【犬と猫と人間(僕)の徒然なる日常。】第13話:彼らから教わったこと。

【犬と猫と人間(僕)の徒然なる日常。】第13話:彼らから教わったこと。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

福井新聞社が発行するローカルライフマガジン「月刊fu」で連載中のエッセー《犬と猫と人間(僕)の徒然なる日常。》

福井県出身の編集者、小林孝延さんが、犬1、猫2との暮らしを、のんびりと綴っています。

連載がスタートして早1年。

2年目となる第13回は、小林さんが動物たちから教わった教訓がテーマ。

第11回で書かれていた「大きな決断」についても明かされます。

小林孝延
こばやし・たかのぶ

編集者。福井県出身。扶桑社発行の雑誌「天然生活」「ESSE」元編集長。石田ゆり子著「ハニオ日記」(扶桑社)、「保護犬と暮らすということ」(扶桑社)などを編集。犬1、猫2と暮らす。釣り好き。新著「妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした」(風鳴舎)が好評発売中。公式Instagram

第13話:彼らから教わったこと。

近頃巷を騒がせている週刊誌の報道などを聞くと、大手芸能事務所やテレビ局等、これまでびくともしなかった権威がガラガラと崩れて新しい秩序が生まれるような、時代の変化を感じる人は少なくないのではなかろうか。

僕が身を置く出版業界もご多分に洩れず、変化することを求められている感覚を強く覚える。

だからというわけでもないのだが、この歳にして3月をもって長く勤めた出版社を辞めて独立する。

前々号の連載でちらと書いた「大きな決断」とはつまりこのことだ。

* * *

妻が余命宣告を受けた時に保護犬福と出会い、僕の人生は突然これまでとは違う方向に動き出した。

妻が旅立ち、身の回りのことを整えた一周忌の日、ふいにベランダに現れた野良猫きょうだいを保護した。

自分の体験を本にすることを決めたのはちょうどその頃だ。

そして今年。

ふたたびベランダに現れた子猫を保護した頃、僕は馴染み深いレインボーブリッジを見下ろすオフィスに別れを告げる。

なんだか動物たちとの出会いと人生のターニングポイントが重なっているようで笑ってしまう。

さらりと言ったが、そうなのだ。

また猫が現れた。

いったい家の周りはどうなっているのだろう…。

今度もまた「はちわれ」というのだろうか。

ハクビシンのように白い鼻筋の男の子だ。

保護しても保護しても新しい猫がやって来る。

この調子ではまだまだ僕の人生は紆余曲折、いつになっても落ち着けないではないか。

* * *

変化のスピードが早く先の見えない時代。

当然ながら不安もある。

でもそんな時こそ僕は変化によって訪れる不安より、変化によって起こるかもしれない「わくわく」にフォーカスすることに決めている。

福を迎えた時もそうだった。

病気の妻と受験生を抱えながら犬なんて飼えるの? と他人は言うかもしれないけれど、その先にある、その時にしか体験できないわくわくを手にいれることのほうが大切だと思った。

そしてなにより今を全力で生きることの大切さ。

これは犬や猫たちから教わった教訓。

福が野犬だったとき、きっと福は自分の生い立ちを悲しんだりはしなかっただろう。

猫のともともえだって、野良猫時代に帰る家がないことを不幸だとは思っていなかったに違いない。

未来に不安を感じているときこそ、犬や猫を見習うべきなのである。

僕のまだ見ぬ未来の案内人(猫?)。名前はまだない

さて、そんなわけで僕は今まだ見ぬ未来にワクワクしている。

もちろん出版の仕事もしていくけれど、じつは福井の実家を地域に貢献できるように利用する計画を秘密裏に進めていたりもする(ここで書いたら秘密じゃないけど)。

ひさしぶりに今年は福井へ帰ることも多いかもしれない。

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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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