匠工芸二代目・村田浩史さんと「ヤスリ」【ふくいの人と道具】

匠工芸二代目・村田浩史さんと「ヤスリ」【ふくいの人と道具】

こんにちは、ふーぽ編集部です。

いろいろな職人たちの技を支えている道具たち。その道具への思いを、使い手にお聞きする「ふくいの人と道具」のコーナーです。

今回は、福井市にある匠工芸二代目、村田浩史さんにお話を伺ってきました。

 

匠工芸公式ホームページはこちら

 


 

江戸から明治時代にかけ活躍した北前船は、やがて陸路が整備されるにつれ衰退。同時に、金銭や重要書類を保管するため船内で使われた「船箪笥」も、およそ100年前に廃れました。

匠工芸」は、その船箪笥を作る国内唯一の工房です。

 

もともと三国で作られた船箪笥を、初代が文献をもとに約40年前に復元。二代目の村田さんは20年前にこの工房に入りました。

 

「歴史や豪華な装飾、大切なものを守る機能性など『用の美』に魅かれたんです」と村田さんは話します。

船箪笥は気密性が高く水は入りにくい構造になっている。海水に浸かる場合も浮かんでくる。匠工芸の船箪笥は当時とまったく同じ作りだ

 

船箪笥は、木地、金具、漆塗の3つの分業で作られる。

村田さんの専門は金具づくり。装飾金具にはさまざまな意匠が隠れている。

 

「荒波や空をイメージしたモチーフのほか、錠前は悪さをされないよう獅子が睨みを利かせた顔なんです」と村田さん。

 

また寺社仏閣の紋様が使われたのにはゲン担ぎの意味もあったとか。

上側がヤスリ。その手前にあるのは金具に溝をつけるのに使う「タガネ」

 

どの装飾も複雑なデザインで、周囲にはヤスリで削って面をつくる「面取り」が施してあります

一見、同じ角度で面取りされているようですが、場所により微妙に異なっています。

 

開けた部分や入り組んだところ。それに合わせ太さや形状の異なるヤスリを使い分けているそうです。

 

ひと棹分の金具を手掛けるのに、数十種類のヤスリを使うことも珍しくありません。

ヤスリがけ作業中の村田さん。固定している万力は、斜めに挟めるよう改造してある

 

面取りされた装飾金具には立体感が生まれ、力強さが増すと同時に、光の反射により独特の存在感を放ちます。

北前船のかつての隆盛を今に物語っているようです。

 

顧客の多くは子どもや孫の代まで残っていくものを、との思いで船箪笥を求めます。

 

「その思いに応えながら、現代に蘇った船箪笥の伝統を継承していきたいですね」。

 

匠工芸
福井市若杉3丁目905
☎0776-34-3848

公式ホームページはこちら

 

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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