放送終了後もトークは続きました。
トップダウン型であり、「スピーディ」で「堅実」という評価をされてきた西川氏の県政については、成長が重要視されたこれまでの時代には必要なものだったと若新さんはいいます。
「トップダウン型だと、『これが正解だ!』ってトップが指し示すから決断も速いし、明確な数値目標を設定するので達成度合いも目に見えやすい。
県民主役の政策は、多様性を認めていく素晴らしいスタンスだけど、放送中にも言ったように大変さもある。
多様性っていうのは『答えがひとつじゃない』ってことで、ひとりひとりが個別に納得できる答えを探していかないといけない。当然、議論や試行錯誤を重ねていくことが必要になる。
高校の指導要領が改訂され、2022年から『探究』という科目が設けられることに象徴されるように、手っ取り早く答えを誰かに求めるのではなく、じっくり考えて自分なりの『納得解』を見つけられる能力が、これからの時代には求められるでしょう」
※「探究」「探究学習」とは
文部科学省の資料によると「問題解決的な活動が発展的に繰り返される探究的な学習」のこと。自ら課題を設定し、「情報取集・分析」、「まとめ・表現」という過程を通じて、その課題に対する解答を見つけていく学習のこと。高校には2022年から科目として導入予定。
【⇒文科省発表の高等学校学習指導要領はこちら】
(本記事は実際の放送をもとに再構成しています)
今回の「変点観測」はいかがだったでしょうか?
若新さんの話を聞いて、ふーぽ編集部が思ったのは
「知事に対する評価の仕方は、これまでどおりにはいかない」
ということ。
上でも数値目標について触れましたが、因果関係を特定したりという大変さはあるものの、
数値化された評価基準というのは、その政策や事業がうまくいったのかを判断するためにとても大切なものです。
でも、「県民それぞれの幸せ」というひとりひとりで捉え方が違うものが実現できたのかというのは、
これまで使われてきた指標のように数値で判断するのは難しい。
県民主役においては、トップに対する新しい評価方法が必要になるでしょう。
だからと言って、例えばECサイトのレビューのように「知事いいね!」と思っている人の割合だけに注目するのも、何か違うと思います。(例えば、知事選の得票率で評価する等)
ある政策が経済や社会に影響をおよぼすのは、一朝一夕で起きることではありません。
時には10年、20年、もしかしたら半世紀必要かもしれません。
そういった中で数値目標は、長期的な視点での政策のかじ取りも担ってきました。
一方で、僕たちはそんな先のことまで考えられるでしょうか?
1年後の車検のことや1か月後の税金の支払い、目の前の仕事。
僕らは短いスパンのものごとに追われがちです。
具体的なことはまだわかりませんが、
「自分たちにとっての幸せとは何か」をそれぞれが考えつつ、
「今お金がある」、「今手に職がある」といった短期的視点だけではない、
「どのような社会になれば自分たちの幸せを実現できるか」という長期的な視点で
トップの政策を見つめていかないといけない、ということだと考えます。