「昭和レトロに憧れて」。昭和をこよなく愛する福井の4人が「レッツゴーヤング」で昭和愛を語ります。

「昭和レトロに憧れて」。昭和をこよなく愛する福井の4人が「レッツゴーヤング」で昭和愛を語ります。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

ここ数年、若者を中心に昭和カルチャーがブームになっていますよね。

今回は「昭和」をこよなく愛する福井の4人が大集合!

福井市片町の「Barレッツゴーヤング」から、 その思いの丈をお届けします。

 

私たちの昭和メモリー

\お話を聞いた4人/


71年生まれ。一昨年福井市片町に「Bar レッツゴーヤング」をオープン
松成由美さん

79年生まれ。福井県立若狭歴史博物館学芸員。専門は近現代の民俗学
川波久志さん

81年生まれ。オリジナルウエディングプロデュース会社「a.n.d.wedding」主宰。ピアフェス2023 実行委員
大嶋歩さん

92年生まれ。すべてスマホ編集によるコラージュ・作字作品をInstagramに投稿している
大村阿呆さん

 

昭和ポップスの魅力に昔も今も夢中。

 大村 
ここ(Barレッツゴーヤング)には、ずっと来てみたかったんです。

1980年代のアイドルをテーマにされたお店なんですよね。

 

 松成 
80年代に放送されていた大好きな歌番組から名付けました。大村さんのような平成生まれのお客さんも多いんですよ。

 

 大村 
僕の昭和への入り口は、昭和歌謡なんです。

あるバンドが笠置(かさぎ)シヅ子の「買い物ブギ」のコピーをしていて。

そこからハマりました。

 

 大嶋 
渋すぎる(笑)。

私は小学生の頃、Winkが流行っていて。

将来はWinkに入りたいと本気で思っていました。

 

 川波 
僕も同世代なのでわかります。

昭和の歌謡曲は、歌詞もメロディもキャッチーで完成度が高いですよね。

 

 松成 
趣味で松田聖子のコピーバンドをやっているんですが、実は演奏するのが難しい。

でもどれもメロディが綺麗で曲が短い!

覚えやすいですね。

 

 大嶋 
今より娯楽が少なかったし、福井は民放が2局しかない。

みんなだいたい同じテレビ番組を見ていたので歌謡曲を含め、娯楽を共有していた感覚がありますね。

 

「ピア方式」がまちづくりのヒントに。

 松成 
大嶋さんが実行委員として活動された「ピア(※)展」、大盛況でしたね。

 

 

 大嶋 
予想以上に多くの方に来ていただきました!「家族と過ごした思い出の場所です」という方が多くて。

 

 大村 
「ピア」には僕も幼い頃に行った記憶がありますよ。

ドーナツ屋さんには木馬があって、館内には噴水やガス灯、洒落たベンチがあった。

 

 大嶋 
北欧をイメージしていたそうです。

中央広場から店舗がアーチ状に配置されていて、本当に西洋の街並みを歩いているようでした。

ポイントカードを導入したのも全国初だったそう。

福井人のポテンシャルは高いのに、なぜ今は他県のように画一的な商業施設を招致するの?という話になって。

その疑問が「ピア展」開催の動機だったんです。

※「ショッピングタウンピア」1977年にオープンし、惜しまれつつ2003年に閉店した福井市の商業施設。オープン当時は北陸最大規模の複合型商業施設として知られ、ファッション、飲食、おもちゃ屋など約60店舗が軒を連ねました。今年5月に「ハピリン」にて回顧展「ピア展」が開催されました


 松成 
館内に生放送のラジオ局があって、有名な歌手や俳優が来ていたんですよね。

のど自慢大会もあった。

トラやキリンなどがいる移動動物園があったのも覚えてます。

 

 川波 
僕は福岡出身なので「ピア」は存じ上げないのですが、そんなショッピングセンター、聞いたことないです(笑)。

 

 大村 
今あったら、間違いなく足繁く通ってますね。

 

 大嶋 
会場では涙を流している人もいて。

多くの人にとって、懐かしさとともに、家族と過ごした記憶もよみがえったようです。

地元の商業者さんがリーダーシップをとりながら大手テナントを呼んでショッピングセンターを作り上げた「ピア方式」は、今後のまちづくりのヒントになると感じました。

 

つい美化しちゃう昭和のホントのところ。

一家に必ずいたこのキャラも

懐かしの昭和の日用品が店内にずらり

 川波 
「昭和レトロ」が20代の若者を中心にリバイバルブームになっていますが、大切なのは良い部分もあれば、良くない部分もあった、という両側面を捉えることだと思うんです。

どうしても思い出は美化されがちですから。

 

 松成 
確かに。

今思えば、男尊女卑がまかり通る時代だった。

20代にOLをしていた頃は、女性社員は男性社員より早く出勤して掃除し、お茶出しをする。

寿退社は当たり前の時代でした。

 

 

「寿退社って何ですか!?」


 大村 
僕の母も、花嫁修業で料理学校に行ったと豪語してました。

 

 大嶋 
花嫁修業は今じゃ死語ですもんね。

家事手伝いという言葉も使わなくなった。

女性が社会で活躍しづらい時代でもありましたね。

 

 松成 
あと校則がすごく厳しかったな。

でも職員室はたばこの煙がモクモクしていて…。

って今じゃ考えられない!

 

 大村 
噂には聞いてましたが、それって本当なんですね!?

 

 大嶋 
校門に竹刀を持った先生が立ってたのを覚えてます。

 

 川波 
今よりも校内暴力が激しくて、深刻な社会問題でしたもんね。

ある歌手の歌詞に影響を受けて、学校の窓ガラスが割られたり…。

 

 大村 
僕たちの世代は逆に萎縮してるんですよね。

大人に対して冷めているというか、あきらめているというか。

 

 松成 
昭和時代は良くも悪くも、皆熱かったな、と思います。

平成、令和と、昭和時代の悪しき風習は是正されていった反面、熱さは失われていったような気がしますね。

 

モーレツ社員がいたコスパ・タイパのない世界。

「元オフィスレディです」


 大嶋 
昭和ってひと言で言うと、熱い時代

サラリーマンは皆一生懸命でテンションが高かった。

 

 大村 
会社のために働きまくる、モーレツ社員てやつですか?

 

 松成 
そう。

今みたいにスマホやPCがなかったから、みんな体を動かして、知恵を絞って、モーレツに働いていました。

 

 川波 
24時間働くのがキャッチコピーのCMがありましたもんね。

今はブラックという言葉に置き換えられてしまう。

働き方というよりも、ワークライフバランスが大事という価値観に変わっていきましたね。

 

 大嶋 
人との繋がりも密だったなあ。

連絡手段が少ないからこそ。

 

 大村 
親父から、昔は掲示板があったって聞きました。

 

 大嶋 
懐かしい(笑)。

駅にありましたね。

待ち合わせに来なかった人に手書きで伝言を残したり。

 

 大村 
時間に追われてない感じがして、ほっこりしますね。

 

 川波 
今は何をするにしてもコスパやタイパを基準に考えますもんね。

なんだか寂しくなることも…。

 

 大村 
時間や心の余裕から新しい発想や人との繋がりが生まれますよね。

 

 大嶋 
昔は近所に必ずおせっかいおばちゃんがいて、男女交際のきっかけを作ってくれていた。

婚姻率が下がっている今、身近な人との繋がりって大事だなと感じますね。

 

 松成 
「孤立・孤独」が社会問題の一つになってますもんね。

「最近あの人どうしてるんだろ?」って気軽に声を掛け合える環境が今こそ必要なんじゃないかな。

 

 大嶋 
隣の家にお醤油を借りに行けるのが、私の理想の暮らしです!

 

「お醤油、お借りします!」

 

 川波 
最近は、社員旅行が復活傾向にあって、若者に人気みたいですね。

コロナ禍に人とリアルに会えなかった反動もあって、団体行動が逆に新鮮に映るようです。

 

 大村 
僕、行ってみたいです!

でも泊まるのは大部屋でなく、個室がいいな。

 

 大嶋 
そこは譲れないのがZ世代らしさですね(笑)。

 

まちなかに昭和を残していきたい。

「昔の文化が問題解決の糸口に」

 川波 
以前、展覧会準備の際、昭和時代の福井駅前の様子を写真で見て「ここ、都会だったんだ」と驚きました。

今じゃ20時には人影がまばらになりますが…。

 

 大村 
僕は福井のまちなか育ちなんですが、子どもの頃は賑わっていました。

 

 松成 
北陸新幹線福井延伸に向けて、再開発が進んでいますね。

 

 大嶋 
まちの発展のためには海外資本を入れることも一つですが、地元の商店と共存していくことが理想だな、と思います。

 

 松成 
都会を真似るより、むしろ昭和的な街並みを残した方が人が来るんじゃないかしら。

 

 大村 
このお店は聖地ですよね、ある意味。

 

 松成 
わたしは昭和にしがみついている人間なんですが(笑)、ジュークボックスが 壊れない限り続けます。

 

貴重なジュークボックスは今なお現役


 大村 
最近は建物や看板もスタイリッシュなデザインやモノトーンの色使いが主流になっていますが、昭和の鮮やかでポップな色使いが逆に魅力的に感じるんです。

僕も作品にはその要素を取り入れていて。

 

 川波 
おおらかで温かな昭和時代のカルチャーは元気をくれますよね。

 

 大嶋 
昭和時代の価値観には、これからをよりよく生きるヒントがありそうです。

 

昭和のお宝お見せします!

4人が大切にしている、お宝グッズを見せてもらいました!

大村阿呆さん:昭和歌謡のアルバム

コレクションしている昭和歌謡のCDアルバム。ジャケットをカラーコピーしてビニールカバーに入れ保存。当時のデザインや色彩が自身の作品のヒントになることも。

松成由美さん:雑誌「明星」のバックナンバー

集英社発行の老舗芸能雑誌(現在は「Myojo 明星」)。昨年発刊40周年を迎え、今なお健在。こちらは1980年代アイドル全盛期のもので、お宝的な存在。

川波久志さん:昭和がテーマの展覧会図録

自身が担当した、福井県立歴史博物館の特別展図録「ふくいの婚礼」と「家事・家電・家庭のうつりかわり『- 主婦』の近代-」。貴重な昭和の文化やモノが収められている。

大嶋歩さん:「ピア」の買い物かごとカード

ピア展開催の際譲り受けた、ピア内「フードマート」の買い物かごと、館内にあった「ピアスポーツ」の会員証。ロゴやフォントが懐かしく、貴重な品に。

Barレッツゴーヤング

福井県福井市順化1-10-9 ドリームタウン2F
☎0776-65-6307
【営】20:00~翌1:00
【休】日曜
Instagram

 


いかがでしたか? 

懐かしの昭和。

昭和のレトロを感じながら思い出話をするのも楽しそうですね♪

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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