中野編集長 誰が言い出したのか、いつの間にか少年ジャンプのモットーみたいになってますが、そうではないんです。ジャンプという雑誌は、昔からもっと懐が広いものだと僕は考えています。こり固まったテーマを決めず、バラエティに富んだ作品がいろいろ載っていればいい。ただ、若い少年たちの世代が心から面白いと思うもの、少年たちにぶつけたい熱いものが載っている場所ではありたいですね。押し付けではなく、読んだ人がそれぞれ、友情や努力、勝利を感じてくれる作品があればいいと思いますね。
中野編集長 まさにその通り。どんなベテラン漫画家の作品も、読者の人気アンケートの評判が良くなかったら、すぐに掲載順位が後ろに回されていく。連載が存続するかどうかも、それを望む読者の声次第です。ある意味、平等でわかりやすいし、残酷でもありますね。
中野編集長 めちゃくちゃ気にしますよ。届いたアンケートハガキを仕分けして人気の順位を集計するんですが、順位の速報が出たら、ガッツポーズする編集者やら落ち込むやつやら悲喜こもごもですね。作品の内容に関しても、人気投票の結果を見て、ストーリー展開をあわてて軌道修正したりすることもあります。