福井の花生産者を巡る。手にする花の向こうにいる、愛情をかけて花をつくる人に会いに行きました。

福井の花生産者を巡る。手にする花の向こうにいる、愛情をかけて花をつくる人に会いに行きました。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

あげても、もらっても嬉しいお花。

私たちが手にする花の向こうには、愛情をかけて花を育てる生産者がいます。

今回は花を育てる人たちを訪ね、その想いを聞きました。

 

Rose&Farmはぐくみ 吉田優子さん

バラの世界に魅了され、生産者の道へ。

「Rose&Farmはぐくみ」でバラ栽培と職業指導に携わっています。

自分で咲かせたバラで魅力を伝えたい。

「高貴なイメージと派手派手しさが苦手で、以前はバラが好きではありませんでした」と話すのは「Rose &Farmはぐくみ」でバラ栽培を行う吉田優子さん

そんな吉田さんを変えたのは、とあるバラとの出合いでした。

「くしゅくしゅとした花弁が特徴のアンティーク調のバラで、最初はバラだと知らずにその可憐さに魅了されました。その後バラだと分かって価値観が覆され、それからはバラが大好きに。もっとバラの素晴らしさを広めたい、そのためには自分で育てたバラでないと魅力を伝えきれないと思うようになりました」。

すぐに勤めていた書店を辞め、27歳でゼロから農業の世界に飛び込みました。

芽の整理を行う吉田さん。その表情は、バラへの愛情に満ちていてとても穏やか

 

多湿で曇天の多い福井は、実はバラ栽培には向かない土地。

そんな福井の唯一のバラ農家「坪川バラ園」で2年半修業を積み、師につきっきりの生活でバラ栽培の基礎を一から学びました。

その後、越前市に「吉田ばら園」を開きましたが、苦労も多かったといいます。

「経験のない病気や虫害に悩まされ、消毒ばかりしていました。土地に合った栽培方法を試行錯誤する日々でしたね」と当時を振り返ります。

その後、障がいを抱える人のための就労継続支援型作業所から協力依頼を受け、吉田ばら園を閉めて現在のバラ園へ。

花との触れ合いは心身にいい影響を与えるとされ、利用者は栽培や選別、ドライフラワー商品の加工などの作業に携わっています。

ドライフラワーの作品作りは利用者の作業の一つ。作業所を運営する「平谷こども発達クリニック」内で展示販売も行っている

 

「ここでは20種類ほどのバラを栽培しながら、職業指導員として利用者の支援を行っています。一人ひとりに合った支援が必要で、コミュニケーションが何より大切。日々学ぶことだらけですね」

 

今日までがむしゃらにやってきたが、まだまだ覚えなければいけないことばかりだと吉田さん。

栽培方法は水耕栽培。1~3月はバラの休眠時期で、植え替え作業などを行う

 

「バラ栽培は、場所が変わればやり方も全く異なります。去年できたことが今年はできないなど当たり前で、一年たりとも同じように栽培できる年はありません。それでも大好きなバラにずっと携わっていたいし、安定していいバラを作れるようになりたいですね」。

力強く語るその表情からは、バラへの深い愛情が伝わってきます。

3月末~12月いっぱいは常に花を咲かせて収穫できるようにしている。

生バラは今後、定期的に行われる販売会で購入可能

就労継続支援B型事業所 Rose&Farmはぐくみ

福井県福井市種池20字30-1
☎0776-97-9697
ホームページ

 

 

野村フラワーフラワー 野村直樹さん

大阪府出身。

南越前町に移住し、祖父の菊畑を継いで花農家「野村フラワーフラワー」として活動中。

目指すのは街の”ご近所農園”。

花農家の高齢化が進む中、南越前町で若き花農家「野村フラワーフラワー」として活動する、野村直樹さん。

露地では菊をメインにユーカリやオミナエシ、ビニールハウスではヒマワリ、ストック、スターチスなど、年間を通して20種類ほどの花を育てており、直売所での販売の他、希望があれば直販にも対応しています。

収穫してきた花の選別作業。大きさごとに分別し、直売所や市場への出荷の準備をする

 

大阪生まれの野村さんが花農家に興味を持ったきっかけは、南越前町で菊農家をしていた祖父でした。

「大学の夏休みに祖父の仕事を手伝った時に、菊を買いに来た近所の人と祖父との何気ないやりとりが印象に残っていて。菊を通して地域とつながっている姿が素敵だなと感じ、花農家になろうと思ったのが最初ですね」。

大学の農学部と農業大学校で広く農業の基礎を学び、卒業後は長野の花農家に勤めて花卉(かき)栽培の技術を身に付けました。

 

南越前町に移住してきたのは6年前。

祖父の菊畑を継ぎ、4棟のハウスも建てました。

「花は上から下まで綺麗じゃないといけないので、野菜と比較すると農薬管理が複雑。ちゃんとやっているつもりでも病気になったり虫がついたりしてしまうのが難しいところです。収穫するタイミングの見極めも正直まだまだ。半日遅れただけで、適期を逃してしまうなんてことも。もっと経験を積んで身に付けていくしかないですね」と真剣な眼差しで語ります。

夏に収穫するハツユキソウの種まき。ハツユキソウの栽培は今年初めて挑戦する

 

祖父との思い出が残るこの地で目指すのは「ご近所農園」。

「その街に住む人が、日々の暮らしの中で豊かだな、と思える瞬間が少しでもあれば、そこはいい地域だと思うんです。僕がここで花農家をやっているということが、街の一つの豊かさにつながるといいと思っています」。

地域おこしにも関心がある野村さんは、作業場をシェアハウスとしても展開。

作業場にしている古民家の屋根裏ではドライフラワーを乾燥中

 

南越前町への移住を検討中で“お試し”で住んでみたい人などが利用し、交流も生まれているといいます。

「花屋ほどの種類はありませんが、僕を頼って花を求めてくる人に応えられるよう、いつでも花がある、地域に開かれた花農家でありたいですね」。

そんな想いで、野村さんは今日も花を育てています。

この日はストックとキンセンカを収穫。ストックは色のバリエーションが豊富で、野村さんは7色を育てている

見事に咲き誇るキンセンカ。寒さに強いのでハウスなら暖房がなくても育つ

野村フラワーフラワー

福井県南条郡南越前町東大道32-6-3
☎090-7484-3594※直販は要問い合わせ
Instagram

 

 


いかがでしたか。

大切に育てている生産者の事を知ると、花の美しさが増すような気がしますね。

生花店で花を見かけたときは、ぜひ生産者の方へも想いを馳せてみてくださいね。

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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