臭和紙の開発

    「消臭和の紙」の先駆けとなる商品が誕生したのは、実は10年前のこと。

    産学連携事業への参加をきっかけに、石川製紙が新たな商品を開発することになりました。


    「当初は和紙にどんな技術が生かせるのか、まったく検討もつきませんでしたが、その頃は『消臭ブーム』により消臭芳香剤をはじめとした関連商品が数多く販売されていたことから、消臭効果のある和紙の開発を進めることになったんです」と、12代目の石川浩社長は当時を振り返ります。


    そこで注目したのは「ヨウ素」。

    和紙だけでは抗菌・消臭作用は見込めないところ、ヨウ素入りの越前和紙は、消臭効果に加えヨウ素自体の抗菌効果が3〜4年続くことがわかりました。


    この製法を応用して高機能消臭和紙の開発を行った結果、悪臭の元となるアンモニア、酢酸、硫化水素を15分ほどで90%除去することに成功 (測定機関:財団法人日本繊維製品品質技術センター)。消臭効果を持つ今までにない越前和紙が誕生したのです。

     

    ◆ 海外への販路拡大を視野に入れたデザインで商品ラインナップを拡大

    機能性のある和紙は開発できたものの、販売するにあたり、石川製紙は課題を抱えていました。

    開発当初は、息子さんが剣道をしていたこともあり、A4サイズ状の消臭和紙を「剣道の防具の匂い取り用」として発売しましたが、それ以上の用途の広がりがなかなかみつけられず、商品展開が思うように進まなかったそうです。

     

    そこで、石川さんはデザインセンターふくいに相談しながら、地元デザイナーのaiMIKI STUDIO 三木あいさんとの商品開発がはじまりました。


    今回の商品は、越前和紙自体を海外の人に向けてアプローチしたいという狙いもあったことから、英語表記のパッケージを追加。

    インバウンドや海外展開も視野に入れた「消臭和の紙」シリーズが誕生したのです

    英語表記に加え、折り紙には海外の人に好まれる日本の伝統模様を採用

     

    「部屋のインテリアとして楽しめる折り紙状のものや、生ゴミの消臭に使えるポプリ状のものなど、暮らしのシーンに取り入れやすいよう様々なかたちのアイテムを開発しました。

    パッケージは女性が手に取りたくなるようなスタイリッシュなデザインで統一しました。

    普段、
    つくり手という立場から和紙と向き合っていると、ユーザーの視点から使うシーンをイメージすることがあまりなかったような気がします。

    打ち合わせでは、企業の強みや技術の内容を理解した上で的確なアドバイスと提案をしてくれ、自社では思いつかないような発想が出てくることも多く、勉強になることが多かったですね」。

     

    これらのアイテムをイベント等で発売したところ、大好評。瞬く間に完売となったそうです。

     

    ◆ コロナ禍がきっかけとなった「消臭和の紙」の新たな展開

    そこから約2年経った2020年2月末。越前市の縫製会社「ファインモード」から一本の連絡がありました。

    当時は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスク不足の最中。

    マスクに使われてる不織布も入手困難に陥り、「越前和紙をマスクのフィルターに使うことはできないか」と相談が持ち込まれたのです。


    マスクを繰り返し使用するなかでネックとなっていたのが「におい」。そこで活用されたのが「消臭和の紙」でした。

    消臭と抗菌作用を持つ上に繰り返し使える和紙は、マスクのフィルターにもうってつけだったのです


    急ピッチで商品化が進められ、2020年3月に「消臭和の紙」フィルター入りの布マスクを発売。


    新聞に掲載された日の朝6時から夜10時まで会社の電話が鳴り続ける状態でした

    ネットニュースにも取り上げられたことから、北は北海道、南は九州など全国各地から問い合わせをいただきました」。

     

    ◆ 伝統工芸と現代のテクノロジーを掛け合わせた新たな商品へ

    現在は「消臭和の紙」に続き、“抗ウイルス”作用のある新たな商品の開発も進めている石川製紙。

    今後も伝統技術と現在のテクノロジーとのコラボレーションに期待が高まります。

     

     

    「ペーパーレスなど紙離れが進む一方で、脱プラスチックの動きもあり、最近は紙の良さが再び注目されています。

    1500年続く越前和紙に新たな技術が加わることで、さらなる可能性が広がりそうです」。

     

    石川製紙株式会社

    福井県越前市大滝町11-13
    ☎0778-43-0330

    公式ウェブサイトはこちら

    ※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

    ※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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