「一貫して描き続けてきたのは 男たちの懸命でまっすぐな生き方。」漫画家・池上遼一さん【ふくい人に聞く】

「一貫して描き続けてきたのは 男たちの懸命でまっすぐな生き方。」漫画家・池上遼一さん【ふくい人に聞く】


※福井県ゆかりのさまざまな人たちにインタビューする連載です。 

漫画家
池上遼一さん

 

半世紀以上にわたって漫画界をけん引し続ける“レジェンド”池上遼一さんは越前市出身。

男たちの熱い生き様を描く数々の名作を世に送り出し、国内外のファンを熱狂させてきました。

自身初の原画展が2019年9月、同市の武生公会堂記念館で開催されました。


 

「男組」「クライング フリーマン」「サンクチュアリ」「HEAT―灼熱―」・・・。

池上遼一さんが手掛けてきたのはまさにビッグタイトルばかり。

原作者とタッグを組んだハードボイルドな作品が多く、“現代の絵師”とも称される流麗で精密な画風によって幅広い世代のファンを魅了してきた。

「美しい男や女が登場する作品は描いているほうも楽しくて、全然飽きないですね」

 

これまでにも原画展開催の依頼は何度もあったが、すべて断ってきたという。

「僕が描くのは不良や無法者たちが中心で、暴力や血の描写も多い。個人で楽しむのは良いけれど、公共の場で展示するのは遠慮してきたんです」。

しかし2019年の原画展では、池上漫画をしっかり読み込んだ上で「ぜひとも」と依頼した越前市長の熱心さに打たれ開催を決断した。

原画展では、貸本漫画家時代からメジャーデビュー後、そして最新作まで主要作品を見ながら池上漫画の来歴をたどれる。開幕日にはギャラリートークがあり、池上さん自身による作品解説に大勢のファンが詰めかけた

 

越前市で過ごした少年時代、近所に2軒あった貸本屋で借りた漫画に夢中になった。

中学卒業後に大阪の看板屋に就職し、仕事の傍ら漫画を描き始めた。

61年に貸本漫画家としてデビュー。

66年にあの「ガロ」に読み切りが掲載され、上京しアシスタントなどを経てメジャーデビューする。

その後は雁屋哲、武論尊(史村翔)氏らの原作付きの作品で大ヒットを連発。

今も現役で連載を続けている。

 

最も強くこだわるのは、いかにストーリーにふさわしい絵を描くかという点だ。

「漫画の絵は、文学に例えるなら“文体”のようなもの。上手下手というよりも、物語の世界観やドラマをどう引き立てるかが重要です」。

どんなに荒唐無稽なストーリーでも、絵の力があれば読者はリアリティをもって受け止めてくれると語る。

原画展の開幕に先立ち開かれた記者会見。池上さんは、かつてポスター原画を依頼した日本ボルガライス協会メンバーと初めて対面し、会長にボルガライスを食べさせる貴重なパフォーマンスを披露した

 

ここ数年、越前市の「たけふ菊人形」やボルガライス、伝統工芸産地のポスターなど故郷に関わる仕事を引き受けてきた。

また2019年の原画展では、越前和紙や打刃物、箪笥などの工芸品をモチーフとしたオリジナルの原画も発表した。

「この街で貸本漫画に熱中した日々がなかったら、今の漫画家としての自分はないですね。父親が越前打刃物の職人だったこともあり、伝統産業に関連した仕事は感慨深いです」

年齢を考え、あまり長いスパンで先の予定を立てなくなったが、可能な限り新しい表現にも挑戦したいという。

 

「アウトローたちの姿を通し、僕がこれまで一貫して描いてきたのは、男たちの懸命でまっすぐな生き方なんです。この日本に生まれた男女が、自分の国を誇れるような作品をこれからも描き続けていきたいですね」

 

池上 遼一(いけがみ りょういち)

1944年、越前市生まれ。
17歳で貸本漫画家としてデビュー。
その後、漫画家・水木しげるのアシスタントなどを経てメジャーデビューする。
「男組」「クライングフリーマン」「サンクチュアリ」など代表作多数。
『HEAT ―灼熱―』で第47回小学館漫画賞受賞。2021年1月から「トリリオンゲーム」を連載中。

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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

ふーぽ編集部
writer : ふーぽ編集部

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