今回のテーマは「ブランディング」。
若新さんが関心を寄せたのは、越前町が新たに「越前温泉」として町内5つの温泉のブランド化を目指しているというニュース。
この話題について若新さんは「福井の温泉は大好き。そのうえで、越前温泉のブランド化を目指すのであれば、ぜひ時代に合ったブランディングをしてほしいですね」と話します。
なんでもブランドの考え方が、これまでとは大きく変わってきているそう。
「元々ブランドの発祥は『刻印』で、誰かのお墨付きのような価値の保証。それが続いて、伝統や歴史があるものってなっていったらしいんだけど、でもその考え方がちょっとずつすたれてきている。」
「誰でもそこそこの質のものを伝統とか関係なく作れるようになったことも大きい。そして、ブランドづくりのためには、お客さんとの信頼関係の構築が一番大事だと考えられるように変わってきたと言われてます。一方的ではダメ。だから歴史や伝統に固執しているとお客さんの変化に対応できず、逆にブランドが足かせになっちゃったケースが世の中でたくさんあります」
生き残るために必要なのは、「信頼関係」にポイントをおいて柔軟に変わり続けること。
その「信頼関係」を深めながらブランド力を高めるためには、お客さんも作り手側にいれて巻き込んで、一緒につくっていくという関係が重要と若新さんは強調します。
「大事なのは最初に『うちのブランドはこういうものです』とつくり手で決めて発信するんじゃなくて、お客さんの声を取り入れながら『うちのブランドはこうなのかもしれない?』と進めながら、ちょっとずつ柔軟につくりあげていくのが最近のブランディングの考え方です」
越前温泉に絡めて、
「これまでは、温泉地って高級で立派で値段もそこそこっていう場所が多いじゃないですか。でも地元の人がそう思ってないなら、その逆もいいかもしれない」
「あくまで僕の意見ですが、激安でタオルも貸してくれないみたいな(笑)。だけど誰もが気楽に立ち寄れる場所。他には、まだ越前温泉がどういうものなのかちゃんと固まっていないので、たとえば『これが越前温泉だ!』ってみんなが勝手に自分の解釈で発信し始めたら、“偉ぶっていない温泉地”というブランディングができるかもしれない」
とも、若新さんは語りました。
福井の温泉を全部まわりたいくらい温泉が大好きな若新さん。
「越前温泉ってまさにこれからつくるブランドなので、そんな感じでみんなが自由に関係して意見を出し合って、
「越前温泉とは何か?」を探りながらゆるくつくっていけると面白いなって思いますね。」