きらびやかな江戸絵画の世界に浸る「初公開 犬追物図屏風と江戸絵画名品展」が福井県立美術館で12/20(日)まで開催中!!

きらびやかな江戸絵画の世界に浸る「初公開 犬追物図屏風と江戸絵画名品展」が福井県立美術館で12/20(日)まで開催中!!

こんにちは、ふーぽ編集部のMKです。

めっきり寒くなった今日この頃。

温かい美術館で、しっぽりと江戸絵画をたしなみませんか。

2020年12月20日(日)まで福井県立美術館で
「初公開 犬追物(いぬおうもの)図屏風と江戸絵画名品展」が好評開催中。

武士の馬術と弓術の鍛錬として行われた
「犬追物」を描いた金色の屏風絵や、

“浮世絵の始祖”と評される岩佐又兵衛
あの葛飾北斎まで、

江戸絵画の名品を堪能できる展覧会です。

\展覧会の詳しい情報はこちらをcheck!/

会場に入ると最初に目に飛び込んでくるのが、こちら。

今展の目玉である《犬追物図屏風》です。
やはり一番人気! たくさんの方がご覧になっています。


こちらの屏風は、

◆ 春の「犬追物」を描いた福井県立美術館所蔵の右隻

◆ 秋を描いた兵庫県・尼崎市立歴史博物館所蔵の左隻

で一対になっています。


土佐派の手による「犬追物」を描いた六曲一双の屏風絵で

現存するのはこの展示作品のみなんだそう!

そして、この屏風・・・。
長らく離れ離れになっていた右隻と左隻が、奇跡の再会を果たしたという裏話が!

何でも、福井県美が今年3月に右隻となる《犬追物図屏風》を所蔵したのをきっかけに、調査を開始。

類品とみられていた尼崎市立歴史博物館所蔵の《犬追物図屏風》が、同じ作者または工房が手掛けた左隻だと分かったのだそう! パチパチパチ♪

ロマンを感じずにはいられません!

 

そんなストーリーもふまえつつ見ると感慨深く、より「犬追物」の世界を楽しめますよ。

《犬追物図屏風(福井本)》福井県立美術館


それでは、ずずいと近寄って見てみます!

ところで、「犬追物」って何? と言いますと。

ずばり、弓術と馬術の鍛錬を目的とし、疾走する犬を馬上から射る武家の競技、です。

簡単に競技の内容を紹介します。

《犬追物図屏風(福井本)》(部分)福井県立美術館

 

【犬追物とは】

 約160m四方の竹垣や土手で囲まれた馬場の中央に、大縄・小縄と呼ばれる大小二つの円がめぐらされています。

射手は12人で3回行われます。

1回につき50匹の犬が放たれ、大縄を越えようとするところを、大縄の外にならぶ騎乗の射手が射掛けます。これが「縄の犬」。

続いて、大縄の外に逃れた犬を追いかけて射る「外の犬」の2つの種目に分かれています。

これらを繰り返し行い、射当てた矢所や矢数で加算されるポイントで競い合います。

 

見物客もたくさん描かれています。

学芸員の戸田さんは、
「大迫力の画面を近くで見ていると、自分も見物客の一員のように感じられますよ」とのこと。

確かに、何だか自分も参加しているような錯覚に \わくわく/ してきます。

《蟇目簳(ひきめやがら)》越葵文庫


ところで、射られる犬がかわいそう…って思いますよね(泣)。

でもご安心を。
「犬を傷つけない」のもルールなんだそう。

矢は金属製の鏃(やじり)ではなく、ホウやキリなど軽い木材を付けた、“傷つけない仕様”になっています。

さらに矢を当ててもいい場所も決まっていて、頭や尾はNGだったというから、一安心ですね♡

松本正則《円散文螺鈿鞍》越前市・大塩八幡宮


会場には、こんな美しい一品も。

光沢性のある貝殻を切り抜いてはめこむ「螺鈿(らでん)」で装飾された馬の鞍。

少し離れたところから、見るとより美しくきらめきます♪

狩野安信《竹虎図屏風》奈良県・浄福寺


続いてMKが目を奪われたのは、《竹虎図屏風》

作者は、安土桃山時代の高名な絵師、狩野永徳の孫で江戸幕府お抱えの奥絵師、狩野安信(かのうやすのぶ)

展覧会では珍しい、“露出展示”なので、色や質感などを間近で感じられますよ

戸田さん曰く、「設置されたベンチに座ってみるのがおすすめ」とのこと。

狩野安信《竹虎図屏風》奈良県・浄福寺


座って見てみると・・・。

本当に大迫力!!
今にも屏風から飛び出してきそうです。

一休さんのとんち話「屏風の虎」を思い出しました。

 

 

他にも、かの葛飾北斎の《杣人春秋山水図》や、岩佐又兵衛の《花見遊楽図屏風》など、見どころがたくさん!

葛飾北斎《杣人春秋山水図》福井県立美術館


北斎の《杣人春秋山水図》は、版画ではなく、貴重な肉筆画

中央に杣人(きこり)の親子、右が春、左が秋の山漁村の景色が描かれています。

「描写は緻密でいて、奇抜な構成が北斎ならでは。絹に描かれた美しい彩色をじっくり鑑賞してください」(戸田さん)。

 

岩佐又兵衛《花見遊楽図屏風》個人蔵


また、「奇想の画家」と呼ばれた岩佐又兵衛の作品も、必見。

福井藩主 松平忠直の招きによって40歳~60歳頃まで越前北ノ庄にいた又兵衛。

《花見遊楽図屏風》は、小さいひな屏風でありながら、美しく濃密な絵で、又兵衛が描く風俗画の三大傑作のひとつといわれています。

この展示が終われば、非公開になるとのことなので、お見逃しなく!!




いかがでしたか?

この冬は、江戸絵画の世界にどっぷり浸る休日も粋です♡

担当学芸員の戸田さんによるギャラリートークが面白くてためになるので、ぜひ参加をおすすめします!

【学芸員によるギャラリートーク】
12月5日(土)、12日(土)14:00から。
※申込不要・要観覧券・先着20名

初公開 犬追物図屏風と江戸絵画名品展

【日時】
2020年11月23日(月・祝) ~ 2020年12月20(日)
9:00~17:00(入場は16:30まで)
【会場】福井県立美術館
福井県福井市文京3丁目16-1
☎0776-25-0452
【観覧料】
一般・大学生  500円
高校生     200円
小・中生    100円
(20名以上の団体は2割引)
※障がい者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は半額

▼詳細はこちら
https://fupo.jp/event/inuoumonozubyoubu/

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

MK
writer : MK

「おいしいものしか食べたくない」がテーマ。
主に、ふくいの食べもの、飲みもの、うつわ(職人)について書いてます。ときどき、オシャレもしたくなります。
エジプトと古墳時代、ジブリも好きです。県内のアート情報にも目を光らせています。

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