お茶にちなんだ、やんごとない遊び「茶歌舞伎」とは? 敦賀で体験してきましたよ。

お茶にちなんだ、やんごとない遊び「茶歌舞伎」とは? 敦賀で体験してきましたよ。

こんにちは。日本茶大好き、ふーぽ編集部MKです。

去る7月8日、日本茶インストラクター協会福井県支部が開いた「『茶歌舞伎にチャレンジ!』in敦賀・西福寺」で、茶歌舞伎(ちゃかぶき)に挑戦してきました♡

徳川家ゆかりの敦賀・西福寺のお庭もステキでしたよ。

西福寺で、お庭を愛でつつ廊下を進み、書院の一室へ。

まずは、日本茶インストラクター協会福井県支部 代表の五井美紀さんが、茶歌舞伎の歴史と詳細を解説。

茶歌舞伎とは、別名「闘茶」というそうです。

鎌倉時代末期に中国・宋からもたらされ、南北朝時代から室町時代中期にかけて武家や公家、僧侶の間で流行しました。もとは賭け事で、茶名を伏せて淹れたお茶の種類や産地を当てる、飲み当て遊びです。

今回は初心者でもチャレンジしやすい「5種2煎法」というスタイル。
「5種のお茶を1種飲み、解答する」を2煎行います。飲み比べるお茶は、普通煎茶と深蒸し煎茶、玉露とほうじ茶、そして最後まで招待を明かさないシークレットの計5種。

それぞれ、花・鳥・風・月・客と名付けられます。まず五井さんから、「客」以外のお茶について、香りや渋味、うま味、水色などの説明を受け、いよいよスタート。

今回は女性8名、男性1名(西福寺のお坊さんでした!)の9名が参加しました。

由緒ある寺の一室で静寂の中、まず1杯目。水色をにらみ、香りをかいで、ひと口。舌の上で転がして味わいます。

「うんうん、海苔のような独特の香りとうま味が際立っているね、花(玉露)かしら」と、雰囲気に酔いながら熟考。とはいえ試飲はたったの60秒で、湯飲みはすぐに回収されます。

迷っている暇はなく、すぐに解答表に「コレだ!」と思う解答シールを貼ります。

飲み比べというよりは、まさに飲み当て。決断力が求められます。

2杯目、3杯目と進むうちに、「あれ、やっぱりこれが玉露だったかも」などと迷うことも。「ええい、ままよ!」とおそらく間違っている解答シールをペタリ。

五井さんが言っていた「過去を振り返らず、割り切ることも勝負のカギ」を思い出し、引かれる後ろ髪を断ち切ります。

お茶はすべて同じ煎じ手が、同じ条件で淹れるのがルール

茶葉を入れた急須に熱湯360mlを注いできっかり90秒。10杯×9名のお茶を一人で淹れます。

熱湯で淹れることで、うま味も渋味も苦味もすべて抽出されます。本来は茶種によって淹れ方が違うため、見分けるのは難しくなるのです。

競技中、西福寺の美しい庭を背景にお茶を淹れる煎じ手の所作を眺めているのは、まさに至福のひとときですね。

庭を流れる水の音や鳥の声、通り抜けるそよ風も心地よく、贅沢な時間でした。

お茶を淹れる→試飲する→解答する、を5回繰り返し、1煎目が終了。正解が発表されます。

このとき自分の答えを控えているので、間違えたポイントなどをおさらいし、次に備えます。

ただし、ここでも「客」が何のお茶だったのかは教えてもらえません。難しいよ~!

休憩をはさみ、楽勝だと思われた2煎目。1煎目の正解をふまえての2煎目は、考えることが多すぎて軽いパニック状態に。

恐るべし、茶歌舞伎。まさに自分との戦いでした、ハイ。

すべての試飲が終わり、結果発表。なんと編集部MK、2位でした!

1位の方は全問正解です。

私は1煎目で2問間違えたのですが(1つ間違うと必然的に2問間違いになるのです)、2煎目はパーフェクト。


ちなみに、「客」の正体は玄米茶でした。私、深蒸し煎茶と間違えました(泣)。

でもこんなに集中したのは久しぶり。とても清々しい気持ちです。

結果発表を待つ間には、お茶の旬や保存法など雑学を聞いたり、「水出し煎茶」のふるまいも。何のお茶か分かって飲むお茶は、格段においしい~(笑)。

西福寺のある敦賀も、かつては茶問屋が集まる「茶町」があった縁から、この地での開催になったそうです。

この日は天気がよかったですが、雨の日のお庭もステキなのでご参考まで。▼

国指定名勝! 西福寺(敦賀市)庭園のヒーリングパワーがスゴかった。

 

日本茶インストラクター協会福井県支部は、今後も定期的に茶歌舞伎を開催する予定とのこと。

次回はかつてお茶の生産が盛んだった越前市味真野地区が会場です。詳しくはまた、ふーぽにてお知らせします。

(おまけ)茶歌舞伎が行われることを聞きつけ、西福寺に敦賀市公認キャラクターの「よっしー」がおいでになりました。

ノリノリでポーズを決めてくれました♡ 殿、熱い中、ご苦労様です!!

西福寺

福井県敦賀市原13-7
公式HP:http://www.saifukuji.jp/

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

MK
writer : MK

「おいしいものしか食べたくない」がテーマ。
主に、ふくいの食べもの、飲みもの、うつわ(職人)について書いてます。ときどき、オシャレもしたくなります。
エジプトと古墳時代、ジブリも好きです。県内のアート情報にも目を光らせています。

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