芸術への情熱が繋ぐボーダーレスな画廊を拓く。「分室ニホ」の岡本京美さん（福井市）【こたかな福井びと】

2023年6月、福井市文京の福井県立美術館近くに「夕方画廊 分室ニホ」がオープンしました。

アパート4部屋分の壁を抜いて造った小さな画廊は、アーティストの世界におじゃまするように玄関で靴を脱いであがります。

美術館の大きなスペースとは違い、展示される作品との距離が近く、よりカジュアルに鑑賞を楽しめます。

画廊を立ち上げた岡本京美さんは、アート好きが高じて県立美術館に隣接するカフェを10年前から運営。

美術館での展示会に合わせた本や図録が並ぶ「愛好家憩いの場」として親しまれています。

岡本さんが画廊の構想を練り始めたのは、新型コロナウイルスの流行で美術展やアートイベントが相次いで中止となった頃。

地元の美術作家やアートファンから芸術に触れられる場を求める声が多く届いたそうです。

「ここに集う人たちは“No Art,No Life”なんだと気づかされて。地元の美術作家やアートファンらと、芸術を楽しめる場所をつくろうと約束しました。」

多くの声に後押しされ完成した「夕方画廊 分室ニホ」では、オープン以降に2回展示会を開催しました。

2023年6月のオープニング「文京インディペンデントvol.0」は、岡本さんの声がけで、20～80代の幅広い世代のアーティスト28人の作品が集結。

絵画、造形、彫刻、CGアニメーション、インスタレーション、短歌、詩など、多種多様なジャンルの作品が揃い、総点数は130点以上。

会場では各世代のアーティスト同士や来場者がアートに対する熱い想いを語り合う場面も観られました。

「互いに何の隔たりもなく、純粋に作品を愉しみ交流する様子に感動しました。」と岡本さんは話します。

続く9月の2回目は、それぞれ油絵と日本画で長年活躍するアーティストの2人展を開催。

作風や世界観も異なる2人が、互いを尊重しながら再構築して、展示会のために創り上げたコラボレーション作品他50点以上の作品が並びました。

次回は「彫刻と書とインスタレーション」による展示会を12月25日～31日に予定。

以降の企画も次々決まっているとのこと。