「鉄道を本当に楽しむには、 見るだけでなく乗るのが一番」 鉄道写真家・エッセイスト 南正時さん【ふくい人に聞く】

「鉄道を本当に楽しむには、 見るだけでなく乗るのが一番」 鉄道写真家・エッセイスト 南正時さん【ふくい人に聞く】

鉄道写真家・エッセイスト
南 正時さん

 

鉄道写真家でエッセイストの南正時さん(福井県越前市出身)は、全国の鉄道関係者や鉄道ファンの間では知らない人がいないほどの存在です。

自身の集大成といえる写真展を、2018年9月に福井市の県立こども歴史文化館で開催しました。

 

▶南正時ふるさと鉄道写真展(越前市にて開催)の詳細はこちら。



「鉄ちゃん」とは熱心な鉄道ファンを指す愛称。南さんは、そんな全国の鉄ちゃんから尊敬を集めるカリスマ的な存在だ。

1970〜80年代に南さんが手がけた「鉄道大百科」(勁文社)は、シリーズ 20冊以上を数えるロングセラー。当時の鉄道少年たちは、この本をバイブルとして列車の姿を追いかけた。

今も取材で全国を飛び回る南さんは、かつての愛読者から声をかけられることが少なくないという。「特に鉄道関係者に『あの本を読んで駅員を目指したんです』なんて言われると、やっぱりうれしいよね」

南さんは今も福井県内を訪れる際には、暇を見つけては在来の各路線に乗るという。ファンだという駅員から声をかけられることもしばしば。2018年夏、えちぜん鉄道三国線にて


中学生まで、越前市の「武生駅」近くで過ごし、そのころにカメラに興味を持ち始めた。

その後、名古屋での暮らしを経て、東京でアニメーション制作の道へ。テレビアニメ「巨人の星」「ルパン三世」などに携わり、手塚治虫や大塚康生、宮崎駿らと親交を持つ。出版業界と関わる中で鉄道写真家として週刊誌に連載を始め、やがて独立した。

それからは約半世紀にわたって蒸気機関車から新幹線まで、国内だけでなく世界中の列車を取材してきた。また鉄道だけに飽きたらず旅や名水、映画関連など多彩なジャンルの著作は数十冊に及ぶ。

「いろんな人との出会いや縁から新しいことにチャレンジして、気がついたら仕事の幅が広がっていた。本当に運に恵まれていたと思います」

2018年9月、福井市市の県立こども歴史文化館で開かれた「南正時 鉄道 写真展」。鉄道トークショーやギャラリートークも訪れたファンで賑わった


ふるさと福井にはひとかたならぬ愛着があり、これまで公私を通して数多くの鉄道写真を残している。県内の電車には全国に誇るべきところが多いという。

「一つは、大型電車が市街地の路面を車と一緒に走る光景。さらには、福井鉄道とえちぜん鉄道という異なる事業者が相互乗り入れしている。これは、ほかの地域では見られないすごいことですよ」

長いキャリアの中で、福井を含め各地の多くの鉄道が廃線となったり、事業主体が変わる様子を見てきた。
「鉄道は眺めたり写真を撮るのも良いけれど、やはり実際に乗らないと楽しさは分からない。これはわたしのポリシー。しっかり乗って利用することが、魅力ある鉄道を長く残すことにつながるんです」

2018年9月、福井市内で開催した写真展は自身の集大成といえる規模だった。会場には、各地の新幹線車両や福井県内を走るSL、最近の特急などの姿をとらえた多彩な作品が並んだ。

「まもなく福井県内に新幹線が通り、鉄道を取り巻く状況と暮らしが大きく変わる。もう一度、福井の鉄道の歴史を振り返り、愛着を持ってもらうきっかけになればと思いますね」

南 正時(みなみ・まさとき)

1946年、旧武生市生まれ。中学までを同市で過ごし、そのころカメラに目覚める。
1964年に東海道新幹線試運転を初撮影し、本格的に鉄道写真の道へ。
アニメ制作会社を経て独立し、70~80年代に勁文社「鉄道大百科」シリーズを手掛けたほか、世界中の鉄道を取材。
雑誌、テレビ、ラジオ などで幅広く活躍し、著書は数十冊に及ぶ。

 

 

▶「南正時ふるさと鉄道写真展 ~越前市に新幹線がやってくる~」の詳細はこちら

 

 

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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