織物職人・嘉村亜紀子さんと「手織り機」【ふくいの人と道具】

織物職人・嘉村亜紀子さんと「手織り機」【ふくいの人と道具】

こんにちは、ふーぽ編集部です。

いろいろな職人たちの技を支えている道具たち。その道具への思いを、使い手にお聞きする「ふくいの人と道具」のコーナーです。

今回は、織物職人の嘉村亜紀子さんにお話を伺ってきました。

 


 

坂井市にあるアトリエの一室。

6畳ほどの部屋にある手織り機は、天井に届かんばかりの大きさです

嘉村さんがこの手織り機と出会ったのは20年以上前のこと。

生活に欠かせない 「衣食住」の「衣」に関わりたいと、大野市の呉服屋に就職。

春から秋の間は、仕入れ先の石川県の工場で製糸と織物の仕事をし、冬は呉服屋にあったこの手織り機で布を織り、石川県の伝統工芸 「牛首紬」の技術を学びました

手織り機は明治期頃に使われた型と同じ、昔ながらの形状


出産や夫の転勤を機に福井県と織物の仕事から離れましたが、 5年前に再び福井へ。

子育てもひと段落し、 また織り仕事をしたいと考えていたため、 呉服屋で使われずに保管されていたこの手織り機を譲り受け、職人として独立しました。

 

嘉村さんからすぐ手前にあるのが、筬(おさ)。ペダルを踏むと、上から紐で釣り下がった綜絖(そうこう)が上下する


嘉村さんは現在、 100年以上前に盛んに織られた福井の織物 「奉書紬」 のストールを手掛けています。


使う生糸は、 福井県で唯一の養蚕農家である杉本英夫さんから繭を買い、自ら引いたもの。


「“立体”である繭から、糸という“線”ができ、 そして布という“面”が生まれるんですよ」と嘉村さん 。


手織り機にかけた千本もの経糸は、 足元のペダルを踏むことで交互に上下に分かれ、 空いた隙間に緯糸を通す。

上部と振り子のようにつながった筬(おさ) を手前に引いて軽く打ち込み、 交じり合った経糸と緯糸を整える。

ほつれがないかなど 糸の状態を確認する。

 

繰り返しの作業です。

 

嘉村さんの織った奉書紬の布。柔らかな風合いは、手織りならでは


はかどっても一日に20センチ程
しか進まない根気のいる作業ですが、 

「繭という自然の恵みを衣服という人が身にまとうものに作り変えるのは、 とてもダイナミックな営み。 それを実感できることが、 機織りの魅力だと思います」と嘉村さんは話してくれました。

 

くらしつむぐあとりえ

福井県坂井市三国町北本町3-3-32
☎0776・50・0150
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