福井県内にある紫式部・安倍晴明ゆかりの地を巡ろう【ふくい平安めぐり】

福井県内にある紫式部・安倍晴明ゆかりの地を巡ろう【ふくい平安めぐり】

こんにちは、ふーぽ編集部です。

2024年大河ドラマ「光る君へ」の主人公は紫式部。

世界最古の長編小説と言われる「源氏物語」の作者・紫式部と、現代まで語り継がれている陰陽師・安倍晴明は、ともに時を超えて愛されるカリスマです。

今から1,000年以上前の平安時代に活躍した2人。福井にはこの2人に深く関わる「ゆかりの地」が今も伝わっています。今回はそのゆかりの地と福井県内のパワースポットをご紹介します。

ふくい平安めぐり・紫式部&安倍晴明ゆかりの地を訪ねて

紫式部と安倍晴明は、ともに平安時代に活躍し、その偉業は現代まで語り継がれています。

「源氏物語」を著した紫式部は、日本文学史を代表する女性文学者の一人。

青春時代の1年余りを越前で過ごした経験が、創作活動に大きな影響を与えました。

安倍晴明は天文暦学を深く極めた優れた陰陽師で、現在の嶺南に移り住んで研究を重ねたといわれています。

 

紫式部ゆかりの地

1. 紫式部公園【越前市】

紫式部をしのび、平安時代の庭園を再現して整備された全国で唯一の寝殿造庭園。

園内には金色に輝く紫式部像、紫式部歌碑、泉池を望む釣殿、藤棚などがあり、公園から見る日野山は格別です。

紫式部公園

福井県越前市東千福町20-369
☎️0778-22-3012(越前市都市計画課)
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2. 紫ゆかりの館【越前市】

かつて越前国の中心として国府が置かれ、紫式部が1年余りを過ごした越前市の歴史と、紫式部との関わりを発信する資料館で、紫式部が越前の地で過ごした時間や、源氏物語を描くまでの心模様を、几帳(きちょう)風グラフィックや絵巻物風映像で楽しめます。

また、越前国府の頃より続いている伝統工芸品の展示や販売も。

紫ゆかりの館

福井県越前市東千福町21-12
☎0778-43-5013
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3. 本興寺(紫式部ゆかりの紅梅)【越前市】

本興寺本堂の前にある「紫式部ゆかりの紅梅」。

父・藤原為時と一緒に越前に来ていた紫式部が、京へ帰る時に梅を植えたという言い伝えがあります。

紫式部が植えた梅は白梅ですが、亡くなったあと、娘の賢子が母をしのんで紅梅を植えたといわれています。

現在の紅梅は4代目で、春には見事な花を咲かせます。

本興寺(紫式部ゆかりの紅梅)

福井県越前市国府1-4-13
☎0778-22-2107

安倍晴明ゆかりの地

4. 晴明神社【敦賀市】

安倍晴明は10世紀末に敦賀に移り住み、天文暦学の研究を重ねたといわれており、研究に使ったといわれる「祈念石」がご神体として祭壇床下に祀られています。

「祈念石」祭壇の下にある小窓から覗き見ることができ、賽銭を投げ入れて石の上にのれば願いが通じるとの言い伝えも。

数々の火災から町を守った火伏せ神としても信仰を集めています。

晴明神社

福井県敦賀市相生町8
☎️0770-22-8167(敦賀観光協会)
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5. 木田神社・晴明神社【福井市】

木田神社の境内には安倍晴明を祭神とした晴明神社があります。

晴明が北陸巡遊の際、この地に立ち寄り、求めに応じて火伏せの法を執り行いました。

それ以来、町内では火事が絶え、人々は神社を建てて晴明を祀ったと伝わり、火伏せ神としての信仰を集めています。

木田神社・晴明神社

福井県福井市西木田2-6-27
☎️0776-35-1755
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6. 天社土御門神道 天社宮(てんしゃつちみかどしんとう てんしゃぐう)【おおい町】

安倍晴明を始祖とする土御門家の子孫や系譜の人たちが、今も陰陽道の数々の儀式を脈々と受け継いでいます。

境内には陰陽道の主祭神である泰山府君や安倍晴明を祀る本殿、4色の鳥居が囲む「天壇」、土御門(安倍)家墓所などがあり、陰陽道の世界に触れられる神聖な空間が広がります。

天社土御門神道 天社宮(てんしゃつちみかどしんとう てんしゃぐう)

福井県大飯郡おおい町名田庄納田終129-9
☎️0770-67-3210
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7. 暦会館【おおい町】

全国でも珍しい暦と天文学に関する資料館。

安倍晴明の子孫にあたる土御門家が応仁の乱の戦禍を逃れ、名田庄の地に移り住み3代にわたって天文暦学の道場を開いたことにちなんで建設されました。

建物は校倉造(あぜくらづくり)で、昔の天文器具や古い時代の暦など約1000点の資料を展示しています。

暦会館

福井県大飯郡おおい町名田庄納田終111-7
☎️0770-67-2876
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安倍晴明の墓と伝わる「五輪塔」【若狭町】

若狭町無悪(さかなし)の共同墓地にある五輪塔は、花崗岩製の高さ1mを超える立派な石塔で、鎌倉後期の作風といわれています。

町の文化財に指定されており、安倍晴明の墓とも伝えられています。

 

平安めぐりをもっと楽しむ! 
パワーをもらえるスポット

平安時代から続く自然や神社。

リフレッシュしたいとき、運気を上げたいときに訪れれば、いいことがあるかも! 

8. 雄島(大湊神社)【坂井市】

国の名勝・天然記念物「東尋坊」の近くにある、自然林で覆われた神秘的な島で、「神の島」とあがめられてきました。

朱塗りの橋を渡り、78段の石段を上がって参道をまわると、海での無事を祈願して祀られた大湊神社本殿があります。

雄島(大湊神社)

福井県坂井市三国町安島
☎0776-81-2959
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9. 平泉寺白山神社【勝山市】

境内が美しい苔で覆われ、「苔宮」とも呼ばれています。

境内には名前の由来にもなった泉である御手洗池があり、泰澄が泉に現れた女神から、白山へと登ってくるようお告げを受けたという言い伝えが。

平泉寺白山神社

福井県勝山市平泉寺町平泉寺
☎0779-88-8117(勝山市役所)
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10. 毛谷黒龍(けやくろたつ)神社【福井市】

九頭竜川の守護神として創建。

厄除けや生命力の向上、子授け・安産祈願や商売繁盛の神社として厚い信仰を集めています。

社務所の「龍の絵」をスマートフォンの待受けにすると運気が上がるかも?

毛谷黒龍(けやくろたつ)神社

福井県福井市毛矢3-8-1
☎0776-36-7800
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11. 賀茂神社【福井市】

京都の上賀茂、下鴨両宮の神霊を祀る陰陽道の古社。

安倍晴明の師匠である遠祖・賀茂氏から伝わる秘伝書による300種以上の守札があります。

高さ約10mの大鳥居は県の文化財に指定されています。

賀茂神社

福井県福井市加茂町7-1
☎️0776-98-3086
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12. 越知山(おちさん)【福井市、越前町】

白山信仰の開祖・泰澄が開山し、青年時代まで修行をしたとされる北陸最古の修験霊場。

日本百霊峰にも選定されており、越知神社をはじめ、奥乃院や石仏群、殿池、独鈷水など信仰にまつわる史跡が数多く残っています。

越知山(おちさん)

福井市、越前町

13. 岡太神社(おかもとじんじゃ)・大瀧神社(おおたきじんじゃ)【越前市】

山頂の奥の院とふもとの里宮からなる神社で、岡太神社には紙漉きの技を伝えた女神・川上御前を祀っています。

幾重にも波が寄せあうような複雑な社殿の屋根や、いたるところに施された彫刻の壮麗さは圧巻です。

岡太神社(おかもとじんじゃ)・大瀧神社(おおたきじんじゃ)

福井県越前市大滝町13-1
☎️0778-42-1151
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14. 氣比神宮【敦賀市】

「北陸道の総鎮守」とも称された古社。

高さ約11mの大鳥居は日本三大木造鳥居の一つで、境内には氣比大神降臨の地とされる土公や、神々の御神徳が宿るといわれる長命水があります。

氣比神宮

福井県敦賀市曙町11-68
☎️0770-22-0794
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15. 若狭彦・若狭姫神社【小浜市】

若狭彦・若狭姫神社は合わせて若狭国一宮に位置付けられている格式の高い神社。

縁結びのパワースポットとして人気で、開運厄徐、運気アップ、夫婦円満、安産などのご利益も。

若狭彦・若狭姫神社

福井県小浜市竜前28-7(若狭彦神社)
福井県小浜市遠敷65-41(若狭姫神社)
☎️0770-56-1116

 

紫式部が和歌に詠んだ越前

少女時代から晩年までの和歌の自撰集「紫式部集」には、越前国下向にまつわる和歌が詠まれています。

深坂峠

知りぬらむ往来(ゆきき)にならす塩津山   

世に経(ふ)る道はからきものぞと

「おまえたち、これでよくわかったでしょう。世の中というのはこの道のように厳しいものなのですよ」(訳文)

越前国に下向する際、現在の長浜市と敦賀市の県境にある深坂峠(塩津山)を越えて行きました。

その道のりは大変険しく、輿(こし)を担ぐ男たちの「やはりこの道はいつ通っても難儀だな」という言葉を聞いて詠んだ歌です。

日野山

ここにかく日野の杉むら埋(うず)む雪    

小塩(をしお)の松に今日(けふ)やまがへる

「この地でこのように日野山の杉木立を埋めるように降っている雪。 都の小塩山の松にも今日は雪が降り乱れているのでしょうか」(訳文)

式部が越前に来て初めて迎えた冬に詠んだ歌は、日野山に積もる雪を見て京都の小塩山を思い出し郷愁を感じたものでした。

その心境にも変化があり、京に帰る二度目の冬には次の歌(名に高き〜)を詠みました。

白山連峰と九頭竜川

名に高き越(こし)の白山(しらやま)ゆきなれて    

伊吹の嶽(たけ)をなにとこそ見ね

「私は評判の高い越の国の白山の雪を見慣れてしまったから、 伊吹山がどんなに白くても大したものとは思わないの」(訳文)

京への帰り道、琵琶湖の船から白い雪を頂いた伊吹山(滋賀県、岐阜県にまたがる山)を見て詠んだ歌です。

雄大な自然に囲まれた越前国府での暮らしの中で、白く荘厳な白山は式部の心に強い印象を残しました。

源氏物語にも「越のしらやま」として登場します。

 

紫式部の一生

 973年 紫式部誕生

 996年 国司に任命された父・藤原為時(ためとき)とともに越前国へ下向

 997年 冬、京へ帰る

 998年 藤原宣孝(のぶたか)と結婚

 1001年 夫・宣孝死去。「源氏物語」を書き始める

 1006年 一条天皇の中宮・彰子(しょうし・藤原道長の娘)のもとへ出仕する

 1008年 「源氏物語」を書き上げる

 1020年 紫式部死去 

※紫式部の一生(生没年等)には諸説あり

紫式部の本名は?

平安時代の女性は本名がわかっていないことが多く、名字や役職名、家族との続柄などを使った名称のみが記録に残っています。

「紫式部」も本名ではなく、その由来は、父の官職である「式部丞(しきぶのじょう)」、および源氏物語の登場人物「紫の上」にちなんだものであるといわれています。

本名は藤原香子であるという説がありますが、正確なことはわかっていません。

 

なぜ越前に?

貴族女性が家の外に出るのが珍しい時代に、式部は父に同行し越前国にやってきました。

その理由の一つに、藤原宣孝からの求婚があったといわれています。

父親ほどの年の差があった宣孝からの熱心な求婚に、一度距離を置いて冷静に考えたいという気持ちがあったのではないでしょうか。

最終的に式部は宣孝と結婚。

しかし結婚後3年で宣孝と死別しており、その悲しみを紛らわすために源氏物語を執筆したといわれています。


いかがでしたか? 

上記のスポットをまとめたパンフレットも福井県内各地で配布中です。

ダウンロードはこちらから。

ぜひ福井に伝わる紫式部、安倍晴明のゆかりの地を巡って、平安時代の息吹を感じてくださいね。

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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