これからの生き方について、若新さん「キャリア・アップではなく、ゆるくキャリア・ストレッチで。」【若新雄純の変点観測】

これからの生き方について、若新さん「キャリア・アップではなく、ゆるくキャリア・ストレッチで。」【若新雄純の変点観測】

こんにちわ、ふーぽ編集部です!

福井若狭町出身でプロデューサーや大学教員として活動する若新雄純さんに、ふーぽが密着する『若新雄純の変点観測online(オンライン)』。

福井の各メディアで若新さんが放つ、「普通」とは少し違ったスタンスの発言を観測していきます。

第5回は、FM福井の番組「Life is 」内のコーナー「若新雄純のふくいナナメ読み」での変点観測です!

出番の前に、パーソナリティの藤田さんと軽く打ち合わせ。

先日5月12日付の福井新聞。
「市民主役のまち象徴」という見出しで、発足から5年を迎えた鯖江市の「JK課」が取り上げられました。


JK課とは、鯖江市内に住んだり通学をしている女子高生が参加するまりづくりプロジェクト。
ご存知の方も多い事と思いますが、若新さんはこのJK課の仕掛け人だったのです。

「5年も継続できたのは、大人の都合で目標やゴールを決めない
 メンバーたちの自主性に委ねた『ゆるい』という新しいやり方にこだわったからだと思いますね」


と、若新さんは語ります。


従来、行政が行う取り組みでは明確な目標が設定され、
その目標が達成されたかどうかがで取り組みの評価がなされてきました。


それは行政の事業が税金(歳入)という、公共性の高い財源で運営されているため。
そのため、JK課が発足した当初は女子高生たちの自主性に委ねる実験的な手法に批判が集まったという。


「僕たちはこれまでの学校教育の中で、他の人たちや地域の人たちのためになることをするよう教えられてきたけど、
 それだと自由な発想になれないし楽しめない」

「それに結果として地域に貢献できなくても、
 なぜうまくいかなかったのかという知見は得られますよね。発見に価値がある。実験はそれで成功なんですよ」


そう話す若新さんは、はじめから目標やゴールで縛るのではなく、
「自分が楽しむ」という観点で取り組むことの重要性を強調します。


「自分がほしいもの、食べたいものというように、自分が楽しめることを追求すれば、
 意欲も高まるし継続して取り組むモチベーションになりますよね。


福井新聞の記事には「市役所に遊びに行って褒められるって最高」というメンバーの言葉も紹介されていました。


「ひとつには、高校生が市役所に遊びに行くという文化を作りたかったんです。それは成功。
 その中で、結果として地域が喜ぶような取り組みができたらなと思っていました」


実際、JK課はこれまでに多くの実績を残してきたと、若新さんは話します。
例えば地元のスイーツ店とコラボし、自分が食べたいケーキを考案したプロジェクトでは、
商品化以来ずっと店頭に並び続けているヒット商品も生まれました。

放送中のトークは、同じく若新さんが鯖江市役所とともに2015年に行った「ゆるい移住」プロジェクトの話へ。

ゆるい移住は県外から移住希望者を募り、
彼らに住むところを6か月間無償で提供し、鯖江市への移住を体験してもらうという取り組みでした。


そして今年2019年には「ゆるい移住全国版」がスタートすることになっており、
移住希望者の募集も開始されました。
【⇒ゆるい移住全国版の公式HPはこちら】


「この取り組みも、当初から、ゴールや目標をあえて設けなかったんです。
 当時の他地域の取り組みには、
 こうやってねというプログラムを用意しているものが多かったのですが、
 移住できる場所や空間だけを用意する方が移住が進むのではと思いついたんです。


ゆるい移住のスタンスは、「鯖江にいる間は何をしてもよい」という、ゆるいもの
目的もないのに人が集まるのか、という批判もありましたが、
結果として15名が参加し6人が福井に残ることに。


「人生の中で立ち止まって寄り道をし、
 いままで知らなかった自分の可能性を発見したいという
 キャリアストレッチの機会を求めている人が集まったと思いますね。」


従来言われてきたキャリアアップとは違う新しい考え方。
「こうすれば人生うまくいく」という方程式が今後もうまくいくとは限らない時代にあって、

寄り道小さな失敗を受け入れ、
 人生の意味や自分の可能性を見つめ直せる機会を用意することが、
 これから必要になってくるでしょう。」

「ゆるい×実験で人生をストレッチする」。ゆるキャラのラプトくんは、もはやこの番組の準レギュラー。

放送終了後には、「キャリアストレッチ」について詳しく語ります。


「スポーツの分野でいうストレッチは、身体の可動範囲を広げるもの。
 それと同じ感じで、人生の可動範囲を広げるのがキャリアストレッチ。」


キャリアストレッチの背後には、
「人生は万全に計画できない」という考え方があるとも、若新さんは言います。


「戦後や高度経済成長の時代、人生における最良のプランみたいなものは計画できると考えられてきましたが、
 変化の激しい現代では、そういったものが必ずしも人を幸せにする保証はどこにもない。


筋トレをして筋肉を鍛えるように、
資格取得で給料アップや昇格を目指すキャリアアップ的な考え方も大事だけれども

「こっちもおもしろそうとか、自分の興味の赴くままに
 実験を繰りかえし、新たな知見や体験、自分の可能性を発見していくことが、
 人生の納得感に繋がっていくと思いますね。



今回の変点観測、いかがだったでしょうか?
キャリアストレッチは、編集部Kもまだ知らない言葉でしたね。


人生における最良プランは計画できる、とこれまで思われていたと若新さんが話していましたが、
それって裏を返せば、「社会はこういう風に変わっていく、動いていく」と、
予想できているとみんな思ってたということではないでしょうか?

 

僕が中学生くらいの時には、人工知能はプロの棋士に勝てないと、
将棋界ではいわれていました(一部を除く)が、いまでは棋士を脅かす存在になっています。
そういった感じで、これまで人間の予想が外れた歴史なんていくらでもあるもの。


予期していないことが起こったときにあたふたしないよう、
人生の中で実験を繰り返し、経験と知見、可能性の発見を得て、
人生の可動域を広げていくことも大切でしょう。


「社会は変化していく」というスタンスを受け入れるのであれば、
「ちゃんとした仕事について、定年まで勤めあげる」みたいな、
これまで安定と思われてきたやり方に従うこと自体、
リスクのある賭けに乗っかっているということになるんだと、僕は思います。

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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