《最終回》「好き」をコラージュして生きる同志。【生活芸人・田中佑典のふくい微事記~福井市編~】

《最終回》「好き」をコラージュして生きる同志。【生活芸人・田中佑典のふくい微事記~福井市編~】

こんにちは、生活芸人の田中佑典です。

往復約900km。福井県を徒歩で横断する「微遍路(びへんろ)を終え、歩んだ道のりをもとに「微住街道」をマッピング。

街道の途中で出合った出来事を「微事記」として記し紹介します。

今回は遂に最終回! 最後の地は【福井市編】です。

【⇒過去の記事一覧はこちらから


田中 佑典
さん

台湾と日本をつなぐプロデューサー。
一定期間地域に滞在し、“ゆるさと”づくりをする旅『微住』の提唱人。
2021年東京から福井市にUターン。
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いよいよ最終となる今回は、「微遍路」のロゴデザインなどを手掛けてくれた、大村阿呆(おおむらあほう)くんとの物語。

往路時、友人のMC TSUJIとともに丸岡町からあわら市へと歩く道中、彼から「紹介したい面白い奴がいるんです」と言われた。

数日後、福井市殿下地区から福井駅前を通過する際に紹介されたのが、大村くんだった。

 

彼は自身を“クソコラメーカー”と称するコラージュアーティスト

手法は違えど大事にしている信念や価値観が僕と似ている上、同じ福井駅前生まれということもあり、すぐに仲良くなった。

これぞ大村阿呆ワールド。この自宅の部屋から日々コラージュ作品が創出されている


彼はスマホで撮った写真を切り抜きから加工、コラージュまで、すべてスマホ画面で行い、ポップな色合いとワクワク感のある作品をインスタグラムで発信している。

その作品の紹介文までクスッと笑えて、「よくやるね! 」と毎回言葉が出てしまうほどの徹底ぶりだ。

「微遍路音頭」のレコードジャケット。細部まで彼のユーモアが満載


我々は大人になればなるほど要領を得て、さまざまなことをそつなくこなしてしまうが、大村君は手間暇がかかることをどれだけ楽しめるかを、大切にしている。

パソコンの方が快適に作れるはずなのに、あえてこの手法を変えない。

好きなものに対してとことんピュアで、自分のスタイルに一切妥協しない。

彼の暮らしまわりにも、「よくやるね! 」が溢れている。

QRコード付き織ネームは「松川レピヤン」さんの技術とのコラボ作品


最近では「コスパ」という言葉に加え、「タイパ」という言葉がある。

意味はコストに加え、時間(タイム)も節約しようというもの。

手間も時間もかけない先の未来に、一体何が待っているのか? そんな未来への疑念も込めて、僕はまた微遍路をしたいと思ってる。

手間と時間をかけ ることにこそ人間らしさが見つかることを、これまでの旅から、そして大村君との出会いから感じることができたからだ。

「微遍路展」ではすべて手作りのパネルで旅の軌跡を見事にまとめてくれた

大阪での展示会での様子。作品だけではなく、来た人を楽しませる魅せ方まで妥協なし


この2年間、「微事記」をいつも読んでいただいた皆さんへの感謝を胸に、また次の「よくやるね!」を探して、これからも僕は旅を続ける。

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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