ふーぽBOOKセレクション【小中学生編】「本の中から音楽が聞こえてくる」~図書館司書おすすめ本~

ふーぽBOOKセレクション【小中学生編】「本の中から音楽が聞こえてくる」~図書館司書おすすめ本~

こんにちは、ふーぽ編集部です。

プロにおすすめの本を聞いて、新しい書に出会う企画ふーぽBOOKセレクション

今回のテーマは「本の中から音楽が聞こえてくる」。

福井県立図書館の司書の方に、小中学生におすすめの本を6冊紹介いただきました。

 

ぜひ読んでみてくださいね♪

 

1~2年生向け

『どれみふぁけろけろ』

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『どれみふぁけろけろ』
東君平/作・絵
あかね書房 1981年 
77ページ

【あらすじ】
泳ぐのが苦手なたっくんは、学校のプールの日は元気がありません。

池の前で「かえるになりたいなあ」とつぶやいていると、後ろの草むらから不思議な音が。そっとのぞいてみると、かえるの学校の先生が出席をとっているところでした。

先生から「あおがえる たけしくん」と呼ばれて、かえるの学校の生徒になった たっくんは、かえるたちといっしょに歌と泳ぎの勉強を始めます。

 

福井県立図書館 司書 酒井瑠美さん
かえるの学校では、雨雲を呼ぶ歌が上手な歌。

みんなで声を合わせて「ど れ み ふぁ けろ けろー」「ど し ら そ けろ けろー」と元気に歌うと、雷もごろごろ歌いだして、雨が降ってきます。

雨の日にかえるの声が聞こえたら、「かえるの学校の歌かな?」と考えたくなるような、夢のあるお話です。

すべてのページに挿絵が入っていて、読むことに慣れていない子にもおすすめです。


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3~4年生向け

『天才コオロギニューヨークへ』

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『天才コオロギニューヨークへ』
ジョージ・セルデン/作 ガース・ウイリアムズ/絵 吉田新一/訳
あすなろ書房 2004年
215ページ

【あらすじ】
ピクニックにきた人のバスケットにはいったまま、田舎から大都会ニューヨークの地下鉄の駅にやってきたコオロギのチェスターは、マリオ少年に飼われることになります。マリオの家は新聞売店でしたが、なかなか売り上げがのびずにいました。

コオロギのチェスターは、羽をこすりあわせて音楽を演奏することができました。自作の曲や、ラジオから聞こえてくる曲を演奏して、仲良くなったネズミのタッカー、ネコのハリーに聞かせていました。

チェスターの音楽はだんだんと評判になり、新聞売店には、たくさんの人がチェスターの音楽を聞こうと集まります。新聞もどんどん売れるようになりました。

ついには、チェスターの音楽をきくために、ニューヨークじゅうが静まりかえるほどになりますが・・・。 

 

福井県立図書館 司書 鷲山香織さん
コオロギのチェスター、ネズミのタッカー、ネコのハリーと、少年がだんだん友情を深めていきます。

お互いを思いやる会話や、ラストでのチェスターの決断を受け入れ応援してくれる様子には心動かされます。


コオロギが奏でる音楽は自作曲からオペラまで幅広く、『美しく青きドナウ』、『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』、『アイーダ』など、よく知られた曲も多いです。コオロギが奏でる音楽を想像して楽しめます。
 

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5~6年生向け

『ふしぎなオルガン』

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『ふしぎなオルガン』
リヒャルト・レアンダー/作 国松孝二/訳 
岩波書店 2010年
264ページ

【あらすじ】
オルガン作りの名人の若者は、神様の心にかなった花嫁花婿が教会に入ってくると、ひとりでに鳴り出すというオルガンを作ります。しかし、自身の結婚式にオルガンが鳴らなかったことに腹を立て、それを花嫁のせいにして故郷を飛び出してしまいます。

よその国で十年過ごすうち、若者は花嫁が恋しくなり、許しを乞おうと考えます。ところが、故郷の町に戻った若者が出合ったのは、花嫁の葬列でした。若者は泣きじゃくりながら葬列についていきます。そして、花嫁のお棺とともに教会に入ったとき、オルガンが誰も聞いたことのないようなすばらしい音色で、ひとりでに鳴りだしました。

表題作「ふしぎなオルガン」のほか、美しくどこかもの悲しさの漂う話や、ユーモアのある話など、全部で20編の短編集です。

 

福井県立図書館 司書 酒井瑠美さん
表題作の「ふしぎなオルガン」はとても短い物語ですが、結末に響く美しいオルガンの音色が強い印象を残し、まるで長い物語を読んだような余韻を感じさせる作品です。

このほか、何をやってもうまくゆかない〈不幸鳥〉という名前の若者と、いつも幸せな美しいお姫様との恋の話「不幸鳥と幸福姫」のようなロマンチックな話、若返ったらこれまでの人生でやってきたばかげたことをもう一度繰り返さなければいけないという「若返りの臼」のような辛口のユーモアがこもった話など、様々な物語が楽しめます。


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『ギリシア神話』

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『ギリシア神話』
石井桃子/編・訳 富山妙子/画 
のら書店 2000年
341ページ

【あらすじ】
人間に火をもたらした巨人プロメテウスの話、十二の冒険を成し遂げた英雄ヘラクレスの話など、何千年もの昔にできた、古代ギリシアの神々と英雄の話が24編収められた本です。

そのうちの1つ、「オルペウスとエウリュディケ」はこんな話です。

太陽の神アポロンの息子オルペウスは、音楽の名手で、彼が竪琴をかなでると、動物たちや虫たち、木々でさえもが集まって、耳をかたむけました。

あるとき、オルペウスの妻が毒ヘビにかまれて死んでしまいます。

悲しんだオルペウスは妻がいる地下の死の国へおりていき、死の国の王に竪琴をかなでながら美しい歌を聞かせました。そして、「地上に出るまでは、決して後ろにいる妻を振り向かない」と約束し、妻を地上へ連れ帰る許しを得ました。

ところが、帰る道の途中、この約束を破ってしまい…。

 

福井県立図書館 司書 酒井瑠美さん
冷酷な死の国の王の心さえ動かしたオルペウスの歌とは、どれほどすばらしいものだったのでしょうか。

オルペウスの物語はギリシア神話の中でも有名なエピソードの1つで、オペラなどの題材にもされています。

このほか、開けてはならない箱を開けてしまったパンドラという少女の話、両耳をロバの耳に変えられてしまうミダス王の話など、どこかで聞いたことのある話も。

1つ1つの物語は短いものが多いので、読みやすいです。


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中学生向け

『リンゴ畑のマーティン・ピピン(上)』

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『リンゴ畑のマーティン・ピピン(上)』
ファージョン/作 石井桃子/訳 
岩波書店 2001年
353ページ

『リンゴ畑のマーティン・ピピン(下)』

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『リンゴ畑のマーティン・ピピン(下)』
ファージョン/作 石井桃子/訳 
岩波書店 2001年
317ページ

【 あらすじ】
旅の歌い手マーティン・ピピンは、4月のある朝、たまたま若い男ロビン・ルーに出会います。ロビン・ルーは、恋に嘆いていました。彼の恋人ジリアンが、2人の仲をとがめる父親によって、リンゴ畑にある塔に閉じこめられていたのです。

塔には、6つの鍵がついていて、男嫌いな6人の娘が、その鍵を持ち、牢番として見張っていました。

マーティン・ピピンは、リンゴ畑に行き、リュートを弾いて歌い、娘たちに、6つの幻想的な恋物語を語りはじめますが・・・。

 

福井県立図書館 司書 鷲山香織さん
マーティン・ピピンが語る恋物語は、6つ。

財産をなくし、納屋に住みながら、鍛冶場で修行する王さまが、週末にでかけた池で美しいむすめを見て、夢みるように惹かれていく「王さまの納屋」など、どれもひとつひとつのお話として魅力的です。

牢番をする6人の娘たちも、お話に心を奪われ、次第に鍵を渡していきます。舞台はイギリスのサセックス州。リンゴ畑が広がる、自然にあふれる美しい風景が、作品の魅力を高めています。

なお、本書は、現在出版社品切れ中で入手は困難となっていますが、多くの図書館で所蔵していますので、お近くの図書館で探してみください。

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リンゴ畑のマーティン・ピピン(上)
リンゴ畑のマーティン・ピピン(下)

 

『オーケストラの絵本』

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『オーケストラの絵本』
ロバート・レヴァイン/文 メレディス・ハミルトン/絵 たかはしけい/訳 
プレジデント社 2014年
93ページ

【あらすじ】
モーツァルトやベートーヴェンなど作曲家15人をとりあげ、コンパクトにエピソードを交えて紹介します。

後半は、オーケストラで使われる楽器それぞれの、仕組み、歴史、演奏の仕方など解説します。たっぷりのイラストや写真を目で見て、付録CDに収める代表曲を耳で聴いて、総合的に楽しめます。

 

福井県立図書館 司書 鷲山香織さん
クラシック音楽や作曲家、楽器についてはじめて学ぶ方にもおすすめ。ざっくりと概要がわかる1冊です。

バッハは「死後100年たつまで有名ではなかった!」とか、ハイドンは「教え子たちから〈パパ〉と呼ばれて慕われた」とか、モーツァルトは「ぼくは豚がおしっこするみたいに作曲する」と言っていたとか・・。有名な作曲家の面白エピソードで人柄も感じることができます。

フルートは古代ローマ帝国の時代からある古い楽器であることや、オーボエは演奏に体力を消耗することから世界一「意地悪な楽器」とさえ言われていることなど、楽器についての豆知識もいっぱい!

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どれも読んでみたくなる素敵な本ばかりでしたね。ぜひこの機会に読書を楽しんでみてください。

【協力】福井県立図書館

福井県福井市下馬町51-11
☎0776-33-8860
【開館時間】 平日 9:00 ~ 19:00、土日祝 9:00 ~ 18:00
【休館日】月曜 ※不規則に休館になる場合がございますので、事前にサイトにてご確認ください。

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