“いなたい”喫茶店ならではの味わい。【生活芸人・田中佑典のふくい微事記~若狭町気山編~】

“いなたい”喫茶店ならではの味わい。【生活芸人・田中佑典のふくい微事記~若狭町気山編~】

こんにちは、生活芸人の田中佑典です。

 

往復約900km。福井県を徒歩で横断する「微遍路(びへんろ)を終え、歩んだ道のりをもとに「微住街道」をマッピング。

街道の途中で出合った出来事を「微事記」として記し紹介します。

今回は【若狭町気山(きやま)編】です。

【⇒過去の記事一覧はこちらから


田中 佑典
さん

台湾と日本をつなぐプロデューサー。
一定期間地域に滞在し、“ゆるさと”づくりをする旅『微住』の提唱人。
2021年東京から福井市にUターン。
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“いなたい”喫茶店ならではの味わい。

微遍路の旅路、どのまちでも決まって探したのが喫茶店だ。

いまどきの“映える”おしゃれなカフェもいいが、僕は“いなたい”喫茶店がたまらなく好きである。

理由はその地域のローカルな情報や人など、旨味がグッと詰まっているから。

“いなたい”とは「田舎臭いけど、どこか格好良い」「地味だけど、味わいがある」という意味で、地味という言葉も“土地の味”と書く。

“地味”も”いなたい”も、地域のローカルな魅力を発掘したい僕にとっては最高の褒め言葉になる。

 

美浜町と若狭町の境に、気山(きやま)という地域がある。

三方五湖の一つ「久々子湖(くぐしこ)」を望みながら国道号沿いを歩いていると、白壁とエメラルドグリーンの屋根が目印の喫茶店を見つけた。

美方高校近く。可愛らしい外観が目印

 

オープンして45年。

現在二代目の浅妻さん夫婦が切り盛りしている「喫茶スクウル」だ。

 

以前、夜まで営業をしていたこともあり、浅妻さん夫妻を含む60代半ばの常連さんが大学生だった頃、ここはまさにアフタースクール、いわば青春の場所だった。

店内で最初に目を引くのは、地元の同級生が描いてくれた手書きのPOPだ。

POPのキャッチコピーは真似できない秀逸さ

 

フードメニューも豊富で、ひときわ気になったのが「新ジャイアンツ弁当」。

大のジャイアンツファンのお父さんが「試合に勝っても負けても豪華なお弁当を! 」という気持ちを込めて作っている。

そのほか並ぶのは常連さんの手作りの品で、どれも狙って作ろうと思っても作れないものばかり。

これが”映える”カフェより”いなたい”喫茶店派の僕の心を掴む理由だ。

友人たちと店で撮った懐かしい一コマ

 

印象に残ったのは「また”ぼちぼち”来てね」というお母さんの言葉だった。

”ぼちぼち”は漢字で「点点」と書き、水滴が続けて落ちる音が由来である。

時間をかけて“ぼちぼち”醸し出す店内の雰囲気

 

地域の旨味は回数を重ね、ぼちぼちと味わうのがいい。

お母さんが淹れるコーヒーをすすりながら、しみじみとそう思った。

 

 

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