【ふくい100彩ごはん】いつもの献立に大豆をプラスして美味しくヘルシーに♪

【ふくい100彩ごはん】いつもの献立に大豆をプラスして美味しくヘルシーに♪

こんにちは、ふーぽ編集部です。

福井県では、低塩分で野菜を多く使ったヘルシーメニューを「ふくい100彩ごはん」に認証しています。

【⇒ふくい100彩ごはんについて詳しくはこちら

今回は、福井県内でよく食べられている“大豆”を用いた「100彩ごはん」レシピや、大豆の豆知識を紹介します。

大豆づくしの台どころ

気軽に大豆料理を毎日の献立に取り入れて。

永平寺町産の食材でお惣菜を作る「ハンドメイド風ふう」の代表・森塚 美智子さんの台所で、大豆をうまく取り入れるための工夫を教わりました。

\教えてくれた人/

森塚 美智子さん

永平寺町産「ハンドメイド風ふう」の代表。
地元食材を使った惣菜やお弁当、調理みそなどを製造・販売する。

この日のメインは永平寺町で採れた野菜とサクラマス、そして打ち豆と豆乳を入れた具沢山の粕汁。酒粕はフードプロセッサーで砕けば時短に


永平寺町に暮らす森塚さんは、仕事で農家と関わることが多いことから、普段の食事も地元食材が中心。

毎日一品は大豆を使った料理を取り入れています。

「タンパク質が豊富で、よく噛むから体に良いと思って」と話す森塚さん。

料理に打ち豆を入れたり、作り置きの煮豆をプラスしたりと、無理なく大豆を取り入れるための工夫を欠かしません。

地元農家手作りの打ち豆を買い置きし、煮物や汁物にプラス。手作業ならではの薄さで火も通りやすい

煮豆は作り置きしていつも冷蔵庫にストック。毎日一品でも食卓に並べることを心がけているそう


冷蔵庫に常備する煮豆は、食感を楽しむため少し固めに煮る
のが森塚さん流。

大豆のほっくりとした食感と、優しい甘味が口の中に広がります。

 

また、森塚さんの煮豆は町内の直売所「れんげの里」で販売もされています。

野菜中心の食卓。煮豆や粕汁のほか、なますにも油揚げを入れるなど、豆づくしで食べ応えも◎


「料理する時間がない人も、お惣菜などで手軽に大豆を取り入れてもらえたら。豆の味が苦手なら豆腐や油揚げもおすすめです。」

 

手軽に味わえるように加工品や惣菜で大豆を取り入れるのが、健康への第一歩です。

 

 

大豆よもやま手帖

古くから精進料理などで食べられてきた大豆とその加工品。

知っておきたい大豆の栄養や豆知識、福井に根付く郷土料理を教えてもらいました。

\教えてくれた人/

堂下 雅晴さん

福井市の「ごーる堂」の代表兼「福井の大豆な会」の代表。
呉汁に使う生大豆粉や豆乳を使用したソフトクリームなどを製造・販売。

いろんな食品に変身する小さなスーパーフード。

大豆は、豆そのもの以外にも多くの食品に加工されていて、私たちの食生活には欠かせない穀物です。

栄養が豊富な上に乾燥させれば長期貯蔵が可能で、世界中で栽培されています。

日本では稲作文化とともに、縄文後期から大豆を栽培されてきたとされます。

かつては炒り豆や煮豆として食べられ、奈良時代の「大宝律令(たいほうりつりょう)」には大豆を原料とする醤(ひしお)や鼓(し)など、醤油や味噌の原型となる加工品が登場。

現在では調味料をはじめ、納豆、豆腐など多彩な加工食品が食卓に並ぶほか、健康や環境の面からも注目されています。

 

サステナブルな食材として注目

大豆は肉や魚に劣らないくらいタンパク質を多く含み、栄養が豊富

痩せた土地でも育ちやすく、その上、根粒菌と呼ばれるバクテリアが土壌の栄養を維持すると言われているため、近年サステナブル(持続可能)な食材として世界中で生産されています。

成長や加工によって多くの食品に姿を変えるだけでなく、近年は大豆ミートなど、肉の代用品としても、需要が高まっています。

 

 

生の大豆は食べられない?

大豆は鳥などの外敵から身を守るため、強い臭いと内臓の働きを阻害する酵素などを持っています。

そのため生で食べると中毒症状を引き起こすので、十分に火を通す必要があります。

加熱することで毒性が無くなり、香りも良くなります。

乾燥させれば長期保存が可能ですが、水分量が多いため乾燥作業には日数が必要

食べられるまで、実はかなり手間がかかっているのです。

 

節分に炒り豆をまくのはなぜ?

日本では古くから穀物に精霊が宿ると言われ、精霊の力で邪気をはらえると信じられていました。

その中で節分の豆まきは、「魔の目を射る」の語呂合わせから、炒り豆をまくスタイルが定着したと考えられています。

また、大豆は11月末に収穫され、乾燥などの工程を経て食べられるのが1月末ごろであることから、節分の時期に豆まきが行われるようになったという説も。

 

大豆の主な栄養

  • タンパク質
    皮膚や筋肉、血液、内臓などを形成し、体を作るのに必要な栄養素のひとつ。
    脳の発達にも大きく影響しています。
  • 食物繊維
    水を吸収してふくらみ、腸の運動を活発にする不溶性と、水に溶けてゲル状になる水溶性があります。
    水溶性は血糖値の上昇をゆるやかにし、腸内細菌の活動をサポートする働きも。
  • 脂質
    体を動かすエネルギー源。
    中でもレシチンと呼ばれるリン脂質は、学習や記憶、睡眠などの脳の働きにも関わっています。
  • 大豆イソフラボン
    女性ホルモン(エストロゲン)と同様の働きをする成分。
    女性らしい丸みのある体作りや、肌を美しく保つ作用があります。
  • サポニン
    活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防ぎます。
    また、悪玉コレステロールの蓄積を抑えて、血流を良くする効果も期待できます。

 

 

大豆を使った福井の郷土料理

古くから生活に根付く大豆の郷土料理

降雪の多い福井では、冬近くに収穫される大豆が貴重なタンパク源となっていました。

魚の保存に大豆粉を使う海沿いでは呉汁、湖の周辺地域ではフナマメなど、その土地の恵みと大豆を組み合わせた料理が家庭料理として根付いています。


また、浄土真宗の「報恩講(ほうおんこう)も福井と大豆の結びつきを深めた要素のひとつ。

浄土真宗の信仰があつい福井では、宗教とともに、報恩講で食べる「報恩講料理」が広がっていきました。

地元の郷土料理が並ぶ報恩講料理の中には、呉汁や油揚げとがんもどきの煮物など、大豆製品が使われた料理が多く、中でも油揚げは肉と同様の満足感を得られることから人気が高まりました。

現在でもその習慣は続いており、福井は「油揚げ王国」と呼ばれることも。


そのままでも、加工しても美味しく、他の食材とも合わせやすい大豆。

これからも福井の食生活を支えてくれるでしょう。

 

呉汁(ごじる)

大豆のふわふわ食感が楽しい。

生大豆粉を水で溶いてペースト状にし、みそ汁などに入れて煮込んだ料理。

大豆のタンパク質と味噌などの塩分が反応して固まり、おぼろ豆腐のようなふわふわ食感に。

昔は海でとれた生魚を大豆粉で包んで保存しており、魚を食べるときに汁物に大豆粉を入れて食べていたことが発祥とされます。

主に越前海岸沿いの地域に根付いた郷土料理です。

 

打ち豆

火が通りやすくなる昔の時短技。

半日水に浸けた生大豆を木槌で打ち、平たくしたもの。

大豆は表面がつるつるしていて火が通りにくいため、火の通りを良くするためにつぶして表面に傷をつけるようになりました

汁物や煮物に入れたり、米と一緒に炊いて食べられることが多いです。

よく乾燥させることで、長期保存も可能

県内のスーパーなどで販売されています。

 

フナマメ

湖の恵みを大豆とともに。

フナを骨ごとぶつ切りにし、大豆と醤油、番茶でじっくり煮込んだ料理

フナの漁期である12~3月に食べられ、主にフナが生息する三方五湖周辺の地域に伝わります。

フナは小骨が多く取り除くのが大変であることから、骨も一緒に食べられるよう、柔らかく煮るようになったと考えられています。

 

(取材協力)カフェ縞 

 

 

お手軽 大豆ごはんレシピ

大豆が大人も子どもも喜ぶメニューに変身。

ふくい100彩ごはん「大豆料理100」の中から料理の幅が広がる3品のレシピを紹介いただきました。

\つくってくれた人/

nishoku

月刊fu連載「一飯三菜のおべんとう」でおなじみ。
素材の美味しさを最大限に生かした、シンプルで安心安全なレシピが人気。

大豆たっぷりミートソーススパゲッティ

材料(6人分・調理時間45分)
・蒸し大豆 150g
・ニンニク 10g
・玉ネギ 200g
・セロリ 60g
・ニンジン 150g
・ひき肉 200g
・マッシュルーム 50g
・トマト缶 1缶
・ケチャップ 大さじ1強
・バター 25g
・塩・こしょう 少々
・固形ブイヨン 1個
・ナツメグ 少々
・中濃ソース 15g
・ローリエ 1枚
・スパゲッティ(乾麺) 480g

【作り方】

① ニンニク、玉ネギ、セロリ、ニンジンをみじん切りにする。

② マッシュルームは薄切り、蒸し大豆1/2を粗みじん切りにする。

③ バターで玉ネギとセロリを炒める。

④ ③にひき肉を入れ、塩・コショウとニンニク、ナツメグを入れる。

⑤ ④にニンジンを加える。

⑥ ⑤にすべての大豆とマッシュルームを加え、トマト缶、ケチャップ、ブイヨン、ローリエで煮込む。

⑦ 中濃ソースを入れひと煮立ちさせる。

⑧ ゆでたパスタとともに皿に盛りつける。

 

【Point】
粗みじん切りとそのままの大豆の二種類を入れることで、食感の違いが楽しめます!

 

豆乳ゼリー

材料(4人分・調理時間10分)

・豆乳 200cc
・きな粉 10g
・角(棒)寒天 5g
・水 400cc
・砂糖 20g
・黒みつ 20g

【作り方】

① 寒天は水でよく洗い、水(分量外)に浸けておく。柔らかくなったら絞って水気を切る。

② 鍋に分量の水と、①の寒天をちぎって入れ、煮溶かす。

③ ②に砂糖、豆乳を入れてよく混ぜ、型に入れて冷ます(調理時間外)

④ 好みの大きさに切って皿に盛り、黒みつときな粉をかける。

【Point】
昔懐かしい和風ゼリー。果物を入れて固めたり、抹茶をかけて食べるのもおすすめです。

 

大豆のヘルシーコロッケ

材料(5人分・調理時間20分)

・ゆで大豆 160g
・豚ひき肉 120g
・玉ネギ 120g
・A【卵 40g、塩 小さじ1/2、こしょう 少々】
・小麦粉 20g
・溶き卵 20g
・パン粉 20g
・揚げ油 適量

【作り方】

① ゆで大豆は汁を切ってポリ袋に入れ、形が少し残るくらいまでつぶす。玉ネギはみじん切りにする。

② ①の袋に豚ひき肉、玉ネギ、Aを入れて粘り気が出るまでしっかりとこねる。

③ ②を5等分して厚さ1.5㎝ほどの楕円形に丸め、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に軽く衣をつける。

④ 170℃くらいに熱した油できつね色になるまで揚げ、油をしっかりきる。

【Point】
コロッケやメンチカツみたいにボリューミー。パンに挟んでも美味しくいただけます。

 

ふくい100彩ごはん「大豆料理100」

福井県では2020年度に県内の栄養士や調理師学校生、食生活改善推進員、お豆腐店から大豆料理のレシピを募集。

その中から、生活習慣病の予防に役立つ厚生労働省の栄養の基準を参考にメニューを100品選定し、公式サイトで紹介しています。

大豆を日々の食事に取り入れて、心も体も整えてみませんか?

 

 

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

ふーぽ編集部
writer : ふーぽ編集部

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