「アンチ部活アンチ宿題」の若新さん、教員の長時間労働問題を語る【若新雄純の変点観測】

「アンチ部活アンチ宿題」の若新さん、教員の長時間労働問題を語る【若新雄純の変点観測】

福井若狭町出身でコメンテーターや大学教員として活動する若新雄純さんに、ふーぽが密着する『若新雄純の変点観測online(オンライン)』。

福井県内の各メディアで若新さんが放つ、「普通」とは少し違ったスタンスの発言を観測していきますよ。

第1回となる今回は、FM福井の番組「Life is 」内のコーナー「若新雄純のふくいナナメ読み」での変点観測です!

水色の背景には福井新聞の記事へのリンクが貼ってあります


2014年に若狭町の新任教員が自ら命を絶った事件 のあと、福井の学校では教員の労働時間を見直す動きが進んでいます。

2018年9月に実施された福井県教育委員会の調査によると、中学校の教員は一日およそ11時間働いており、中には休憩もほとんどとれていない教員もいるとか。

こういった福井の教員の忙しさについて元教員の両親と現役教員の妹をもつ若新さんは、

「福井での教員残業の大きな要因に部活と宿題があるらしい。まさに僕はアンチ部活、アンチ宿題なんです」
と話します。


まず若新さんは、

「福井は県外に比べると宿題の量が多く、先生がそれを必要以上にきっちり管理しようとしているらしい」といいます。

「例えば、宿題の丸付け(添削)は、現代の教育において、どこまで厳密にやる必要あるでしょうか? 宿題を全員がちゃんとやってきたかどうかを念入りに管理することにもう過剰にエネルギーを使うべきじゃないと思います」

「全員に平等に、公平に、公正にって、過剰にきちっとやろうとしすぎることが、先生たちをさらに追い詰めているじゃないでしょうか」

福井の学校では、子どもたちが答えを丸写しできないように、ドリルや問題集などの解答部分を先生が保管する場合が多いようですが、

「例えば、県外の人と話すと『宿題は自分で丸付けするスタイルだった』って人も多いです。確かにそうすれば、先生の負担ってグンと減りますよね」と若新さん。

FM福井「Life is」パーソナリティの藤田佳代さんと


同じく、部活動については「やることなくてもひたすら声出しさせるようなことが多いところと、また意味なく上下関係にとても厳しいことが、僕はとても嫌だった」と振り返りつつ、その部活動をきっちり管理する顧問としての活動が、先生たちの大きな負担になっている現状を指摘しました。

宿題の管理と部活動、その両方に共通することは、子どもたちに「言われたことをしっかりやるための“忍耐”を要求すること」だとし、それらは明治期や昭和の高度成長期あたりに社会的に必要とされた資質で、それに合わせつくられた教育プログラムだといいます。


そうした資質を育てるこれまでのやり方によって福井県の学力は底上げされてきたと評価する一方で、「世の中が成熟期を迎えた今後は、それは求められる教育の姿ではないんじゃないか」と、若新さんは問いかけます。

すでに機械化AIの導入によって社会や労働市場で求めらる人材もかつてとは変化しており、近い将来、受験制度や学力評価の方法が大きく変わることはすでに分かっていて、福井の教育のあり方を問い直したほうがいいという自論を展開しました。


「言われたことを言われた通りにやるというのは苦手だけど、別の面で高い能力を発揮する子たちも確実にいることが分かってきています。その子たちがこれまでの部活や宿題のスタイルが苦手だった場合に、別の選択肢を用意することが大切だと思いますね」

また放送終了後には、宿題に関して

「そもそも丸付けする必要がない宿題を出したらいいですよね。その日の授業でわかったこと、わからなかったことを日記のように書くとかね」

と若新流の解決策を提示。

同じく部活動に関しても持論を展開します。

「学校の部活動ってそもそもは入らなくても卒業できる自主的なものなんだから、全部の部活が別に『勝つこと』にこだわる必要はないですよね。勝つことにこだわるから、先生も熱心になって取り組まないといけない。まずその姿勢を改めて、さらに子どもたちの自主性をのばす方向や楽しく体を動かすことに指導をシフトしたらいい

「そうなると、部活動の顧問も精神的な負担が減ります。体育館やグラウンドに机を置いて、先生が事務作業をしながら片手間で安全面でのみ部活を見るとか、何人かの先生が交代で複数の部活を見るとかもできそうですね」

「勝つことにこだわる部活もいくつかあっていいでしょうけど、そういう部活だけ外部コーチを雇ったり、ボランティアを募って一般の人に部活の指導をしてもらうとか」


そうやって、先生の心身の負担を具体的に減らす施策を打つべきだと力を込めました。

 

(この記事は実際の放送の内容をもとに再構成しております)

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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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