先日、フジテレビの「亀梨和也の丁寧男子~10人大家族の部屋大改造SP~」というバラエティ番組に出演した。
Travis Japanの七五三掛龍也さんとタイムマシーン3号の山本浩司さんという料理やインテリアにも一家言ある二人と、大家族の住む家を「丁寧な暮らしの空間」に改造する、という内容だ。
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二人はロケ中、少し離れたところにいるディレクターからの指示を視界の端で捉えて、自然なフリートークへと落とし込んでいく。
その姿はあまりにもさりげない。
一方、慣れない僕は「丁寧な暮らし」を説明するだけで精いっぱい。
次に何を話すか頭の中ではいくつもの心配が渋滞していた。
それでも二人は僕の話から面白いところをすっと拾い、ふくらませ、次へとつないでくれる。
さすがだ。
しかもカメラが止まった休憩中も、慣れない僕に気さくに声をかけてくれた。
これぞ本当の「丁寧男子」だ。
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さて、そんな番組で僕に与えられた役割は「丁寧男子のフロントランナー」。
男子という年齢かどうかはひとまず置いておくとして、ある調査によれば、二十代を中心に、およそ六割が「丁寧な暮らし」に憧れているという。
SNSで検索すれば、そんな美しい風景がいくらでも現れる。
もちろん僕も嫌いではない。
けれど、それは誰かに見てもらうために切り取られた一瞬であり、暮らしのすべてではない。
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テレビのフリートークも同じだ。
自然に見える会話の裏で、演者は流れを読み、気を配り、いくつものことを同時に考えている。
見えているのは、整えられた部分だけなのだ。
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では、カメラの回っていない僕の暮らしはどうだろう。
朝、目を覚ますと、犬が散歩を待ち、猫たちがごはんを催促。
水を替え、トイレを片づけ、洗濯機を回す。
途中で仕事の連絡が入り、返事を書いているうちに、次の仕事の連絡が。
家事に、仕事に、犬に、猫に追われる日々。
あれ? これって丁寧な暮らし?
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丁寧な暮らしとは、見た目を美しく整えることではない。
例えば、食事のときには、味や香りをきちんと感じる。
靴ひもを締めるときは指先に意識を集中させる。
犬の散歩のときには、空の色や風のにおいを感じ、隣を歩く足音に注意を払う。
そんなことではないだろうか。
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僕たちは、「今」やっていることをろくに感じないまま、「次」にやることへ思いを馳せている。
体はここにいるのに、心はいつも少し先を走っているのだ。
大切なのは「今」目の前にある景色や流れている時間に意識を向けること。
少し立ち止まって、深呼吸することだ。
忙しい毎日をゆっくりにすることはできないかもしれない。
それでも、今この瞬間を置き去りにしないことなら、誰にだってできる。
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丁寧な暮らしとは、時間をたっぷり使うことではない。
今、自分がしていることに、心をきちんと置いておくことなのだ。