相続は冷たいものでも苦しいものでもなくて美しくて温かいもの
相続という漢字は、「姿や想いを続ける」ことを意味しています。
相続と聞くと財産のことや様々な手続きを思い浮かべる方が多いと思いますが、相続とは気持ちや心を引き継ぐことです。
終活では自分のルーツを辿り、人生を振り返ることから始めてください。
自分が生まれた環境や育った地域や、自分の家が地域の中で持っていた役割、関わってきた人たちを知ることで、自分がこれからどう生きるか目標設定ができます。
自分が小さかった時に地域の人たちに教えてもらったことや経験を、今度は自分が地域の子どもたちに伝えて還元することになります。
心や想いを引き継ぐ相続をすることで、地域や家族を繋ぎ、これからの生き方と役割を知ることができます。
相続で揉め事が発生すると家族がバラバラになり、その後の人生を充実させることが難しくなります。
そうならないように自分を振り返って輝かしい目標を立て、これからの人生をより豊かにしていきましょう。
私は終活が終わった後が人生のゴールデンタイムであると考えています。
全ての準備を終えておくと心配事も無く、何があっても余裕を持って対応できます。これから先自分の身に何が起こるか、終活を始める時点である程度の予測ができるかと思います。
例えば認知症は5人に1人の確率のデータが出ているので自分がなってもおかしくはありません。
もしも認知症になってしまったら家族が助けてくれるか、身近にいてくれるか、契約や手続きは誰にやってもらうかを想定しておくことが大切です。
その時が来ても動じないくらい準備万端にしてこれからの人生を楽しみましょう。
自分のお父さんやお母さんの保険や銀行の取引などまで全て把握している方は少ないかと思います。
亡くなった後は銀行で相続の手続きを行いますが、どこの銀行かわからないと手続きができません。
何の準備もなく突然亡くなると残された家族が大変です。
家族に聞かれる前に自分からエンディングノートを書いて整理し、伝えておきましょう。
物・情報・心の整理整頓
日頃からの整理整頓はとても大切です。
必要な物や残しておきたい物と不要な物が混在していると、残された家族が判別できずに困ってしまいます。
思い入れのある物や価値のある物は家族に伝えておきましょう。きちんと整理されている状態だと、後に不要な物が入ってきてもいらない物として判断できるようになります。
整理とは不正のアクセスを断つことが目的です。また、家族が見てもどこに何があるのかわかるように整理のあとは整頓しておくことも大切です。
情報も同様に整理整頓が必要です。
現代ではテレビなどいろんなところから情報が入ってくるため、整理をしないと全て必要な情報だと考え、詐欺に引っかかってしまいます。
頭の訓練をするためにも不要な情報を捨てて整理整頓をしておきましょう。
これまで整理整頓をして必要なものだけにしておく話をしましたが、終活としての整理整頓は「自分が必要な物こそ捨てていく」ことになります。
情報や人間関係、財産など自分にしかわからないことは自分から切り離すようにしましょう。
親族の関係図や付き合いなどもご家族に伝えて整理してください。
ほとんどの人は物の整理整頓しかしないかと思われますが、物・情報・心の整理全てが重要です。
中でも心の整理が特に重要で、問題を残したまま旅立たないように、自分の気持ちは周りにちゃんと伝えてください。
天国には何も持っていかないつもりで、身軽になってほしいと思います。