越前市にある創業107年のみそ蔵「マルカワみそ」。昔ながらの木桶製法と想いを伺いました。

越前市にある創業107年のみそ蔵「マルカワみそ」。昔ながらの木桶製法と想いを伺いました。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

今回は昔ながらの木桶製法でみそ作りを続ける、創業107年を迎える越前市「マルカワみそ」へ

その手法と想い、SNSを駆使した広報活動などについて伺いました。

自然に寄り添う昔ながらのみそ作り

蔵の中に足を踏み入れると、どっしりと風格のある木桶が所狭しと並んでいました。

ひんやりとした空気の中、香ばしい麹の香りとともに木の香が鼻をかすめる。

新しくて20年、一番古いものは100年。人間の寿命と同じで、大切に使えば長持ちするんですよ」 と「マルカワみそ」の河崎紘徳(ひろのり)さん。

定期的に木桶の中のみその様子を覗き、色や香り、風味などを細かく確認します


吉野杉やヒノキアスナロで作られた木桶は醤油屋から譲り受けたものが多く、修理に出しながら使い継いでいます。

その数70本。桶ごとに米みそをはじめ、豆みそや麦みそなどが仕込まれ、静かに熟成の時を待っていました。

 

越前市にある「マルカワみそ」は昔ながらの木桶製法でみそ造りを続けています。

「うちはすべてのみそを、蔵の中で採取した4種類の種麹菌で作っています。木桶で仕込むと内側にその菌が定着し、みその塩分を吸って腐敗しにくくなるんです」と河崎さんは教えてくれました。

熟成間近のみそをすくって確認。シャベルで掘り起こし、上下を返す作業も行います


みそはステンレスタンクでの製造が主流となっていますが、「マルカワみそ」では創業107年目を迎える今も、 木桶製法を大切に守り続けています。

加温はせず、10カ月間熟成させるため、仕込みは年に1度

製造できる量は150トンまでで、木桶の洗浄やメンテナンスには手間や時間、費用がかかります。

「なんでわざわざその方法を?とよく聞かれますが、答えは 『美味しいから』。ただそれだけなんです」と河崎さんは笑います。

しかしその目の奥は、真剣です。

「みそは人間が造るものではないんです。麹菌が化学反応によってアミノ酸や糖に分解され、旨味を生み出す。そして寒暖差の激しい日本の四季を経て、じっくりと醸造させることで、力強い味になる。自然が生み出したみその風味を味わってもらいたくて、天然醸造にこだわっています」。

木桶の中を覗かせてもらうと、みそはこっくりと深い茶色に染まり、蔵から出る日が近いことを物語っていました。

室の中で発酵させ「花」がつき始めた麦麹。次第に緑色に色づいていきます


「マルカワみそ」のこだわりは、原料にまで及びます。

米や大豆、麦は国産で無農薬、無化学肥料で栽培されたものを契約農家から仕入れます。

水は地下水を汲み上げ、塩は天日塩を用いています。

また、自社農場で米や大豆の栽培もおこなっています。

 

しかし有機みそは値段が張ることもあり、広く市場に出回りにくいのが現状です。

5人に1人が糖尿病になる時代。日本人の食卓に欠かせないみそを通じて、一人でも多くの人に健康になってほしい。その一心で時代に逆行しながら(笑)、コツコツと作り続けています

ヴィバルディの「四季」を聴かせて発酵させるみそも

パッケージングは手作業。一つ一つ丁寧に

 

 

「みそチューバー」として次世代に伝え継ぐ。

昔ながらの製法を頑なに守る一方、河崎さんはSNSを駆使しながら「みそチューバー」として広報活動に勤しんでいます。

【⇒マルカワみそ『みそチャンネル』

「20〜30代の世代の“みそ離れは深刻です。朝食はパンの家庭が多くなり、みそ汁の作り方を知らない人が多いようです。動画なら興味を持ってもらえるかもと始めましたが、反響が大きくて驚いています」。

家で熟成させる仕込み済みのみそも量り売りしています。カビ対策などのアフターケアも行っています


また、毎月開催する「オンライン手作りみそ作り教室」も人気を集めるほか、東京・千葉・埼玉などのカルチャーセンターで定期的にみそ作りの講師を勤めています。

核家族が増え、世代から世代へ家庭のみその味を伝える日本の文化が廃れかけています。ぜひ手作りして、“我が家のみその味を楽しんでもらいたいですね

 

志は高く、垣根は低く。

みそから始まる幸せの輪は、これからも広く、長く、繋がっていきます。

 

有機みそ ヴィバルディ」クラシックを聴かせて熟成。麹の甘みたっぷり。600g税込1,200円

有機みそ 麦みそ」希少な国産の有機大麦を使用した甘口みそ。600g税込1,134円

有機みそ 日本」伝統のレシピで仕込んだ辛口のみそ。600g税込1,167円

マルカワみそ

福井県越前市杉崎町12-62
☎︎0778-27-2111
【営】8:30~17:30
【休】第2・4土曜、日祝
Instagram
ホームページ

 


いかがでしたか? 

 

なかなか足を踏み入れることのない“みそ蔵”。

思いのこもったみそだからこそ、味わい深いのかもしれませんね♪

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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