「秘められた忍者の真の姿を世界へ向け発信していきたい。」忍術継承者・甲賀伴党21代宗師家 川上仁一さん【ふくい人に聞く】

    「秘められた忍者の真の姿を世界へ向け発信していきたい。」忍術継承者・甲賀伴党21代宗師家 川上仁一さん【ふくい人に聞く】


    ※福井県ゆかりのさまざまな人たちにインタビューする連載です。 

    忍術継承者・甲賀伴党21代宗師家
    川上 仁一さん

     

    若狭町に住む川上仁一さんは、忍術流派の一つである甲賀伴党の21代宗主。

     

    世界中の忍者ファンから、「ザ・ラストニンジャ」と呼ばれ熱烈な支持を集める存在です。

     

    長らく大学などで研究に携わり、忍者の正しい姿や現代に活かせる忍術のエッセンスなどを伝えています。



      映画やアニメの影響もあり、今や日本の 「NINJA」は世界規模の市場を持つ一大カルチャーだ。

      その中にあって、甲賀伴党忍術の正統な継承者である川上さんは絶大な人気を誇り、各国のメディアや研究者、武術家らがこぞってその元を訪れる。

       

      「ただ特に海外ではファンタジーのような忍者像が蔓延しています。歴史の中の正しい忍者の姿を理解してもらうのも私の大事な役目の一つですね」

      自宅に併設されている道場には、鎖鎌や鉄拳、鉤縄(かぎなわ)などさまざまな訓練用の武具や忍具が並ぶ。忍者にとって戦いのための武術や兵術は欠かすことのできないものだが「それは忍術の本質ではありません」と川上さんは言う

       

      6歳の頃、 近所で出会った雲水姿の老人が、県外から訪れていた先代宗主だった。

      不思議な技を使う様子に魅せられ、いつしか遊びの延長のように忍術修行が始まった。

       

      身体の鍛錬や武術、歩行法や呼吸法、薬草や毒の知識、気象の読み方や記憶術、兵法、暗号などあらゆる分野の手ほどきを受け、18歳で免許皆伝。

      古来の忍具や多くの古文書を受け継いだ。

       

      電機メーカーの技術者となった後も、「毎晩ひたすら過酷な修行や古文書の研究に明け暮れ、長年睡眠は3時間ほどでした」。

      50歳で早期退職し、自宅に武術や兵法を教える道場を開いた。

       

      2011年には請われて三重大学の特任教授に就任し、アカデミックな立場から忍者や忍術の研究に取り組むようになった。

      文献調査だけでなく、携帯食である兵糧丸の成分分析、印を結んだ時の脳波測定など多面的に研究に協力した。

       

      「受け継いできた忍びの技に、まったく違う形で向き合うことができて新鮮でした。それまでどこか胡散臭いものとされていた忍者や忍術が、学問として確立されていくことがうれしかったですね」

      これまで欧米や東欧、アジアなど世界各国のメディアが取材に訪れている。ネット上で見られるそれら動画の中には再生回数1000万回近いものも。現在は、日本忍者協議会と共に独自の海外向け英語動画を制作し、定期的に配信している(画像クリックで動画サイトに飛びます)

       

      武術の弟子は国内外100人を優に超える。

      しかし伴党忍術の次代の後継者を養成するつもりはないという。

       

      「侵入術や人を陥れる謀略、防諜の術など、忍術の多くは乱世に必要だった軍用技術です。今の平和な世の中で、厳しい修行をしてそんなものを会得する必要はないでしょう」。

       

      一方で、忍者の精神性こそ現代に活かすべきものだと考える。

       

      先代の教えの要点は「忍術の忍は、堪忍の忍」という言葉に集約される。

      「つまり感情に流されずに耐え、争いを避けて和合する心が忍びの神髄」 だと川上さんは強調する。

       

       

      忍者は今後、 クールジャパンを象徴するコンテンツとして観光や地域振興に大きな役割を果たすと考え、 ここ数年は海外向け普及活動に注力する。

       

      「その中で、忍術の根本である〝人々が幸せに生きる知恵〞こそをしっかり伝えていきたいと思います」

       

      川上 仁一(かわかみ じんいち)

      1949年、若狭町生まれ。
      6歳から甲賀流忍術の伴家忍之伝を学び、継承した甲賀伴党21代宗師家。武術家、忍術研究家。
      武術や兵法を教える神道軍傳研修所主宰。伊賀流忍者博物館名誉館長。
      三重大学社会連携研究センター特任教授を経て現在は産官学連携アドバイザー。日本忍者協議会顧問。
      著書に『忍者の掟』(角川新書)など。

       

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      ※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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