懐かしくて素朴なおいしさ。“福井のごっつぉ”郷土料理の作り方5選。

懐かしくて素朴なおいしさ。“福井のごっつぉ”郷土料理の作り方5選。

こんにちは、ふーぽ編集部です。


福井の各地域に伝えられてきたお惣菜“ごっつぉ(ご馳走)”には、それぞれに由来や風習などの物語があるのをご存知ですか?


たとえば正月や祝い事などのハレの日に、福井の郷土料理を食べたという思い出がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は懐かしい味から、初めて知る味まで福井の郷土料理を再現したレシピをごっつぉ物語とともにご紹介します。

 

福井県で生まれ育った人も、そうでない人も素朴であたたかい味わいにきっと癒されるはずですよ♪

 

福井を代表する、おふくろの味。

【たくあんの煮たの】

ご飯のおかずにはもちろん、お茶漬けや酒のおつまみにもぴったり。

醤油ベースの素朴な味だからこそ、飽きずについつい摘まんでしまう。

 

ごっつぉ物語

県内全域、特に嶺北地方で「おふくろの味」「おばあちゃんの味」として昔から食卓に並んできたたくあんの煮たの

一度漬けたたくあんを、あえて手間をかけて煮て食すことから「ぜいたく煮」とも呼ばれています。


主に夏から秋の時期にかけて作られる料理。冬の時期、年の暮れから漬けられるたくあんは、春を越えて暖かくなるにつれ乳酸発酵が進み、だんだんと酸っぱくなり味が落ちます。

食べきれずに残った「古たくあん」をおいしく食べようという工夫がこの「たくあんの煮たの」なのです。


ゴマ油を入れたり、砂糖で甘めに煮たり、県内の地域や家庭により作り方や味付けはさまざまですが、基本的なつくり方としては、出汁と醤油でコトコト長い時間をかけて煮ます。

鍋の中で煮られるたくあんの独特な匂いに、懐かしさを覚える人もいるでしょう。


近頃はだんだんと家庭で作られなくなり、スーパーなどで買い求める人が増えたたくあんの煮たの。この機会にトライして、レパートリーに加えてみてはいかがでしょうか? 

 

作り方

【材料】

・たくあん 2本
・だし汁 3カップ
・酒 大さじ2
・本みりん 大さじ3
・醤油 大さじ3~4
・鷹の爪 2~3本(輪切り)

【作り方】


たくあんを輪切りにする

 たっぷりの水で茹で、沸騰したらお湯を捨てる

 を2、3回繰り返し塩抜きする

 湯を捨てた鍋に調味料を全て入れ、好みの硬さになるまで煮る。最後に鷹の爪を混ぜ込む

 

柔らかな麩ときゅうりの歯ごたえ。

【麩のからし和え】

ツーンとした辛さがクセになる大人の味。

麩の柔らかさときゅうりの歯ごたえも、絶妙にマッチ。

 

ごっつぉ物語

嶺北地域で広く作られてきた麩のからし和え

本来は、浄土真宗の「報恩講」などの法事や葬式の時には必ずといっていいほど作られるものだったけれど、今は普段のお惣菜として食べられています。子どもの頃、給食に出てきたという人も多いのではないでしょうか。

使うからしは、市販の練りからしでももちろん大丈夫ですが、せっかくなら福井産の「地がらし」を自分で練ってみるのもおすすめ。

味が薄くならないよう、麩とキュウリはしっかりと水気を切るのがポイント。懐かしい、嶺北の「おふくろの味」です。

 

作り方

【材料】

・角麩 4個
・きゅうり 半分
・練りからし 小さじ1/2
・味噌 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・酢 大さじ1
・醤油 少々

【作り方】


麩を水に浸け、柔らかくなったら適度な大きさに切る

キュウリを輪切りにし、軽く塩をふる

味噌・砂糖・酢・醤油・からしを混ぜる

を合わせてよくかき混ぜ、味がなじむまで置いたら完成

 

大根とニンジンのシンプルイズベスト。

【こじわり】

素材や作り方はシンプルだが、野菜の旨味が凝縮し、食べた時の満足感は大きい。

ごはんにかけて食べるのがおすすめ。

 

ごっつぉ物語

このこじわりも県内の各地域に伝わる郷土料理のひとつ。

名前だけを聞いて、大根と人参を使った料理だと想像できる人は少ないのでは。名前の由来も、今や忘れられているそうです。

基本の食材は大根と人参で、家庭により里芋やジャガイモを入れたり。ジャコと一緒に煮ることもあるそう。

大根と人参は千切りにしますが、池田町のように「つきおろし」や「千切り器」と呼ばれる道具で刻むところもあります。

材料を全部鍋に入れ、醤油とみりんで味付け。素材の旨味が広がる、素朴な田舎のごちそうです。

 

作り方

【材料】

・大根 1本
・ニンジン 1~2本
・里芋 5個
・醤油 適量
・みりん 少々

【作り方】


大根とニンジンを千切りにする

皮をむいた里芋は細切りにする

を鍋に入れ時々混ぜながら火にかける

全体がしんなりしたらしょうゆとみりんを加え、煮詰める

正月や祝い事、〝ハレの日 〞に。 

【こっぱなます】

大根とニンジンのシャキシャキとした歯ごたえが楽しいなます料理。

ゴマの濃厚さも相まって、ご飯もお酒も進みそう。

 

ごっつぉ物語

敦賀市の挙野と五幡地区に伝わるこっぱなます

こっぱは、「木っ端」。大根を薄く削った様子からそのように言われています。


大根とニンジンなど主な材料は普通のなますと一緒ですが、油揚げやゴマ、からし、味噌で和えるのが特徴。

祝い事の時に作るハレの日の料理です。

スライサーなどがなかった昔は、大工が使うようなカンナで大根を削ったそう。

塩水につけた大根と酢漬けしたニンジンは硬く絞ることで、味がよく浸みます。

この絞りの作業、法事などで用意する際に“若いもん(若者)がやらされるのは毎度のことだとか。

 

作り方

【材料】

・大根 1本
・ニンジン 50g
・薄揚げ 1枚
・細ネギ 2、3本
・すりゴマ 70~100g
・砂糖 大さじ7
・味噌 大さじ3
・からし 大さじ2
・酢 大さじ3

【作り方】


大根を薄くスライサーで削り塩でもみ、ニンジンは千切りにして酢に漬け、どちらも一晩置く

薄揚げを軽く焼き細切りにする。ネギをさっと茹で1.5cmに切る

すりゴマ・ 砂糖・味噌・からし・酢をよく混ぜる

よく絞ったを混ぜ合わせる

 

 

見た目で判断せず、どうかひと口。 

【から大根】

真っ黒な見た目がインパクト大な一品。

大根をひと口頬張れば、ゴマの濃厚な味と、唐辛子の辛みがやさしく広がっていく。

 

ごっつぉ物語

すりゴマがたっぷり入った煮汁に浸かったから大根は、永平寺町京善に伝わる料理。

名前の「から」は「辛」なのか「唐」なのか、なぜ京善地区で作られるようになったのか、地元の人でも理由は分からないとか。

冠婚葬祭など、人が集まる特別な日に用意するものだと言われています。


市販のすりゴマでも作ることはできますが、すり鉢ですったゴマのほうが、よりおいしくなるそうです。

鍋にゴマを入れてから、焦げ付かないように鍋を振り続けるなど少し手間がかかりますが、見た目を裏切るおいしさは一度味う価値あり。

 

作り方

【材料】

・大根 2本
・黒ゴマ(すりゴマ) 200g
・唐辛子 2本(輪切り)
・サラダ油 大さじ2
・醤油 大さじ7
・砂糖 大さじ5
・みりん 大さじ2
・酒 大さじ2

【作り方】


大根を大き目の乱切りにする

大根がかぶる位に鍋に水を入れ、軟らかくなるまで煮る

大根以外の材料を加え、焦げ付かないよう、鍋を振りながら煮る

一晩おいて冷まし、翌日もう一度煮立てたら完成

 

いかがでしたか?

物語を知るとまた違った味わい方ができると思います。

福井の伝統ある郷土料理、ぜひ一度挑戦してみてくださいね。

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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