寄り道して歩き回った旅最初の贈り物。【生活芸人・田中佑典のふくい微事記~福井市美山町編~】

寄り道して歩き回った旅最初の贈り物。【生活芸人・田中佑典のふくい微事記~福井市美山町編~】

こんにちは、生活芸人の田中佑典です。

往復約900km。福井県を徒歩で横断する「微遍路(びへんろ)を終え、歩んだ道のりをもとに「微住街道」をマッピング。

街道の途中で出合った出来事を「微事記」として記し紹介します。

今回は【福井市美山町編】です。

【⇒過去の記事一覧はこちらから


田中 佑典
さん

台湾と日本をつなぐプロデューサー。
一定期間地域に滞在し、“ゆるさと”づくりをする旅『微住』の提唱人。
2021年東京から福井市にUターン。
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寄り道して歩き回った旅最初の贈り物。

「エラー」という言葉は、ラテン語の「errō(エーロ)」が由来であり、その意味は「歩き回る」

まさに微遍路の旅を表す言葉そのものだ。

エラーにより、普段の暮らしでは出会えなかった人たちと道中ご縁をいただいた。

 

往路編の1日目は福井市美山町だった。

大野をスタートし国道158号を歩き美山方面へ。

まっすぐ行けば目的地は近いが、大通りを外れ小道に寄り道してみた結果、これが正解だった。

偶然立派な親鸞聖人の像のある民家を発見し、思い切って玄関を開けると、突然の訪問にも関わらず、この家の長瀬なつ子さんが家に上げてくれたのだ。

変わらない笑顔の長瀬なつ子さん。彼女の作業場にて


丁稚奉公から紳士服仕立ての職人となった長瀬さんは、現役を退いても持ち前の器用さを活かし、積極的に地域のボランティア活動に携わっていた。

当時は地元の小学生たちにと、浴衣を再利用したマスクを仕立てていて、僕にも「旅のお供に」と分けてくれたのだ。

これが微遍路最初の頂き物になった。

長瀬家の立派な親鸞聖人像は個人的に作られたそう


この初日の出会いが、微遍路への考えを大きく変えてくれた。

微遍路のテーマソングとして、友人のMCTSUJIが作ってくれた「微遍路音頭」の一節にもこうある。

「目的地だけが目的じゃない、寄り道こそがより満ちた人生」

 

見ていてこちらまで幸せになれる長瀬さんのピュアな笑顔は、彼女がこれまで人生を前向きに“歩き回った”からこそなのだろう。

彼女のような人とのご縁こそ、この微遍路で巡りたかった目的地だ。

微遍路時、突然の訪問にも笑顔で迎える長瀬さん


あれから約2年。今回再び玄関の扉を開けた。

もしかしたら僕のことをもう覚えていないかもしれない…。

一瞬不安がよぎったが、挨拶をするとあの日と同じように笑顔で長瀬さんが出てきてくれた。

 

「あらー元気やったか? いつもfu見てるよ! もう会えないと思ってたから、夢のよう!」 

と長瀬さんのはしゃぐ様子に少し照れくさくも、僕を覚えてくれていたことが何よりも嬉しかった。

 

長瀬さん、また会いに行きます。

いただいたマスクをして旅を続ける田中

再会の日にいただいた手作りのポーチはこれからの旅のお供に

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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