笑福亭笑生の「コロナ禍での第三子出産のお話! 」【福井よしもと芸人日記】

笑福亭笑生の「コロナ禍での第三子出産のお話! 」【福井よしもと芸人日記】

どうも〜! 福井県住みます芸人で落語家の笑福亭笑生です! 

 

今回は、2021年8月21日に産まれた笑生の第3子出産のお話を一席。

いや〜そうなんです、いつの間にやら第3子。

早いもんですね〜。

結婚して『新婚さんいらっしゃい! 』に出たのがついこの間の様ですが、これが2016年の事とは・・・。

この時から5年が経ち、今では第3子まで。

さらにこの間に「クレヨンいとう」から笑福亭笑生になってすぐコロナ禍で・・・。

いや〜人生って怒涛だな〜。

落語以上に落語やな〜。

ちなみに落語家としての修行中は女性と付き合うのは御法度な落語界・・・。

うん、付き合うどころか結婚して子どもまで作っとるよ! 僕! 

 

普通なら破門されるのが当たり前ですがやはりウチの師匠、笑福亭鶴笑は違う・・・。

恐る恐る師匠に子が出来た事を伝えると、

「何ぃぃ!? 子が出来たやと!? 笑生! ・・・産まれたら抱っこさせてな。」

本当、最高の師匠やな〜。

 

弟弟子の笑福亭笑有さんには、

「兄さん・・・、ネタも作らず子ども作って・・・」

と上手い事言われる始末。

頼むから兄弟子より上手い事言うのやめてな。

 


 

話は大分逸れましたが、兎にも角にも運命の8月21日の朝。

この日は土曜日で家族全員がお休み。

さぁ何処かにお出かけでもしようかと思った矢先、妻にこう言われたのです。

 妻 「パパ、おしるし来たわ」

・・・・・え?

あー、おしるし? はいはい・・・

えー!! おしるし!? 

 

おしるしってアレよね? 

あの小豆と砂糖で煮たお餅の・・・

そら「おしるこ」か。

あかん、ヤバい。

面白く無い事しか浮かばん。

そらいつもか。

うるさい、そんな事無いわ、いや落ち着つけそんなん考えてる場合ちゃうわ。

 

 笑生 「え〜っと“おしるし”って事は・・・陣痛は・・・?

 妻 「来てる」

 

来てるんか〜い!

ヤバいやん!産まれるやん!

 

 娘 「ねぇパパぁ? どうしたの? 」

 笑生 「菜花ちゃん、ママが赤ちゃん産まれそうなんやって。今日中に産まれるかも! 」

 娘 「え! 嬉しい! 早く産まれて! 私がママよ! 」

いいえ、貴方はお姉ちゃんよ! 

 

急いで入院の準備をして直ぐ様病院へ。

12時には着いて病院に着いたら直ぐに着替えて病室で待機。

この間に入院の各種手続きや書類を書き、「コロナ禍での出産」と言う事で旦那である僕も書く。

普段なら立ち合いますの紙に署名して終わり、ぐらいだったのですがここからコロナ禍出産の辛さを体験する。

記入する書類の数が多い。

 

妻はいつもの通りなのですが、立ち合い希望者は熱・咳・鼻水の有無。

「直近で他県に行って無いか」、「5人以上の飲み会参加は無いか」、「マスクは不織布マスクをしているか」等々沢山のチェック項目があり、引っかかれば立ち合い不可となる。

 

このチェックが済んでから消毒して妻と共に「陣痛室」と云う部屋に通され出産まで待機する。

 

出産の立ち合いをした事が無い男性陣には聞き馴染みの無い「陣痛室」

産む時の「分娩室」はドラマなんかで知っているかもですが、実は出産はこの陣痛室に居る方が長い事が多い。

ここで陣痛の間隔が10分以下になって、どんどん短くなって、しょっちゅう陣痛が来る様になってやっと「分娩室」なのだ。


世のお母さん達は全てこの辛い出産を経ているのである。

もちろん帝王切開のお母さんも、大変だ。

尊敬しか無い。

 

そんな長い時間戦う陣痛ですが、余りにも長いのでここでご飯食べたりします。

もちろん食事中も陣痛は無情にどんどん来ますが体力勝負の出産。

一旦手を止めて収まった後もりもり食べます。

その間僕は何をしてるのか?

現在、コロナ禍で看護師さん達がずっと常駐する事が今までの様にはいかない

 

なので、立ち合い人である僕が看護師さんからレクチャーを受けて

普段は団扇で妻を扇ぎ、陣痛が来たら背中をさすり、陣痛が引いたら汗を拭き水を飲ませる。

これを一人でするのである。

コロナ禍での出産はかくも大変なものなのだと実感する。

 

しかし、1番大変なのは妻なのだ。

むしろ今までの出産の中で1番お産に参加している! って感じすらしたので、これはこれで良い体験だ。

 

本当に参加してたと言う証拠にコレはもう見たくない・・・。

この「いきみ逃がし」は体力をかなり消耗するのでもう勘弁して欲しい。

 

もうどれほど同じ事を繰り返したかわからなくなった頃、看護師さんが部屋に入って来て、

「陣痛の間隔が大分短くなってます、今から分娩室に移動しますね。」

 

遂に来た分娩室!

ここからはもう僕の出る幕は無い、出産と言う戦いのチーム戦が始まる。

分娩室の分娩台に身体を固定した後、1人、また1人と看護師さん助産師さん達が入って来る。

「もう少しで赤ちゃんに会えますよ。」

「頑張りましたね、後少しです。」

1人1人が妻に温かい言葉をかけて励ましてくれる。

僕はすっかり妻の頭の方から脚に向かってうちわで扇ぐ事しか出来なくなっていた。

 

ここからはプロの仕事なんだ邪魔にならない様にしなければ! と、せめてコロナ対策の為、この暑い中何重にもマスクやフェイスガード、ビニールの防護服を着込んだ看護師さん達にも『風よ! 届け! 』とうちわを扇ぐ手に力を込める。

 

「旦那さんもっと優しく奥様に風を送ってあげてください! 」

・・・邪魔になってしまった。

 

妻の様子を見ると明らかに今までとは違う表情と反応、素人でもわかる出産が今まさに正念場を迎えようとしていた。

「破水しました! 先生を呼んでください! 」

一気に緊迫する室内。

 

 妻 「もう駄目もう無理! 」

 助産師さん 「赤ちゃんが頑張ってるのよ! お母さん! 頑張りましょう! 」

 妻 「出来ない! 無理! 」

 助産師さん 「出来る! もう少し!頭見えてますよ! イキんで! 」

 妻 「うーーーん! 」

 助産師さん 「そう! 上手! そう! 産まれますよ! 」

 妻 「あーーーー! 」

 

他の人はわからないが、僕の経験上出産の瞬間はいつも無音になる。

そしてこの無音を掻き消すのが赤ちゃんの産声なのだ。

 

「オギャー!オギャー!オギャー!」

「はーい産まれましたよ〜。頑張りましたね〜。」

産まれたばかりの赤ちゃんは、小さいけれど大きな声で泣いて、その場の誰よりも存在感を放っていた。

 

「お母さん抱いてあげてください。」

妻は今までの苦労が無かった様な顔で、嬉しさだけを貼り付けた表情で抱いた。

 

 看護師さん 「お父さんも抱いてあげてください。」

 笑生 「もちろん! 」

 看護師さん 「涙と鼻水を拭いて消毒してから」

 笑生 「・・・そうさせていただきます。」

 

この後今までならしばらく抱っこ出来るし毎日面会に来れるのですが、コロナ禍で出来るだけ早く帰らなければならない事、面会も出来ない事を聞く。

 

つまり、この部屋を出たらもう妻が退院するまで一度も我が子を見れないのだ。

寂しい! 悲しい! 抱っこ出来る時間はどんどん過ぎて行く。

綺麗に顔を拭き、さあ抱っこだ! 

 

 看護師さん 「その前に赤ちゃんも綺麗にしますね」

 

時間がどんどん過ぎて行くよ!

 

 看護師さん 「あ、赤ちゃんのお名前は決まってます?」

 笑生 「伊藤庵莉(いとういおり)です! 早く抱っこを! 」

 看護師さん 「あら良い名前ですね〜。どんな字ですか?」

 笑生 もう僕書きます! なので抱っこを! 」

 看護師さん 「はーいじゃあパパに渡しますよ〜。あら? まぁ〜オシッコしちゃったわ! また最初から体拭いてやり直ししなきゃ」

 

いや。いつになったら抱っこ出来るんこれ〜! 

 

 

お後が宜しい様で。

お時間〜!

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

福井 住みます芸人
writer : 福井 住みます芸人

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