実は「越前和紙」だけじゃない! 福井の和紙の基礎知識をおさらいしてみよう。

実は「越前和紙」だけじゃない! 福井の和紙の基礎知識をおさらいしてみよう。

言わずと知れた、福井県越前市は日本一の紙漉きの産地。この地で製造されている「越前和紙」は、およそ1500年の歴史があるといわれます。

しかし、その越前和紙がどう作られているのかよく知らないという人も少なくないようです。

さらに! 福井県内には「越前和紙」以外にも和紙の産地があるなんてことはあまり知られていませんよね。

ということで、ここであらためて、“和紙のイロハ”をたどってみましょう。

 

福井県には和紙の産地がなんと3つも!

実は、福井県内で作られている和紙は越前和紙だけじゃないんです。はるか昔からの技術を受け継ぎ、その土地でしっかりと息づいている3つの和紙をご紹介します。


①越前和紙 
産地:越前市(旧今立町)五箇地区(不老・大滝・岩本・新在家・定友)

紙の神様・川上御前が祀られる「紙祖神 岡太(おかもと)神社・大瀧神社」(越前市大滝町)。国の重要文化財に指定されています。

発祥については伝説が残っており、約1500年前の越前出身の継体天皇の時代、現在の越前市今立にある五箇地区を流れる岡太川の上流から美しい姫(川上御前)が現われて、貧しい村人たちに紙漉きを教えたといわれます。

長く続く伝統に支えられた、最高の品質と技術が越前和紙の特徴です。奈良時代の正倉院文書の中には「越前の紙」を重宝したという記述が見られます。その後の歴史の中で、公家・武家の公文書や写経用紙のほか、浮世絵や日本画など芸術作品にも用いられました。


②若狭和紙 
産地:小浜市中名田地区(田村・和多田村・三重村深野)

「若狭和紙の家」(小浜市遠敷4丁目)では、紙漉き職人のオーナー自ら染色・加工した和紙や和紙小物類を販売しています。

平安時代の書物「延喜式」には、若狭について「紙を漉く国、原料を産する国」と記してあり、ここで作っていた和紙を「若狭和紙」朝廷に納めていたそうです。江戸時代には小浜藩主・酒井忠勝が、原料である楮、三椏の栽培を奨励したことで大きく躍進しました。

丈夫さが特徴といわれる若狭和紙は、和傘、障子紙、襖紙などに長く使用されていました。後継者不足に悩みながらも、今もその技術は受け継がれています。

③穴馬和紙 
産地:大野市和泉地区(下山・上大納・川合)

大野市和泉地区に伝わる和紙です。起源は明らかではないですが、江戸時代には年貢の返済に代用したり、岐阜八幡の商人が買い付けに来たと伝わります。

水に強く破れにくいのが特徴で、障子紙や帳簿に重用されました。

現在、専業の職人はいませんが、地区の伝承者によって技術が受け継がれています。


和紙の原料って、見たことありますか?

越前和紙をはじめとする和紙の原料となるのは 木の皮(白皮)の繊維と、そこに混ぜる「ネリ」と呼ばれる植物性の粘着液です。


白皮の原料となる主要植物がこちら

楮(コウゾ)
クワ科の落葉低木。繊維は太く長く強靭なので、幅広い用途の和紙の原料として最も多く使用されます。

三椏(ミツマタ)
ジンチョウゲ科の落葉低木。繊維は柔軟で細くて光沢があるので印刷向き。紙幣の原料として主に使用されます。

雁皮(ガンピ)
ジンチョウゲ科の落葉低木。繊維は細くて短い。近年は需要が減少。金・銀箔を打ちのばす箔打ち紙等に使用されます。
         

▼以上の植物からとれるのが原料繊維の白皮です!▼

原木を切り取ったら蒸して柔らかくし、皮を剥ぐ。はいだ皮(黒皮)の黒い表皮を削り取ったもの(白皮)が和紙作りに使用されます。



そして、白皮と混ぜる粘着剤となるのがネリです!

主にトロロアオイという植物を使用します。根をつぶして水に浸けると粘度のある液(ネリ)ができます。

これを濾過したものを原料繊維と水に混ぜることにより、適度な粘り気ができ、紙漉きの際に繊維が簡単に沈まず漉きやすくなります。

そのうえ繊維をむらなく水中に分散させることができ、美しい紙が漉けるのです。

 

和紙の製造工程も知っておこう!

昔からずっと変わらない和紙の製造方法を、イラストとともにご紹介しましょう。

①煮沸

原料となる楮などの白皮を、アルカリ性の灰汁やソーダ灰などを加えた釜の中で煮沸し、紙に必要な繊維素以外の不純物を溶かします。


②ちりとり

煮沸した皮を水洗いし、溶け出した不純物を洗い流します。それでも皮に混ざる小さな塵や傷跡、芽跡は一つ一つ手作業で取り除きます。


③叩解

皮の繊維を柔らかくほぐすため、木槌や機械を使用して叩きます。これにより引っ張りや破れに強い丈夫な紙ができるんです。


④紙漉き

漉き舟に水を張り、叩いた皮とネリを混ぜ合わせた紙料を簀桁(すけた)ですくい上げ、適度な厚さになるまで前後にゆすります。


⑤圧搾

水分を含んだままの紙を重ねて置き、機械を使用して紙の形を損なわないようにゆっくりと圧力をかけて水分をしぼりとります。


⑥乾燥

半乾きの紙を板にシワなく貼り付けて、天日もしくは乾燥室で乾燥させます。

その後、紙を選別し、断裁、包装されて、やっと使う人の手に渡るのです。

 



長い歴史のなかで多くの人に愛され、今でも手作業からなるいくつもの工程を経て私たちの暮らしを彩ってくれる和紙。

大量生産の用紙とは異なり独特の風合いや気品があることに加え、通気性や伸縮性に富み、丈夫で軽いのが和紙の特徴です。

ぜひ実際に見て、触れて、和紙の魅力にもっと触れてみてくださいね。

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