敦賀の新名物ドーナツ「敦賀ポンチキ」とは? 開発した地元高校生に聞く、誕生秘話とおいしさの秘密。

敦賀の新名物ドーナツ「敦賀ポンチキ」とは? 開発した地元高校生に聞く、誕生秘話とおいしさの秘密。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

今年の春、敦賀に新しい名物が誕生しました。

その名も「敦賀ポンチキ」

今回は、ポーランド生まれ、敦賀育ちのドーナツの開発秘話とおいしさの秘密に迫ります。

ポーランドで愛されるドーナツを つながりが深い敦賀の新名物に。

明治から昭和初期にかけて、国際港として栄えた敦賀港

1920年代には、第一次世界大戦下のシベリアから救出されたポーランド孤児を受け入れました

また、40年代には、ナチス・ドイツの迫害で祖国ポーランドを追われたユダヤ難民が、外交官・杉原千畝(ちうね)氏の発給した「命のビザ」を携えて上陸した場所でもあります。

人道の港 敦賀ムゼウム 敦賀市金ケ崎町23-1

当時の建物を外観復元した資料館「人道の港 敦賀ムゼウム」では、困難を抱えた人々を温かく受け入れた2つの史実を中心に紹介。

命の大切さと平和の尊さを国内外に発信しています。

グラニュー糖をまぶした生地の中にクリームやジャムがたっぷり。サクッと軽く、頬張ればもちもちで、揮発したブランデーの風味がほのかに香ります

その施設でガイド活動に取り組んでいる敦賀高校創生部の生徒たちが開発したのが「敦賀ポンチキ」です。

敦賀における人道の歴史を多くの人に知ってほしいという思いで、今なお交流が続くポーランドのソウルフードをアレンジしました。

彼らの熱意で生まれ、地元ベーカリーとの協同で商品化した「敦賀ポンチキ」は、その本格的なおいしさとともに新たな名物として注目を集めています。

 

PACZKI・ポンチキとは?

「脂の木曜日」には国全体で約1億個のポンチキが消費されるといいます©M.Cieszewski/Poland.pl

16世紀にポーランドで生まれた穴のないドーナツで、中にバラのジャムなどが入っています。

生地に練りこんだスピリタス(酒)が揚げるときに揮発するので、中まで油が浸み込まず軽やかな食感に。

 

毎年2月には1年の幸せを願ってポンチキをお腹いっぱい食べる祝祭日「脂の木曜日」があります。

現地の発音に近いのは「ポンチュキ」で、「つぼみちゃんたち」という意味。

 

敦賀ポンチキ誕生秘話

地元を愛し、より魅力を高めるために活動する敦賀高校創生部

「敦賀ポンチキ」発案者である3年生に誕生秘話をインタビューしました。

元部長の橋本龍之介さん、丸谷亮仁さん、加藤竜一さん(ともに3年生)

おいしいドーナツから敦賀の歴史を知ってほしい。

編集部(以下、編)
「敦賀ポンチキ」が生まれたきっかけを教えてください。

加藤さん(以下、加)
「人道の港 敦賀ムゼウム」でガイドの活動を行う中で、いろんな人に敦賀とポーランドの歴史に興味を持ってもらいたいと考えていました。そんなとき、顧問の先生がポンチキを手に入れてきてくれたんです。

丸谷さん(以下、丸)
皆が楽しそうに食べている様子に、「食」が興味のきっかけになるのでは、という声が挙がりました。ポンチキはポーランド発だし、万人受けするドーナツなら、ばっちりだと。

橋本さん(以下、橋)
それが2022年の11月。動画を見ながら調理室で作ってみたのですが、最初は「これはポンチキですか・・・?」っていう状態で。

 丸 
サーターアンダギーかと思った(笑)

 加 
アルコール度数の高いお酒だとイースト菌が働かなかったのか、発酵ができていなかった。
何度も試行錯誤し、牛乳と酒を混ぜて生地に練りこむ方法で成功しました。これは創生部オリジナルかも。

 橋 
2023年2月には「脂の土曜日」というイベントを開催して「敦賀ポンチキ」を販売しました。80個が1時間半で完売!
売上金をウクライナ避難民に寄付したんです。

部員と先生で何度も試作をくり返します

 編 
実際現地にも行ったそうですね。

 加 
昨夏、敦賀市が支援するポーランド研修に行きました。歴史を学ぶ中で、ポンチキ専門店にも行きましたよ。

 丸 
現地のポンチキはハンバーガーみたいに大きく、砂糖が浸みて甘々でした。バラジャムもおいしかったけど、日本人の嗜好には合わないかもと思い、「敦賀ポンチキ」はなじみ深いクリームやジャムにしようと決めたんです。

現地のポンチキは特大!

 編 
帰国後、すぐに商品化に取り掛かったんですか?

 橋 
はい、敦賀に来る観光客にも食べてほしいと思い、かつて駅前の「otta(オッタ)」 に出店していた「BAKERYS+」さんに協力をお願いしました。

 加 
まず「敦賀の新名物開発プラン」としてプレゼンを行い、食べ歩きできる点、「ミスド」が多い福井は屈指のドーナツ県だという点をアピールしました。

 橋 
プレゼンを受けて、「ぜひやりましょう」と言ってくれて。
秘伝のレシピを共有して、ベーカリーならではの視点で材料などを提案してもらい、一緒に商品化を進め、今年3月に販売を開始しました。

 丸 
今のポンチキは食べごたえがあるのに重くならないちょうどいいサイズ。5種の味は、どれも自信作です。

 

 橋 
ポーランドと敦賀は離れているけれど、今も交流が続いています。「敦賀ポンチキ」を通じて身近に感じてほしいですね。
そして、歴史を知りに「敦賀ムゼウム」にも足を運んでもらえたらと思います。

 丸 
敦賀でドーナツといえば「ポンチキ」と言われるようになってほしいですね!

 

BAKERYS+(ベーカリーズプラス)で「敦賀ポンチキ」販売中!

\話を聞いたのは/

BAKERYS+本店 松村歩花(あゆか)さん

創生部の思いを届けるため、製作・販売を全面サポート。

「敦賀に貢献したいという気持ち、新しい名物を作ろうとする姿を応援したい」と話すのは、創生部のプレゼンにも参加したBAKERY+スタッフの松村さん。

学生たちが作ったレシピを基に粉の配合や水分量を調整し、何個でも食べられる軽い食感を求めて専用の生地を作成。

ポンチキに必要不可欠な酒は、いろんな種類を試した中で最も香りが引き立ったブランデーを採用しました。

生クリーム、チョコクリーム、イチゴジャム、イチゴクリーム、ブルーベリージャム 各税込300円

2024年3月の発売後も、地元だけでなく県外や国外からの観光客が買いに来るといいます。

「知名度を高め、ポンチキをめがけて敦賀に来てもらうのが目標です!」

\買えるところ/

BAKERYS+

福井県敦賀市市野々町1-714
☎︎0770-47-6929
【営】9:00~売り切れ次第終了
【休】木曜
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※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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