越前市にある木津屋の名物菓子「ブランデーケーキ」。長く愛される理由とその物語を紹介します。

越前市にある木津屋の名物菓子「ブランデーケーキ」。長く愛される理由とその物語を紹介します。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

越前市「木津屋(きづや)」で35年のロングセラーを誇る名物菓子、ブランデーケーキ。

長く愛される理由と、その物語を訪ねました。

何度も試作を繰り返してたどり着いた、大切なレシピ。

シンプルさに込められた焼き菓子の品格。

二代目の木津寛幸さん(左)は81歳。毎朝寛喜さん(右)とともに早朝から厨房に立つ


銀紙に包まれた、クラシカルな佇まい。

ブランデーケーキという言葉の響きも優雅で、どこか懐かしささえ感じます。

ブランデーケーキ、チョコケーキ、フルーツケーキの三種類の箱詰めも。税込2,300円(箱入)


「日本で売り出されたのはここ40年くらい。うちも35年目なので、そんなに古くはないんですよ」と三代目店主の木津寛喜さんは話します。

「自分が高校生の頃、親父が試作を始めたんですが、うまく膨らまなかったものは部活のおやつに持っていき、ずいぶんと喜ばれましたね。今ではいい思い出です」

 


1924年創業の木津屋はもともと和菓子店だったが、二代目の寛幸さんは洋菓子ブームの潮流の中、何か店の看板になる洋菓子を作ろうと一念発起。

長崎カステラの技術を生かし、ブランデーケーキの製作に取り掛かります。

 

「添加物を混ぜればいくらでも膨らみます。でも大切なのは素材。粉の中に空気を残す手法を繰り返し模索しました」。

その年月はなんと約5年。

焼き上がったブランデーケーキにナイフを入れる寛幸さん


通常のブランデーケーキは焼き上げたケーキにブランデーを染み込ませる手法が主流ですが、寛幸さんは生地に入れ込んで焼く、独自のレシピを編み出しました。

「長年の勘と技術によるもの。機械には頼りません」。

 

三代の頃からの縁で毎年、東京・明治神宮の新嘗祭に菓子を献上。ブランデーケーキも奉納された経歴を持つ

カットされたブランデーケーキは熱を冷まして寝かせる。厨房には甘い香りがいっぱいに広がる


毎週月曜と水曜がブランデーケーキを焼く日。

午前4時過ぎにオーブンに入れ、朝日が昇る頃には焼き上がります。

 

冷まして一週間寝かせてから店頭に並べるが、本当の食べ頃はさらに一ヵ月後だといいます。

「その時分にようやくバターの香りが立ち始める。良いバターを使っているからこその変化なんです」と寛喜さん。

ほのかなブランデーの香りとバターのコク。

口に入れると雪のように溶け、食べ終わる頃にはもう一切れ欲しくなります。


シンプルな焼き菓子だからこそ、素材の良さと、作り手の想いが真っ直ぐに伝わってきます。

「作る方も嘘がつけない。だからこそ、食べる方も本当に美味しいお菓子とは何かを、知っていただきたいですね」。

寛幸さんの真摯な言葉に、ロングセラーの矜持を垣間見たのでした。

店内には和洋合わせて常時58種類の菓子が並ぶ

菓匠 木津屋(かしょうきづや)

福井県越前市国府1-10-19
☎0778-22-1313
【営】9:00~18:15(日・祝は17:00まで)
【休】不定休

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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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