【開催済】1/24(木)から三国町で「二人展」を開催。若き九谷焼作家・中荒江道子さんを知っていますか?

まず、イタチの毛を使った細い筆を用い、「呉須」と呼ばれる絵具で素地に紋様の線描きをします。

続いて、呉須の溶液を含ませた太い筆で、面を塗りつぶす「ダミ」の作業のあと、透明の釉薬をかけて焼き上げます

一品一品、手で絵付けするので、すべてが一点ものです。

染付は焼くまで仕上がりが分からない一発勝負

緻密な線画に濃淡やムラが出ないよう、均一なペースで描いていきます。

「うまく焼けたときは、『おいしそう』って思うんです。サンマみたいに、いい“焼き味”だなって」と道子さんは笑います。

食器は小鉢や平皿、長皿など仕上がりの色をそろえるため、一度に何個も絵付けをするのだそう。いくつもの作品を同時進行しながら作っていくのは、集中力と根気がいる仕事です。

焼き上げた生地には「上絵」と呼ばれる色絵を施すことも。上絵付けした部分は盛り上がって、立体的になり、独特の質感が生まれる

道子さんのうつわの魅力は、その柄にもあります。

「完全なオリジナルではなく、古典柄に私らしさを加えています。昔から愛される柄は、ムダがなく、完璧なんです」。

例えば、こちら。道子さんの作品を代表する柄ですが、曰く、唐草模様をベースにしています」とのこと。

古典柄にアレンジを加えることで、新しいものと古いものが同居する、独特の存在感を放ちます。

では形は、というと、轆轤師に生地を発注する際に、「ちょっと古っぽく」とオーダーするのだとか。

今回の展示のための新作の丼ぶりも、高台が高く、どこか骨とう品のようで雰囲気があるつくり。

飯碗の内側やフリーカップの底面にも細やかに絵柄があしらわれています。
食べ終わったときや洗うときに、もう一度ほっこりさせてくれる。心にくいです…♡

さて、九谷焼というと一般的に高価なものが多く、“飾るうつわ”というイメージもあります。でも、道子さんのうつわは日常使いできることが大前提。

「テーマはあくまでも食器。毎日の暮らしにちょっと色を添えるうつわを目指しています」。
すべて一点ものなのに、2,200円(箸置き)~と手が届く価格設定も、そんな想いからだそう。

ところで、道子さんのうつわを見ていると、おなかが減ってきます(笑)。
それは、「このうつわには、あの料理をのせて…」と想像させてくれるから。自身も食べること、飲むことが大好きと語る道子さんならではですよね。

もちろん、使い勝手の良さもお墨付き。
会場である坂井市三国町の三本日和のオーナー・畠山かなこさんも、「茶色っぽくなりがちな食卓も、染付の藍色が華やかにしてくれるんです」と話していました。

リピーター率も高く、「中毒性のあるうつわ」とのことなので、ご注意を。

そして道子さんのうつわは、「実際に手に取って見てもらいたい」との想いから、通信販売をしていませんそのため、前回の三本日和での展示には、関東や山陰地方など遠方からも客が訪れ、北海道の方から問合せがあったとか!

実際に目で見て、手で触れてうつわの魅力を感じられる私たち福井県民は、恵まれているんですね。

「ある日の食卓」
2019年1月24日(木)~2月5日(火)
絵付け師:中荒江道子
轆轤(ろくろ)師:松田あきこ

《会場》
三本日和
福井県坂井市三国町北本町4-4-16
☎0776-92-0301
【営】11:00~17:00 【休】水曜
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展示期間中の土日には、道子さんが在廊の予定。
道子さんの温かな人柄や、職人気質なうつわ作りへの想いにふれに、ぜひ三国町まで足を運んでくださいね!

また、今年も日本橋高島屋本店4月18日(木)から個展が決まっているそう。
関東近郊の方も、ぜひ道子さんのうつわに会いに行ってください。

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

MK
writer : MK

「おいしいものしか食べたくない」がテーマ。
主に、ふくいの食べもの、飲みもの、うつわ(職人)について書いてます。ときどき、オシャレもしたくなります。
エジプトと古墳時代、ジブリも好きです。県内のアート情報にも目を光らせています。

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